堀 香織

ライター/編集者。雑誌『SWITCH』の編集者を経て、フリーに。『Forbes JAP…

堀 香織

ライター/編集者。雑誌『SWITCH』の編集者を経て、フリーに。『Forbes JAPAN』、Yahoo!ニュース特集ほか、各媒体で人物インタビューを中心に執筆中。ブックライティングに是枝裕和『映画を撮りながら考えたこと』、小山薫堂『妄想浪費』など。

マガジン

  • 日本酒サロン開業顛末記

    金沢生まれ、東京育ちのライター兼編集者が一念発起して京都で日本酒サロンを開業。オープンは2024年(令和6年)6月6日の大安を予定。誰かの参考になるとよいなと思い、店づくりのもろもろを綴ります。

  • つれづれ

    家族や恋や思い出などをつれづれに……。

  • 仕事いろいろ

    フリーランスライター・編集者としての、仕事について。

  • お水の花道

    酒場でのアルバイトについて綴る不定期連載。ちなみに働いた場所は、歌舞伎町、六本木、ロンドン、赤坂見附、学芸大学、銀座、鎌倉、京都(現在進行中)。クラブ、キャバクラ、カラオケスナック、ミニクラブ、日本酒バーを経験しています。

  • 梅湯、徒歩3分。

    いつか住もうと思っていた京都に引っ越した。住まいはシェアハウス。近くには以前から通っていた銭湯がある。高瀬川沿い、いわくつきのエリアを舞台に、出会いと友情と愛と別れなんかを綴ってみる予定。

最近の記事

サガンはここに。(2023年12月9日記)

祇園北、白川筋からちょっと路地を入ったところに、「サガン」というクラブがある。 昨年9月にいまのマンションに越し、ある夜、四条河原町方面から帰宅する途中に光る電飾看板を見つけた。ママがフランソワーズ・サガンを好きなのかな。いや、白川のそばだから、「左岸」という意味かも。でももし、サガンを好きなママなら、文学や本を愛する客がたくさん集う店かもしれない。夢想は止まらなかった。 そうしてまだサンダルとワンピース一枚でよかった今年の夏の終わり、私は神戸在住のOさんと「日本酒BAR

    • 紫青赤黄白黒。(2007年7月28日記)

      高校2年生のとき、すごく好きな人がいた。 日本史の先生だった。 40歳。卒業生をヨメにもらって、子供が2人いた。もともと人気のある先生で、私も例に漏れず、授業を受けていて、その考え方に共感し、立ち居振る舞いがカッコよくて、声もステキで、そのうち「うちの愚妻が……」という言葉にもきゃあきゃあ言う(心の中だけど)ようになった。 現代国語の授業で与謝野晶子の 「やは肌のあつき血汐にふれも見で          さびしからずや道を説く君」 を習ったとき、その短歌と「

      • 【それぞれの最終楽章】離婚した両親をみとって

        今日から朝日新聞 週末別冊版「Be」の「それぞれの最終楽章」にて、連載が始まりました(全7回を予定)。 テーマは「離婚した両親の、それぞれの看取り」。費用や制度についても触れますので、気になっている方の参考になれば幸いです。 もともと1800w前後の長い原稿を、紙面用に900wまで短くしているので、紙面はほとんどエッセンスみたいな感じです。有料ですが、ともに朝日新聞デジタルで読めますので、ご興味あればぜひ。土曜に紙面と同じ短い原稿が、日曜に長い原稿が配信されます。 第1

        • 割烹でアルバイトを始めるの巻③(7月11日記)

          葉山在住のTさんから「明日、日帰り京都出張なんだけど、夜、時間ある?」と連絡あり、土曜日に会った。 19時にうちの近くの「安東」という焼肉屋に行き、30分ほど祇園を散歩したのち、21時20分に「わしょく宝来」の大将から「席、空きました」と連絡があったので、向かった。 「宝来」とは、私がアルバイトをしている割烹だ。最初に行ったのは昨年の8月。その後ひとりで、もしくは友達を連れて何回か行き、先月の6月23日から働き始めた。アルバイトとして雇われてからお客として行くのはこの日が

        サガンはここに。(2023年12月9日記)

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        • 日本酒サロン開業顛末記
          4本
        • つれづれ
          54本
        • 仕事いろいろ
          33本
        • お水の花道
          9本
        • 梅湯、徒歩3分。
          5本
        • 光を閉ざしたアトリエ
          8本

