澤風哉

競馬関係者 PLANETS CLUB会員

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最近の記事

逃れることのできないもの。

 2020年9月、大手IT企業を退職した僕は自分の趣味を仕事にすることにしてみた。僕の今の仕事は「馬を売る」ことである。馬というのはポニーなどのペットとか乗馬ではなく、僕の趣味である「競馬」の主人公サラブレッド(競走馬)だ。では自分がサラブレッドを所有して売っているのかというと、そうではなく、北海道の牧場で生産されたサラブレッドをECの形態で購買者である馬主に販売するという仲介をしている。牧場としては馬は商品であり、それが高値で売れて、尚且つ競馬で結果を出してくれることが重要

    • 「考える」という選択 ~遅いインターネットを読んで~

       「遅いインターネット」(著:宇野常寛)、この1冊は僕に、この惑星に住む「人間」として当たり前だが、忘れられつつある大事なものを与えてくれた。それは「考える」という行為である。もちろん、ここで述べられている本来のインターネットの姿を取り戻すべく提示された「遅いインターネット計画」が結論であることは理解した上で、本作品を読み進めていくと、随所に「思考せよ。」と言われている気がする箇所が散りばめられている。 まず冒頭の「平成という失敗したプロジェクト」における高度経済成長期を成功

      • 調理実習出禁から至高の世界へ

         目一杯の力をこめてすりおろしたにんにくと生姜、幅1cmほどに切りそろえた長ネギを鍋に加えながら、料理が出来ると胸を張って言うのに明確な基準はあるのかと僕はふと思った。2020年、24年の月日を経て、ついに僕は自炊を始めた。コロナが理由であることは言うまでもなく、多くの人が僕と同じように自炊を始めただろう。しかし、これはアニメしか見ていない鬼滅の刃ファンが炭次郎は物語終盤、鬼になるんだと告げられるくらい、澤家にとっては衝撃の出来事なのである。  忘れもしない13年前、小学校

        • 「日本競馬」と「サラブレッド」

           最終コーナーを回って、最後の直線。大歓声と共にあちこちで怒号と悲鳴が地鳴りのように鳴り響く。 コロナの影響で今では見ることのできなくなった景色。そんな環境下にもかかわらず、この国では「競馬」というものが「公営ギャンブル」という要素を抱えながら、多くの人を魅了し続けている。日本の競馬を運営している「日本中央競馬会(JRA)」は競馬のイメージアップを図るために松坂桃李や土屋太鳳といった超人気俳優たちを用いて大々的なCM、広告を打ち出しており、競馬場の来客数が増加していることから

        逃れることのできないもの。

          じいちゃんが5歳にかけた呪い

          風に揺れるたてがみ、パンパンに張ったトモの筋肉、芝の上を駆け抜ける足音に耳を澄ませながら、最近はタニノギムレットという競走馬のぬいぐるみに跨り、毎日競走馬の動画を見て過ごしている。           僕は約1年半働いた、従業員数がグループで2万人の会社を辞めた。新しい職場は社員が2人しかいない小さな競馬関係の会社である。元々競馬は好きだったので、会社を辞める前もたまに動画を見たりはしていたのだが、新しい職場が決まってからは毎日のルーティーンになっている。 なぜこんなこと

          じいちゃんが5歳にかけた呪い

          最高にちょうどいい田舎

          心地良い風に揺れる山吹色の稲穂と、少し青みがかった色の広大なため池。小学校2年の秋、Google Mapの航空写真で見ると、お世辞にも綺麗な緑に染まっているとは言い難い、中途半端な色で塗られた、いわゆる日本の「田舎」に僕は住み着いた。「兵庫県加古郡稲美町」人口約3万人、周りには日本標準時の基準となる東経135度子午線が通る日本の中心都市「明石市」、お笑い芸人の陣内智則が観光大使を務める播州のマンモス都市「加古川市」、兵庫県の県庁所在地にして、関西を代表する大都市「神戸市」と明

          最高にちょうどいい田舎

          遠回りのオタク

           2017年11月8日、東京ドーム。暗闇に包まれる中、開演を告げる「Overture」が流れると、一斉にサイリウムが七色に光り始め、5万人のオタク達の野太い声が地鳴りのように会場一面に響き渡る。「Overture」が鳴り止むと、1曲目のイントロが流れ、火薬の爆音と共に制服を身に纏ったメンバーが登場すると、サイリウムを振り続ける5万人と共に僕のボルテージは最高潮に達した。「制服のマネキン」は乃木坂46の楽曲で僕が1番好きな作品だ。乃木坂46は生みの親である秋元康が「リセエンヌ」

          遠回りのオタク

          「コードギアス」から見える     世界の在るべき姿

           昨日、映画「コードギアス復活のルルーシュ」を鑑賞しました。      一言で表すと、「コードギアス=神アニメ」です。これ以上ない結末でしたね。      そんなファン待望の作品でしたが、私はこの作品を通して、世界の在るべき姿について 考えさせられました。    今の世界をみなさんはどう思いますか?    明日が待ち遠しいですか?  私は今の世界は偽りに隠されている世界だと思っています。グローバル化と言いながら世界はますます国家の名の下にローカル化していっているよ

          「コードギアス」から見える     世界の在るべき姿