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2020年10月の記事一覧

佐藤幹夫/村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。

佐藤幹夫/村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。

上記一文は、私が本書を手に取った理由にもあたる。

私も、村上春樹氏のこの発言に、疑問を持つ者の一人だ。

そんなはずがないのだ。読んでいないはずがないのだ。

村上春樹『ノルウェイの森』と夏目漱石『こころ』このふたつの作品は、似ていると私は感じた。

・死を内包しながら生きる主人公

・アイデンティティの喪失

・まるで人間味のない人形のような女性(ヒロイン)の描かれ方

などが、そう考えた要因

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有栖川有栖/虹果て村の秘密

有栖川有栖/虹果て村の秘密

純文学以外に好きなジャンルが2つある。

1つは、"青春ミステリ(ジュブナイル・ミステリ)"
もう1つは、"百鬼夜行(日本の昔話のようで少し不思議な小説)"
だ。
特に2つめが曖昧な表現になったので、具体的に好きな作家や作品を例として挙げさせていただくと、
"青春ミステリ(ジュブナイル・ミステリ)"
恩田陸
『六番目の小夜子』
『ネバーランド』
『黄昏の百合の骨』
『麦の海に沈む果実』
辻村深月

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夏葉社/冬の本

夏葉社/冬の本

天高く馬肥ゆる秋、すでに朝晩の空気に冬の気配が溶け込んでいる。

そんな空気に触れた時、思い出す1冊の本がある。

『冬の本』、夏葉社という出版社より刊行された書籍だ。

夏葉社とは島田潤一郎氏という男性が、たった一人で起業した出版社である。

「何度も、読み返される本を。」という理念のもと2009年に創業された。

起業した理由は、ある1冊の書籍を世に出すため。

彼は2年の歳月をかけ実現させた

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