        記事

          割烹でアルバイトを始めるの巻②(6月28日記)

          昨日は割烹でアルバイトだった。 夜の部は19時〜最大26時とのことだったが、終わったのはまさに25時半で、賄い飯を食べて帰った。食べたら太るとわかっていたけど、19時から6時間半、休憩なしのノンストップ、トイレ以外は座ることもなく、ものすごーーーくお腹が空いていた。野菜のたくさん入ったスープと白飯、チキンカツ、小鉢。ビールも飲んでいいよと言われ、いただいた。とても美味しい賄い飯だった。 昨日はホール業務(接客)はなくて、ほとんど皿洗いをしていた。店は前半16時半〜19時2

          割烹でアルバイトを始めるの巻②(6月28日記)

          割烹でアルバイトを始めるの巻①。(6月27日記)

          近所の割烹でアルバイトを始めた。 昼の部は11時〜16時半で、仕事は掃除と簡単な調理補助。初日は ミニトマトの皮むき 蟹の下拵え(食べられない部分を除去し、味噌を集め、殻を歯ブラシで洗う) 蓮根の皮むき 大根おろし(鬼下ろしと普通のやつ、50㎝一本分) 茹でてミキサーにかけたグリンピースの裏漉し、葛を加えて鍋で焦げつかないようにかき回す(30分) かき揚げの材料(とうもろこし、生姜、枝豆)のgを計り、サランラップでくるむ だった。楽しかった。家で一人分をつくるのとは違っ

          割烹でアルバイトを始めるの巻①。(6月27日記)

          映画『怪物』公開記念 是枝裕和☓坂元裕二 2015年初対談公開中!

          現在発売中の雑誌『SWITCH』で特集した映画『怪物』は、映画監督・是枝裕和と脚本家・坂元裕二の初タッグとなった作品だ。ふたりの初対面は2015年3月24日に行われた対談だった(是枝裕和対談集『世界といまを考える1』に収録)。貴重なやりとりが記録されたその対話を、SWITCH ONLINEにて特別公開する。(全3回) また、上記『SWITCH』にて、是枝監督インタビュー「世界は変われるか」、是枝監督が坂元裕二ドラマの魅力を語る「渡せなかった手紙」を取材・執筆しました。併せて

          映画『怪物』公開記念 是枝裕和☓坂元裕二 2015年初対談公開中!

          是枝裕和監督×坂元裕二さんの初タッグ映画『怪物』が2023年6月公開。ふたりの初対面は、対談集の中に。

          『万引き家族』『ベイビー・ブローカー』などの是枝裕和監督が、ドラマ「初恋の悪魔」や映画『花束みたいな恋をした』などの脚本家・坂元裕二と初タッグを組むオリジナル映画。 今夏、長野県諏訪市周辺で撮影をしていたのは、これです。来年6月公開。その日まで死ねない!(笑) ちなみに、おふたりの対談をまとめた本があるので(企画・編集しました)、ご興味ある方はぜひに!!! 対談の一部がこちらから読めます。 *** ほか、是枝裕和監督関係で書いたものを以下に。

          是枝裕和監督×坂元裕二さんの初タッグ映画『怪物』が2023年6月公開。ふたりの初対面は、対談集の中に。

          他者の存在を意識する。

          12月8日にソファーが届くのだが、そのスペースにはいま2つのダンボール箱があり、メルカリで販売中の品が入っている。シェアハウスのときはストップしていたので、1カ月前に再スタートし、21品売れて、8,960円の稼ぎになった。 それでずっと欲しかった「staub ピコココット 22cm カンパーニュ(新品・未使用)」を買った。って、10,890円もマイナスなんですが(笑)。 引っ越し貧乏なので外食を控え、せっせと自炊している。近所の商店街にある「刃物研ぎ 常真」に包丁3本とキ

          他者の存在を意識する。

          ダンボール1箱分の父娘。

          8月19日(金)、父の四十九日の続きのお話(遺品整理編)。 父の後見人の市原さんがホテルまで迎えにきてくれた。15時半に出発し、内灘の近くで家財整理事業をしている「T・Sコーポレーション」の本社に向かう。 遺品は、冷房の効いた事務所内に置かれていた。大きめのダンボール箱が15個くらいと、最後まで病院のベッドのそばに置いていたという10段ほどの書類棚、そして腰までの高さのある仏壇だ。 行くまでは、仏壇の中身と、父の写真数枚と、建築設計士だった父が使っていたロットリングとい

