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割烹でアルバイトを始めるの巻②(6月28日記)

昨日は割烹でアルバイトだった。

夜の部は19時〜最大26時とのことだったが、終わったのはまさに25時半で、賄い飯を食べて帰った。食べたら太るとわかっていたけど、19時から6時間半、休憩なしのノンストップ、トイレ以外は座ることもなく、ものすごーーーくお腹が空いていた。野菜のたくさん入ったスープと白飯、チキンカツ、小鉢。ビールも飲んでいいよと言われ、いただいた。とても美味しい賄い飯だった。

昨日はホール業務(接客)はなくて、ほとんど皿洗いをしていた。店は前半16時半〜19時20分、後半19時半〜の二交代制で、カウンター9席、テーブル4席、掘り炬燵席4席の合計17席が、2クールともほぼ埋まる。だから、皿洗いも次から次へとたくさんある。皿、グラス、塗り物のスポンジを使い分け、さっと洗っては食器洗浄機にかける(入れてはいけないものは手洗いを丁寧に行ってから指定の布巾で拭く)。ザルもトレーもすべて食器洗浄機へ。当然だけど、衛生管理が徹底していた。

途中、普段なら昼の仕込み時間にやるという、コロッケの具を45g計って俵形にまとめる、という仕事もやった。店から徒歩30秒のところにある、食材やら酒やらを保管する小さな部屋で、当然冷房が年中かかっていて、2時間弱そこで作業していたら、すっかり身体が冷えた。だんだんと手で掴んだ量で45g前後がわかるようになるのは楽しかった。作った量は196個。最後の一個が43g。誤差2gってすごい。具材がもともとちゃんと計られているんだろうか。

終わってから店に戻ると、料理人のひとりに「堀さんが帰ったんじゃないかってみんな言ってたんだよ。あれ? いないねって」と冗談を言われる。「帰ってないですよ、冷蔵部屋で凍えながら仕事してましたよ〜」と返す。

その後、その俵形の具に小麦粉をはたく仕事をした。隣でキレイにパン粉をつけている料理人から、「堀さん、好きな食事は?」と訊かれ、「寿司と焼肉です」と答えると、みんなに笑われた。「それ、みんな好きなやつです」ともう一人の料理人が言う。質問の意図は、賄い飯の参考にするためだったらしい。さすがに寿司と焼肉は出てこないよね。そんな軽口を叩いている間に、196個の具はみなパン粉姿となってトレーに並んだ。来月、このお店に友人と予約しているので、このコロッケを食べようと決めた(もちろんその頃には自分が作業したコロッケは売り切れているだろうけど、それでも)。

帰宅して風呂に入る。ふくらはぎも太腿もパンパンに張っている。疲れているのに寝つかれないので、寝る寸前まで脚を揉んでいた。取材で終日駆けずり回ることはあっても、立ちっぱなし6時間半とかはないわけで、しかも大将や料理人の皆さんは13時〜26時まで立ちっぱなし…! あらためて飲食に携わる人たちのタフさ、体力に頭が下がる。あの美味しい料理のための仕込み、準備の数々にも。

そして、時給1,100円(いまは研修期間だからもう少し低いだろう)って、5時間働いても5,500円。8時間働いても8,800円なわけで。あらためて原稿1本でいただいているお金の大きさにも感謝の気持ちが湧き起こる。もちろん専門的な仕事であるからしてそのギャランティは妥当な金額なんだけど、とはいえ何事も心してかからないといけないなと、あらためて襟を正す気持ちになった。

何をやっても新しく思うことはあるのう。

しかも、体を使う仕事(飲食アルバイト)をすると、頭を使う仕事(本業)をしたくなる、という好循環にもなり、今日もせっせと原稿を書いています。そして19時からまた夜の部のバイトです(笑)。


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