ほのじ介護録/余命3カ月の父とわたしの場合

ある日突然、末期がんと診断された独り暮らしの父と、ある日突然、介護することになったわた…

ほのじ介護録/余命3カ月の父とわたしの場合

ある日突然、末期がんと診断された独り暮らしの父と、ある日突然、介護することになったわたしの介護録です。1ヶ月の入院を経て自宅で緩和ケアをしながら生活していましたが、余命宣告どおり3か月めに息を引き取りました。現在はわたしの視点で介護の記録や遺品整理の日々を綴っています。

マガジン

  • 日々の徒然

    父の介護のこと、亡くなってからのこと、わたしのこと。末期がんの父を自宅で介護していた日々を綴っています。

  • ゴミ屋敷からのSOS

    リアルガチな実話です。ゴミ屋敷と化した実家。父からSOSが来たときにはどうなることかと思いましたが、大掃除を経て自宅で生活できるまでになりました。ゴミ屋敷から脱出した父は末期がんと告知され、きれいになった自宅で緩和ケアを受けながら余生を過ごしましたとさ。

  • 手続きカンケイ

    主に父が亡くなってからのこと。手続きってこんなにも大変なんだ…という思いを綴っています。もしかしたら、もしかすると、これから入退院、介護、登記や相続などなどの手続きをする方のヒントになるかもしれません。

  • お墓探しの旅

    リアルなお墓探しの旅。わたしの心の変化や、お墓探しの途中で出会った人&できごとを綴ります。人生でそうあることじゃないお墓の購入について書いているので、これからお墓の購入を考えている方、看取り予定の方の参考になれば…と思います。

  • 遺品整理

    父が亡くなってから始まった遺品整理の日々。あまりの物量に、生前整理しておいた方が良いぞ…と気づき始めたので、こちらのマガジンに経過を綴ろうと思います。遺品整理、生前整理、断捨離のヒントになるかもしれません。

最近の記事

  • 固定された記事

プロフィールは固定するべき?【遅ればせながら、はじめまして #2】

noteを続けるコツやフォロワーさんを増やすコツなどが書かれた記事を読んでいると、プロフィールを固定する…といった事例が紹介されている。今日、わたしのnoteを見てくれている画面の前のあなたも、そのような記事を目にしたことがあるのではないだろうか。 ・ ・ ・ 先人のありがたい記事が数多く紹介されているというのに、わたしのプロフィールはすっかり過去の記事に埋もれていた。 改めて、【ほのじ介護録/余命3カ月の父とわたしの場合】の”わたし”です。 余命3カ月と宣告された父と

    • 柿の実のなる頃に【介護回顧録】

      高級フルーツ店の柿は 思っていたよりも美味しくなかった。 ・ ・ ・ 去年の今頃、わたしは父の介護に奮闘していた。 奮闘といっても 食欲旺盛な末期がんの父に食事を作るのが 主な役割だった。 ・ ・ 投薬のせいか、父の味覚は鈍化しているようだった。 手の込んだ料理を作っても 「まぁまぁ」と言う。 旬のものを食べさせても 「おいしくない」と言う。 ・ ・ そしてついに出会った。 赤々と熟れた柿に。 柿だったんだ。 父の味覚を満たすものは。 ・ ・ 高級フルーツ店で買う

      • 父と食べた寿司の味。一人で食べる寿司の味。【介護回顧録】

        生前、父とはよく寿司を食べた。味にうるさい父のこと。高級店とまではいかなくとも、足を運ぶのはいつもそこそこの高級店だった。注釈をつけるなら、”回転ずしに行ったこともあったが、手を付けるのはビールと茶碗蒸しだけ”であった。一緒に行ったこちらの身にもなってほしいものだ。 ・ ・ ・ 父が亡くなって5カ月。わたしは寿司を食べた。あぁ、もう5か月かという思いと、まだ半年も経っていないんだという不思議な感覚が入り混じる。 寿司を口に運んでは、父にも食べさせたいなぁ…と呟く。そして

