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成果を出す仕事術3つのコツ|世界一流エンジニア思考法【書評】【新書】
こんにちは。
効率よく成果を出せる仕事、できていますか?
「業務を効率化する裏技を試してもうまくいかない」
「いつも時間に追われている」
「頑張っているのに、成果につながらない」
今日取り上げる書籍はアメリカ、マイクロソフト社のエンジニアとして第一線で活躍される牛尾剛さんの著書『世界一流エンジニア思考法』です。
![](https://assets.st-note.com/img/1698411691187-bpxnQJfasE.jpg?width=1200)
本書では、少しでも早く成果を出すために必要なのは「偉大な習慣」であると定義しています。
ただ「偉大な習慣」というと、スキルの高い人だから実践できるような難易度の高いものをイメージするでしょう。
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でもご安心ください。
本書でいう偉大な習慣は、誰でも再現可能な習慣です。
むしろ、簡単すぎて見落としているケースも多々あります。
今回はこの偉大な習慣を身につけるポイントを次の3つのキーワードに集約してご紹介します。
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減らす
早くする
つながる
偉大な習慣を身につける目的は、成果を出すことです。
このことを念頭に、早速、成果を出すための方法を紐解いていきましょう。
キーワード1 減らす
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効率的に作業できるようになるために、あなたはこれまですでに、さまざまな効率化の方法やツールを試して来たのではないでしょうか。
仕事ができる人は仕事が早くて正確です。
あっという間に仕事をこなし、さらに高い価値を生み出します。
「頑張っても自分にできないのは、脳のスペックが違うから・・・」
そんなネガティブで根拠のない思いに囚われることもあるかもしれません。
しかし成果を出せる人と出せない人の大きな違いは、適切に「減らせ」ているかどうかです。
詳しくご説明します。
ポイント1 なぜ「減らす」のか
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「減らす」ことは脳の負担を減らす効果的な方法です。
脳はマルチタスクが苦手という話を聞いたことはありませんか。
そもそも人間の脳は、一度にひとつのことに集中するように作られています。
マルチタスク自体ができないわけではありません。
しかし本来の脳の機能ではハードルが高い作業であるため、膨大なエネルギーを消耗します。
一つ一つの作業に投じるエネルギーが減ることによる、情報処理の能力の低下は免れません。
例えば、同じ走行能力のある2台のスポーツカーをイメージしてください。
一台は、全速力で走行します。
もう一台は、脇見運転しながら7割のスピードで走行します。
同時にスタートした場合、どちらが早くゴールに辿り着けるでしょうか。
正解は、全力で走った車です。
ポイント2 「減らす」から成果を出せる
私たちには日々、処理すべき情報が多数訪れます。
脳に与えられた10のエネルギーを10のタスクに分散している人は、いつも忙しいのに成果を出せません。
一方、1つのタスクに集中してエネルギーを投じる人は、確実に成果を出します。
脳のスペックはみな同じというのが現代科学の見方です。
日経ビジネスで紹介された記事で、偏差値35から2浪して東大合格を果たした西岡氏は「頭のいい人は思考回路が違う」と述べています。
地頭の良さが違うというのは幻想か、考え方の方向性が誤っていることを誤魔化すための言い訳です。
考え方、そして取り組み方次第で成果は大きく変わります。
ポイント3 「減らす」ための考え方
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ではどうやって減らして行けば良いのでしょうか。
減らす時のポイントとなるキーワードは、「一点集中」と「完了」です。
やらなければならないことがたくさんある時は、優先順位をつけて取り組むのがよい。
まずこの考え方を捨ててください。
「優先順位をつける」とは、あなたに与えられた限りある時間や労力の分散を前提にした考え方です。
その結果、時間が足りなければマルチタスクになるでしょう。
