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フリースタイル書評バトル第2回「出版芸人」ーNo.2『29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。』

本と出会えるサイトホンシェルジュの新企画「フリースタイル書評バトル-芸人編-」。芸人におすすめの本を紹介し合ってもらう執筆バトルで、皆さまからの投票で連載権を獲得する芸人が決まります。(詳細は過去のnoteをご覧ください)

ホンシェルジュのサイト上にアップした本企画の記事ですが、このマガジン記事では芸人による作品紹介文の部分だけを読みたいという方向けに、1作品ごとに公開しています。

■第2回「出版芸人」参加芸人

当記事は、こちらの参加者のうちの誰か1名が執筆したものです。

・芋洗坂係長 
・Hi-Hi 上田浩二郎 
・マシンガンズ 滝沢秀一 
・オジンオズボーン 篠宮暁

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No.2『29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。』


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ノンフィクションものの本が好きだ。僕は本を選ぶ時にタイトルのパンチ力がガツンと来ないと、 勧められても手が伸びない。葉山マリヤさんの『29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。』このタイトルに、29歳をとっくに過ぎた僕はやられた。 誰でも一度は考える、ある日突然「あれ?なんか思ってた人生と違う」……ここからスタートするある女性の物語。

派遣社員の「私」は29歳の誕生日にコンビニで小さなショートケーキを買って帰る。食べようとした時に苺が床に落ち、まだいける、と必死に洗う。この時ふと、私のなかで心の糸が切れる。 あれ?誕生日の日に必死に何してるんだ?と号泣する。

この「掴み」にグッと引き込まれた。僕がネタを考える時に1番大事にしていることが「掴み」。これさえよければ後は適当。ダメなんだろうけど凄く自分のなかで大事だ。

「私」はここから人生を振り返り絶望的になった。ふとテレビを見るとラスベガスのカジノが映る。どうせなら29歳最後の日。華やかなここで人生の全てを賭けて勝負して30歳で思い残すことなく死のうと決めた「私」の人生のカウントダウンが始まる。

かっこよすぎる。僕は、一度芸人を辞めている。芸人をもう一度やろうと思った時に決めたことが2つあった。「今までの自分を変えないとダメ。」「言い訳をやめる」の2つ。でもそれがダメなら死のうとまでは思わなかった。

対して、こうすると決めてからの「私」は全てに前向きで言い訳が1つもない、完全な人間に変わった。お金のためヌードモデルも経験。同時に英語の勉強。徹底的にギャンブルの勉強を始める。いい意味で開き直ったのだ。性格も変わって人脈も広がり友達もできる。そして1年後、絶望しかなかった私が運命の29歳最後の日ラスベガスで全てを賭けた勝負に挑む。死ぬ気になればなんでもできるを本気でやったこの「私」の物語をぜひ読んでほしい。

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また、7/24(金)12:50まで投票も受け付けています。第2回「出版芸人」の記事を読み比べて、1番読みたいと思った作品に投票お待ちしております。


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