        • 位牌を忘れた話

          いよいよ待ちに待ったゴールデンウィークだ! 明日の持ち物は、位牌、遺骨、納骨許可書、お墓の使用許可書。 子供の頃のようにリュックにおやつを詰め込んで…とは、いかない。 ・ ・ ・ 父が亡くなってから、なんとなく姉とはぎくしゃくしていた。ぎくしゃくしている…と感じているのは、こちらの勝手かもしれない。けど…。 介護の疲れもあったし、父が亡くなってからの手続きの大半をわたしがやっていたから、気づかぬうちに雪のように不満が積もっていた。 だからというわけじゃないけれど、納骨

        • 固定された記事

        プロフィールは固定するべき?【遅ればせながら、はじめまして #2】

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        • 日々の徒然
          93本
        • ゴミ屋敷からのSOS
          12本
        • 手続きカンケイ
          4本
        • お墓探しの旅
          9本
        • 遺品整理
          3本
        • 介護録
          10本

        記事

          4月から社会復帰した感想は 『あ~しば漬け食べたいっ』 以上。 ※わからない人は【ヤマグチミエ しば漬け】で検索しよう。

          4月から社会復帰した感想は 『あ~しば漬け食べたいっ』 以上。 ※わからない人は【ヤマグチミエ しば漬け】で検索しよう。

          エッシャーの絵の中で。

          現在、わたしの家は大規模修繕工事の真っ最中。自宅は四角い鉄格子に覆われて、まるでエッシャーの絵の中だ。 ・ ・ ・ わたしは一軒家で暮らしたことがない。産まれてから一番古い記憶の中にあるのは、幼少期を過ごした団地。 それから、両親が別居することになって仮住まいをした小さなアパート。結婚してすぐの頃は、映画の舞台にもなったことがある古いマンションに暮らしたこともあったっけ。 そんなわけで40数年も生きてきて、いまだ一軒家で暮らしたことがないのだ。 マンションというのは

          5月の大渋滞、一息つけば空には大きな鯉が泳ぐ。【納骨の話】

          あーこれで、一息。そう思ったのは、このゴールデンウィーク中に納骨を終えたからだ。 ・ ・ ・ 遠方から来る姉も、叔父もそう思ったことだろう。幸い天気には恵まれたがけれど、とにもかくにも渋滞がすごかった。 そんなわけで、数時間かけてお墓に集合。それで納骨はというと、ものの数十分で終了した。それもこれも、無宗派・家族のみでの納骨という形にしたからだ。 こういうものをおススメするのは少し違う気もするが、お坊さんがいなくても無宗派でも問題なく納骨できる。お金の面でも、時間の面

          5月の大渋滞、一息つけば空には大きな鯉が泳ぐ。【納骨の話】

          この3日間電波のないところに出掛けておりました。強制的デジタルデトックス完了です。心なしか肌ツヤ良いです(笑)

          この3日間電波のないところに出掛けておりました。強制的デジタルデトックス完了です。心なしか肌ツヤ良いです(笑)

          訃報を知らせるのに良いタイミングなどない。

          あー、やっぱり泣いてしまった。 今週から仕事を再開し、来週には父の納骨を控えている。通常運転に戻りつつある、わたしの生活。だから、意を決して行ったんだ。父がよく通っていた立呑屋へ。 ・ ・ ・ 父が足繁く通っていた立呑屋は、わたしが通っているジムのすぐ近くにある。筋トレは趣味と言ってもいいくらいだから、わたしも毎日のように立呑屋の前を通っていた。 コロナ禍で人数制限や換気の義務を負った立呑屋は、扉を大解放して営業を続けている。だから、店の前を通るとカウンターで呑んでい