あれもこれも中途半端で完了しない、といった可能性も考えられます。
完了すらしないのでは、成果にはなりません。
またひとつひとつに注力できないので、タスクの数をこなせたとしても、価値を創造して成果を出すことは困難です。
成果を出す人は、作業をしません。
思考を重ねて、価値を生み出すから成果につながります。
ただ作業するだけの人では、今後AIに代替される可能性が高いことは想像に難くありません。
まとめ
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自分の価値を高めるためにも、やるべきことを減らして一点集中にし、ひとつをまず全力で完成させること。
本当に自分がやらなければならないことに全力投球する。
この2つが大切です。
キーワード2 早くする
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早さこそ正義な現代社会ですが、早くすべきことと早くしてはいけないことがあります。
この違いを理解しておかないと、無駄に努力して成果を出せないといった事態につながるので、ご注意ください。
では具体的には、早くすべきこととしてはいけないことにはどのようなものがあるのでしょうか。
確認していきましょう。
ポイント1「早く」すべきこと
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本書によると「早く」しなければならないことが次の2つです。
完了
失敗
早くしなければならないこと1 完了
成果とは、成果物を評価した結果として得られるものです。
そして評価を受けるためには、タスクが完了していなければなりません。
どんなに素晴らしいアイディアでも、成果物として客観視できる形が整っていなければ評価されません。
評価されなければ成果にはならず、あなたの実力や努力が認められることもありません。
頑張っても成果を出せない状態では、日々の仕事はただの苦行です。
せっかくあなたのかけがえのない人生の時間や労力を投じて仕事するのですから、成果を出して評価され、自分自身の価値を高めていきたいところ。
そのために、とにかく早く完了させることを念頭におくことが大切です。
早く完了させるには、マルチタスクで脳のエネルギーを分散していてはいけません。
一点集中で、成果を出せることに絞り込み全力投球するやり方に自然となっていきます。
早くしなければならないこと2 失敗
失敗は早くすべきです。
失敗のタイミングが遅くなるほど、それまで注力したエネルギーを台無しにし、成果を出せないと言った最悪の結果につながる可能性が高まります。
もちろん、失敗しないに越したことはありません。
しかし人間の脳は完璧ではないため、どれほど注意していても失敗します。
失敗とは、ないほうがいいけれど必ずひょっこり顔をだす腐れ縁のような存在です。
ではどうしたら早く失敗に気づけるでしょうか。
ポイントは、自分とは違う脳でチェックすることです。
自分で見落としやミスがないかチェックするのは当然必要ですが、自分では何度も見直して気付けないことの存在も忘れてはなりません。
人間の脳の数だけ異なる解釈があり、視界があり、思考回路があります。
これを例えるなら、自分ではクリアなレンズのメガネを書けていると誰もが思っているのと同じ状況です。
しかし実際は、誰もが少しずつ異なる色のレンズのメガネを装着しています。
同じものを見ていても、見え方はまったく異なりますが、他の人のメガネをかけることができないので違う見え方は理解できません。
どれほど他の人の見え方をイメージしても、結局自分の見え方の延長上に想像できる概念でしかないのです。
だからこそ一人で完璧を目指すより、人の脳を借りてミスをチェックしたり、違う視点での考え方を取り入れることが大切です。
早く失敗に気づき、早く成果を出す未来につながります。
ポイント2「早く」してはいけないこと
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早くしてはいけないことは、次の2つです。
試行錯誤
とにかく手を動かす
つまり、一人で課題を解決しようとしないこと。
そして考える前に動かないこと、といいかえられます。
詳しくご説明しましょう。
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本書では、「試行錯誤は悪である」とまで言及しています。
例えばあるトラブルに直面した時、あなたはどのように対処しますか?
