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夢の洪水に溺れないで生きてほしい~しがないサラリーマンから未来のおとなたちへ~

嬉しい知らせがあった。
元同僚から子どもが生まれたとのこと。
メッセンジャーには生まれたての
写真が添えてあった。

思わずこの写真を見て、
この子は将来どんな人生を
歩んでいくのだろうか。

そんなことをふと思いをはせてみた。
きっとオリンピック観戦の余韻と、
アルコールのせいだろうか。

最近のこどもたちは
将来何になりたいのだろうか。
ふとそんなことを思って、パソコンを
開く。

男子小学生を例にとって
引用させていただくと、以下の結果。

【男子小学生の将来なりたい職業ランキング】

1位 Youtuber(ユーチューバー)
   などの動画投稿者 8.7%
2位 サッカー選手 7.3%                    
3位 警察官・刑事 6.7%
※300人、各学年50人ずつを対象に実施。 

アデコ株式会社 「将来就きたい仕事に関する調査」より

1位のYoutuberには驚いた。
10年前なら誰もが予想しえなかった。

今では、年収28億円を稼ぐ8歳の
Youtuberがニュースになる時代だ。

スポットライトを浴びる職業に
憧れを強く抱くものだ

というのがよくわかる。

3位の警察官・刑事も毎週1回殺人事件が起きて、
50分足らずで解決していく職業と
するならうなずける。

ところが中学生になると、
とたんに現実味を帯びてくる。

【男子中学生の将来なりたい職業ランキング】

1位:会社員(サラリーマン・OL) 17.3%
1位:公務員  17.3% 
3位:ゲームクリエイター 15.3%
※150人、各学年50人ずつを対象に実施。

アデコ株式会社 「将来就きたい仕事に関する調査」より

3位のゲームクリエイターは
スポットライトの強い職業だと思われるが、
1位、2位の結果は安定志向に
大きく傾いた結果と思われる。

ドリームハラスメントという
言葉をご存知だろうか。

大人や社会が「あなたの夢は何ですか」「10年後どうなっていたいんですか」と若者に夢をもたせようとする風潮を表した言葉のようだ。

たしかに「世界にひとつだけの花」という曲
がヒットしたあたりから、
自分らしく、自分にしかない
夢を追いかけるスタンスがより叫ばれる
ようになったと感じている。

いまのこどもたちはそんな
傾向に疲れているのかもしれない。

私自身も含めて、
大半の人は凡人である。

これは特定のジャンルで突出した
圧倒的な才能がないという意味で。

そこで教育や親の背中を見て、
すこしずつ自分なりの好きなことや
得意なことを見つけて、
自分の将来像を作っていくのだろう。

誰もがメジャーリーガーの
大谷翔平選手のようにキラキラした
存在にならなくても、
幸せな人生を歩むことができる。

そういう意味での現実を知る
タイミングは中学生の時代で
決して早すぎることはない。

けっしてスポットライトの強い、
競争率が突拍子もないほど
高い職業を目指すことを
否定しているわけではない。

プロ野球選手を目指す。
俳優になりたい。
服飾デザイナーになりたい。

そんな夢を追いかけるのもいい。
いろんな選択肢や状況、
それなりの覚悟や忍耐力が問われることを
折込んで前に進めばいい。

ただ、無理はしなくていい。
「夢」つまり自分じゃないと
できないことがある。
それは必ず見つかるもの。
そんな前提を持ってしまうと
途端に生きづらくなってしまう

やっぱり安定した生活は必要だし、
特に圧倒的な得意なこともないし、
なんとなく会社員や公務員を目指してみる。

そういった気持ちになるのは
自然な流れだとおもうし、
至極まっとうだと思う。
ださくもない、かっこ悪くもない。

そんな平凡だとつまらないと言うかもしれない。
いやいやそんなことはない。

自分で決めた進路と職業を全うして生きていく。

それだけで十分立派なことなのに、こどもたちにはそういった平凡な人生とされる日々を
送っていくことの尊さが
あまり伝わっていない
のが残念だ。

平凡に生きているという人に限ってたくさんのドラマと幸せを持っていたりするものだから。

私が学習塾の講師をしていたころ、
中3の教え子たちは口をそろえて
「サラリーマンにはなりたくない」といった。

そこには思春期特有の
平凡とされる大人の生き方に
対する嘲笑がまじっていた。

「昔はワルでした」
そんなヤンキーが、
更生して故郷に錦を飾るというストーリー。
メディアで過剰にもてはやされるの
が苦手だった。

更生したことは本当に素晴らしいこと。

ただ彼らが大人に大迷惑を
かけていたときから、きちんとルールを守って
生きていた人たちが
大半であることは忘れてはいけない。

それじゃニュースに
ならないのかもしれないけれど。

自分の場所でもくもくと生きていく。

たとえ周りから平凡といわれたとしても、
そこに敬意を払えるような大人になろう。


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