          ダンボール1箱分の父娘。

          歌う住職。

          7月19日は父の四十九日で、金沢に行った。 12時半にホテルに着き、ダメもとで「喪服に着替えないといけないのですが、もし、お掃除終わっている部屋があったら……」と言うと、すぐに部屋を用意してくれた。とてもありがたかった。 ひとり、バスで西明寺に向かう。14時着。父の通夜と告別式を担当してくれたご住職は、お経の名手。火葬場に行く最中、私を助手席に乗せた葬儀社の会長が、「あのお坊さん、お経うまかったでしょ。全国のお経コンテストで5本の指に入る人なんだよ」「カラオケもすごくうま

          歌う住職。

          05 「ご愁傷様でした」の代わりに。

          昨日、東京在住の友人と「酒処てらやま」で食事をしたあと、「とんかつ清水」へ行った。 ここは、11時〜夕方まではザ・とんかつ屋さんだけど、20時過ぎの客にとっては「バー」。小腹が空いていれば名物のカツサンドも頼める、京都の2軒目に欠かせない場所だ。 店主の清水さんは、YouTubeなどを駆使して自分のケータイから音楽を流している。だいたいは昭和歌謡。今日も数分で八神純子の「思い出は美しすぎて」が流れた。八神純子の一般的な歌は「みずいろの雨」か「パープルタウン」なので、「お、

          05 「ご愁傷様でした」の代わりに。

          04 ほんのちょっとの勇気で。

          03の続きは次回落ち着いたときに書くとして、残しておきたい最近の話を。 先日、HORIBAの堀場厚会長と、「東山 四季花木」のますみさん、人間ドックの田邉理事長と4人で「河久」に行った。にわか雨が上がったので、室内から川床に移動して食事。月も出て、鷺が店の屋根にとまり、雨上がりで涼しく、ときおり吹く風が心地よかった。 「河久」は堀場さんのお父様、堀場雅夫さんの代からの行きつけとのことで選んだのだが、私が金曜日だけアルバイトしている「日本酒Barあさくら」の隣だった(笑)。

          04 ほんのちょっとの勇気で。

          03 断りの電話で。

          2022年1月某日、シェアハウスの内見のために京都に来た。 前の月に申し込んだのは、以下の4軒。 ①七条 biblion高瀬川 ②西陣 京だんらん西陣千両ヶ辻 ③二条 ネイバーズ京都二条城 ④一乗寺 Shirohako 一乗寺 Facebookにこの4つのエリアの物件を見ると投稿したら、ぞくぞくとコメントがあった。例えば 「左京区(④)の濃さ、面倒見の良さはすごいなとも感じておりますよ。何事もそうだけど、不便、寂しいに関しては誰とどんな関係を築くかで変わるのでは?」

          03 断りの電話で。

          02 オススメできない。

          当初の予定では2022年1月に4軒のシェアハウスを内見する予定だった。 場所は点在していて、 ①七条(上記の物件) ②西陣 ③二条 ④一乗寺 である。 生粋の京都人や、京都移住者、過去の住民など、友人たちに情報やらアドバイスをもらったところ、まず私の第一希望である①に関しては、生粋の京都人ふたりから、 「以前、その地域に山口組系事務所があったり、発砲があったり、昔は遊郭などもあったので、あまりオススメしません」 「サウナの梅湯の辺りは昔の遊郭で、五条楽園という、ボ

          02 オススメできない。

          01 人生25軒目、51歳からのシェアハウス。

          いきなり年齢を明かすのもなんだが、51歳である。 「51歳でシェアハウスなんか入れんの?」と驚かれる人も多いが、入れるのである。もちろん、「30代まで」とか年齢制限されるシェアハウスもあるが、私が住んでいるところはなかった。代わりに「学生不可、社会人のみ」だった。 石川県金沢市で生まれ、東京で育ち、7年の鎌倉住まいを経て、2022年2月より京都に移住。現在の家は人生始まって25軒目、目指すは43回引っ越した谷崎潤一郎。 というのを新しいプロフィールにして、京都で暮らし、

          01 人生25軒目、51歳からのシェアハウス。