とりあえず気がついた問題と思われる箇所に対処していくとしたら、その対応方法は成果を出せないやり方かもしれません。
もちろん最初に着手した課題が運良く根本的な原因で、一気に問題が解決する可能性はあるでしょう。
しかし実際は、それほどの幸運は頻繁には訪れません。
「ここに問題があるのかな?」
「あっちかな?」
「なんか違うみたいだ」
「あ、これはさっきやってみてダメだったところだ・・・」
これでは早く完了させることも成果を出すことも困難です。
世界は、猛烈なスピードで膨張し拡大しています。
宇宙がおよそ138億年前から膨張を続けているように、人間の世界も広がり続けているのです。
その結果、世界の複雑さもまた加速しています。
なんとなくの思いつきや勘でとりあえずやってみたことがピンポイントで問題の核心をつく可能性は決して高くないでしょう。
「ミスを減らす秘訣」でも言及されていますが、最短で最大の成果を出す秘訣は可能な限り失敗しないことです。
すでに失敗しているのにもかかわらず、失敗をリカバリーすることに失敗し続ければ、成果は着実に遠ざかります。
ではどうすれば良いのでしょうか。
答えは2つあります。
手を動かす前に仮説を立てる
人を頼る
なんとなく思いつきで着手してはいけません。
これも「ミスを減らす秘訣」で言及されていますが、まずは仮説を立ててください。
手を動かす前にまず考える、とも言えます。
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「何がよくなかったんだろう?」
「今どんな状態になっている?」
「こういう症状が出る原因には、どのような可能性があるんだ?」
まず考えて、もっとも有力と思われる可能性を仮説にし、それを最短の時間と手間で解決する方法を考案します。
ここまでの手順を踏んで、はじめて手を動かす流れです。
この時、自分だけで考えるなら時間の上限を決めてください。
延々と気が済むまで考えていては、事態が悪化するでしょう。
この場合の目的、つまり成果は、最短の時間と労力で課題を解決することです。
仮説や解決策を考えることが目的ではありません。
まして、自分の力だけで解決することも、目的とは無関係です。
「ググれカス」という言葉があるのをご存知でしょうか。
「Google検索で調べればほとんどのことがわかるのだから、自分で調べて解決しろよ」という意味の言葉です。
アメリカを拠点に活躍する著者によると、日本では未だ多くのシーンで「自分の遭遇した課題は自分で解決すべき」という考え方が根強く残っています。
もちろん、自分で解決する力を身につけることは大切です。
先輩と後輩、部署内といった小さな視点であれば、それぞれがスキルアップして自分の仕事を自分だけで完了させられるほうが良いと思えるでしょう。
しかしプロジェクト全体、企業全体といった大きな視点でみた場合はどうでしょうか。
ある個人のレベルで課題の解決が滞ったがために、全体に影響を及ぼし、全体として成果を出せない状態に陥っているとすれば、損失は計り知れません。
人体であれば、たとえ毛細血管の一部であっても、動脈硬化が進めば人命に関わるような大病に発展しかねません。
「いちいち頼られたら面倒だから」
「いちいち人に尋ねたり教えてもらったりするのは気が引けるから」
こういった個人レベルの思いが邪魔をして解決という成果を早く出すことをためらっているなら、危険です。
ポイント3「早く」なるコツ
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早く成果を出すために、必要であれば知識や経験を持っている人を頼るべきです。
ただそれと同時に、自分自身を底上げする努力も欠かせません。
自分自身をパワーアップさせるコツは「理解」することであると著者はいいます。
しかしここでいう「理解」とは、なんとなくわかっている、なんとなくできる、わかる
といったレベルではありません。
徹底して基礎を習得することを意味します。
例えば英語の前置詞について、入学試験の問題で正しく解答できるからといって基礎を理解しているとは言い切れません。
前置詞にはそれぞれニュアンスがあり、ベクトルがあり、イメージがあります。
前置詞inであれば、箱の中に入っているイメージです。
前置詞onは何かに接触しているイメージです。
これが理解できていれば、in time とon timeがまったく異なる状態を意味することを、それぞれの意味を暗記せずに説明できます。
基礎力というと、簡単なことなのでおろそかにしがちです。
ある程度理解できるとすぐに、応用編に挑戦したくなるでしょう。
しかし基礎は物事の土台です。
土台が穴だらけの住宅にいくら立派な外装を施しても、天災に見舞われればあっという間に崩れてしまいます。
基礎をこれ以上ないほど完璧に固めること。
これこそが、応用力を大きく飛躍させるコツです。
そして基礎を大切にしようという思考回路をあなた自身が持ち、実践しない限り、状況を変えていけないターニングポイントでもあります。
まとめ
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ビジネスの目的は、早く成果を出すことです。