          訃報を知らせるのに良いタイミングなどない。

          初出勤ヘロヘロ~😂

          ザリガニを釣った友人と、沼から脱出したザリガニと。【ちょっとしたご報告】

          友人からの仕事の誘いは、沼の底にいるザリガニに垂らされた一本の釣り糸だった。するめでも何でも良いのに、沢山の餌をぶら下げてわたしのいる沼に垂らしてくれた。 介護中、自分自身がどんな時空に存在しているのかわからなくなることがあった。宙をさまよっているような、深海を漂っているような。先が見えないから、濁った沼と表現するのがしっくりきていた。 そんな沼に、友人が垂らした釣り糸。ザリガニがそうするように、わたしも両方の手を伸ばして釣り糸を掴みにいった。最初は手を放してしまったけれ

          ザリガニを釣った友人と、沼から脱出したザリガニと。【ちょっとしたご報告】

          【ヤングケアラー】国が打ち出した4つの支援策って?#2

          いやいや、きのうはすみませんでした。4つの支援策について記事を書いておきながら、2つめを書いた時点で時間がなくなるという…。 本当に申し訳ない。今日は続きを書いていこうと思います。 ③家事育児相談 家族の世話をしているヤングケアラー。誰を世話しているかというアンケートで最も多かったのは、中学生、高校生いずれも「きょうだい」だったという。(中学生の61.8%、高校生の44.3%) その多くが小学生の頃からきょうだいの世話をしていて、「時間的余裕がない」と回答したそうだ。

          【ヤングケアラー】国が打ち出した4つの支援策って?#2

          【ヤングケアラー】国が打ち出した4つの支援策って?#1

          つい先日、ヤングケアラーについて記事を書いたところ、たくさんの方に見て頂くことができました。それで、国として具体的にはどんな対策を打ち出しているのか気になったので、今回は続編をお届けします。 ①早期把握 先日の記事に書いた通り、家庭の事情というのは表面化しにくいものがある。ヤングケアラー自身が介護をしているという自覚がないまま、家族の介護をしているという事実。 そして支援策として提案されたのが、早期把握。うんうん。早く気づいてあげれば、できることも多そう! ②相談支援

          【ヤングケアラー】国が打ち出した4つの支援策って?#1

          いざ出航。 介護を終えた、いまの気持ち

          父の介護が始まったとき、全ての色を失ったような気分だった。だって、余命3カ月ってあまりにも短すぎる。それに加え、家はゴミ屋敷になっているし、保険も入っていないだと……!!! ・ ・ ・ まぁ、ゴミ屋敷になった実家についてはこれまでにもたくさんの記事を書いたので割愛するとして、余命3カ月と宣告された父とどう向き合って良いか戸惑う日々だった。 いや、刻一刻と3カ月のリミットは迫ってくる。戸惑っている時間はない。 残された時間が短いと知って、わたしは生活のすべてを父に全振りす

          いざ出航。 介護を終えた、いまの気持ち

          今日でコロナ隔離明け❗ 夫は仕事へ。娘も間もなく隔離明け。 やっと、のびの~~びできます😁

          今日でコロナ隔離明け❗ 夫は仕事へ。娘も間もなく隔離明け。 やっと、のびの~~びできます😁

          周りにヤングケアラー(若年介護者)はいませんか?

          わたしの学生時代の友人でMちゃんという女の子がいた。一緒に電車に乗って通学を共にする友人の一人だ。彼女はどこか影があった。どちらかと言うと騒がしいタイプのわたしには、Mちゃんは”大人しい子”という印象だった。 大人になり、そのMちゃんについて他の友人からこんな話を聞いた。 ・ ・ ・ 友人:「Mちゃんって、いつもかわいそうだったよね」 わたし:「何が?」 友人:「だってご飯作ってもらえないから、お弁当自分で作ってきてたじゃん」 わたし:「そうだっけ?」 友人:「

          周りにヤングケアラー(若年介護者)はいませんか?