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【しくじり】自分の営業スキルを勘違いしちゃった先生

過去のしくじりを書く。

相当の勇気がいる。

今までは書きたいことだけ書いてきた。

ただ前回下記の記事を書いていて、
自身の戒めのためにも
急に書いておきたくなった。

ここ1週間で
「ありがとう」と
誰かに言葉にしていない人は、
必ず最後まで読んでほしい

スマホをみんなが持ち始めたころの話

ある法人営業部署に所属していた。

携帯電話やスマートフォン、
オフィス用のコピー機がメイン商材。
当時は折りたたみのいわゆる
ガラケーを持っている
ユーザーが大多数の時代。
今で言う格安スマホ事業の会社もなかった。

個人向け携帯ショップの
スタッフから異動してきた
当時の自分。

ワクワクしていた。

お店の場合は、お客さんが
来店してくれないことには
売上が上がらない。

一方で法人なら、自分から
顧客にむけてダイレクトに
アプローチできる。
しかも金額の売上単価も個人とは
比にならない。

なんてダイナミックな
仕事なんだと私は嬉々とした。
OJT担当となった先輩と
顧客をまわっていく日々を過ごした。

当然ながら新規の顧客は
いないので、ゼロから開拓するのだ。
たまたま立ち寄った本屋
で出会ったこの本がヒントになった。

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そこで取り上げて頂いた単純接触効果
売り込みに行くのではなく、
短時間の飛び込み訪問を
大量行動で重ね、信頼関係を作る。

そして返報性の原理で、
商談の機会を作るというものだ。

まだ若く、体力的にも余裕があり、
この手法は苦にならなかった。
動き回れば、動き回るほど
結果が出ると信じて疑わなかった。

学生時代にやっていた塾講師の
アルバイト経験も、プレゼン
能力という意味ではよかった
のかもしれない。

こうして、がむしゃらに
仕事に取り組んでいるときに、
ビックウェーブはやってきた。

大本の通信キャリアである
販売店が大胆なキャンペーンを
打ってきたのだ。

業務で使う携帯がガラケー
全盛だった当時、
スマホへの切り替えを
促すべく、顧客への特別料金の
提案ができるようになったのだ。

そして代理店側への
インセンティブも大きく跳ね上がった。
これにより同じ端末1台販売しても
利益が2倍、3倍という現象が起きた。

当時の営業仲間では、
「スマホバブル」と呼んでいた。

年間のコストが下がる上に
端末が新しくなる。

お客様にかかる初期費用も
代理店である我々が負担
できるほどの原資があった。

買う側から見れば、デメリットが
なかなか見当たらない。

大量行動で、商談を
しかけるだけの顧客の
ストックがあった私は、
商談をスケジュールに詰め込んだ。

面白いくらい契約が決まった。

当時、売上の利益が賞与に
インセンティブとして反映さ
れる仕組みだった。

先輩よりも売上を圧倒的に出す月もあり、
その年は賞与で100万円
以上の上積みがあった年でもあった。

「営業の結果=個人のスキル」ではない

このあたりから壮大な勘違いが始まる。
圧倒的な結果が出たことを、
完全に自分の実力だと疑わなかった。
新しいことにチャレンジして
頑張っていた自分を。

甘く見てもこれはありえない。
恥ずかしいことこの上ない。

たまたまキャンペーンという外的要因と、
大量行動による案件の
ストックを持っていただけなのに


なにか他の営業職を
凌駕するスキルを持っていた
わけではない。

セールストークで特別な工夫を
していたわけでもなかった。

でもちょっとばかり、
懐が暖かくなっただけで
私は周囲への態度が
変わったと思う。

案件が増える中、
営業事務や売上の形状を担当するスタッフ
に対して厳しい態度を取るようになっていた。

いわゆる、
おごりというやつだったんだろう。

「結果さえだせばいい」という
思考になっていた。
この思考はある意味正しい。


だが、この場合は
個人で仕事を完結して、
圧倒的なパフォーマンス
を発揮できる場合のみあてはまる


そんな仕事のスタイルを
貫けるタイプは社会を
見渡してもごくわずか
ではないだろうか。

自分の代わりはいくらでもいる

私の営業成績は、
キャンペーンが終わったあと急降下した。

これが「バブル」だと
認識していた同僚は
そこまで成績を
落としていなかった。

私は完全に勘違いした。

結果という売上は、
顧客との関係性、
周囲との連携など
様々な人と協力しあうことで作っていくもの。

これで仕事は成り立っていくものだ。
恥ずかしながら、気づけなかった。

自分が営業として
一人の人間として企業に
対峙しているという事実。
それだけで残念すぎるほど思い上がった。

大量行動という手法を取り入れたこと、
キャンペーンという
外的要因だけで、自分の力だと
思い込んでしまった。

当時の環境であれば、
再現性のあるパターンなだけなのに。

この後しばらく、
営業としての長いスランプのトンネルを
抜けることはなかったのである。
悲惨な1年間を送った。
これはまた別の機会に書きたい。

そんなしくじりコラムニストで
ある私の教訓がふたつ。

どんな仕事でも一人で
結果を出すことはできない


個人の力で成り上がっているように
見えるプロ野球選手でさえも
例外ではない。

トレーナーや球団スタッフ
をはじめとした様々な方のサポート
を受けてハイパフォーマンスを
発揮しているのだ。

そしてもうひとつ。

周囲でサポートしてくれる方に
感謝の気持ちを持てるかどうか


自分の仕事ぶりは必ず
見ていてくれる人がいる。
いいところも悪いところもそれは伝わる。

そんな感謝の気持ちを
持てない人は気づいていない。

世の中の大多数の自分の仕事は
代わりがきくということに。

間違っても、「オレがいないと
この店まわらないんだよねー」
と言っている居酒屋のバイトリーダー
にはなってはいけないのだ。

一人で結果を出すことはできない
周囲に感謝の気持ちを持つ

こんな当たり前のように
見える事実でも、人は年を取り、
それなりの地位になると忘れていく。

「当たり前じゃないからな、この状況」
常に自分に言い聞かせている。

素直に「ありがとう」
といえる人は素敵だと思う。

きっと仕事だけでなく、
次につながる幸運な何かを
もたらしてくれると思う。

なにか感じることがあったら、
私と一緒に感謝の気持ちを言葉に
していくことから始めてくれたら嬉しい。




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