早く成果を出すために必要なことは正義であり、成果を遅らせることは悪であるといえます。
常に「今出すべき成果はなんだろう?」と自分に確認すると、今本当にすべきことが見つかります。
そして基礎力を大切にしてください。
華々しい応用力もアイディアも、磐石の基礎力なしには発揮できません。
キーワード3 つながる
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人とつながり、人と協力し、人の力を借りる。
これらの目的はすべて「早く成果を出す」ことです。
人間の脳には無限の可能性があります。
しかし完璧ではありません。
そして完璧ではない故に、成果を出すことが難しくなります。
しかし誰もが持っている得意なことを集約すれば、もっとも成果が出ます。
足りない部分を補い合うこと、そのために人とつながることが大切です。
ひとりの力では乗り切れない
「転んでも自分で立ち上がって歩き出すまで待つべき」
小さな子供と接する時の姿勢として、少し古い考え方ではありますが、よく言われる話です。
では何が目的で、子供が自分で立ち上がるのを待つのか、わかりますか。
いつも親や大人が助けてくれるわけではない。
困難に遭遇しても自力で生き抜けることが大切だ。
目的は自立心の強さを習得させることです。
では例えば会社で、新人社員が課題を解決できず困っているとします。
この時「君の成長のために、自分で課題を解決しなさい」と放置するのは正しいことでしょうか。
企業が存在し活動する目的は価値の創出によって利益を生み出すことです。
例え新人社員が取り組んでいる課題が小規模であったとしても、流れが滞っているのを見過ごすのは危険です。
関連するほかの業務にまで、支障を来す可能性があります。
例えばこの例でいえば、課題解決に集中しすぎるあまり、クライアントに届ける資料の作成を忘れていたといった事態につながれば、損失はより拡大するでしょう。
自分でやり抜く
自分で頑張る
こういった精神論は全面的に否定できるものではありません。
ただその時々で異なる目的、つまり成果にそぐわない場合は考えものです。
人に頼ることは、悪いことではない。
むしろ人を頼れないメンタリティの方が問題である。
頑張ることに慣れすぎているあなたに、知っていただきたい言葉です。
上手に「つながる」ポイント
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上手に人を頼り、頼られるために覚えておきたいのが次の4つのポイントです。
成果を出すことが目的だと常に念頭におく
自分目線ではなく相手目線
さらっと断る
さらっと頼む
「自分のことだけでも精一杯なのに、人から質問されたり頼られたりしたら困る!」
そんな思いがあるなら、あなたはまず仕事を減らす必要があるでしょう。
成果のために人から頼られ、また自分も人を頼る習慣を身につけてください。
また人に頼む時、質問する時、そして回答する時は、相手目線の言葉を選びましょう。
自分と他の人では、見え方も理解度も違います。
自分が理解している言葉で、自分が理解していることをそのまま伝えても、相手には理解できません。
相手はどの程度理解しているのか、どのような先入観を持っているのか考えながら、伝わる言葉で表現してください。
人とつながってコミュニケーションする目的は、情報を伝えて相手に理解してもらうこと、です。
「何度説明しても理解されない!」と腹を立てる前に、相手目線で理解できる言葉を届けただろうかと自問してみましょう。
情報の目的は、伝えることです。
伝わってはじめて、成果を出したことになります。
伝わらなければ意味がありません。
そしてカジュアルに質問し、助けを求め、カジュアルに断りましょう。
無理をして抱え込む必要がないのと同様に、自分では力になれない時は断って構いません。
むしろ断って、本当に役に立てる人に当たってもらうことが成果につながる秘訣です。
まとめ
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人と上手につながるコツは、主観をやめて客観視すること。
自分がよく思われたい
自分が嫌われたくない
自分が面倒になるのは嫌だ
こういった個人の感情はビジネスとは切り分ける。
ビジネスの目的は成果。
成果を出すから、給料や報酬として還元される。
さいごに
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今日はアメリカ、マイクロソフト社のエンジニアとして第一線で活躍される牛尾剛さんの著書『世界一流エンジニア思考法』から、「成果を出す偉大な習慣に欠かせない考え方」をシェアしました。
本書との出会いで、あなたの人生がより豊かになりますように。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
それでは、さようなら。
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