おばあちゃんの作ってくれたあの日のカレー

カレーに何入れるか？

それはもちろん肉だろう。
牛肉、豚肉、鶏肉、なんでもいい。
肉の入っていないカレーなど絶対あり得ない。

と、小学生当時の私は思っていた。

現在30代後半。
家、学校、学食、有名店、キャンプ場、合宿所、富士山、海外、
手作り、レトルト、コンビニ。

色んな所で色んな人と色んなカレーを食べてきた。
それこそ数えきれないくらい。

食べている回数が多すぎてほとんど覚えていない。

そんな私が、今でも覚えている実家でのカレー。
当時小学校４年生くらいだろうか、
おばあちゃんが作ってくれたカレーである。

衝撃すぎて今でも覚えている。

そう、肉が入ってなかったのである！！！！

味は覚えていないけど、
肉が無かった。
衝撃であった。
その時は何とも言えない感情であったのだろう、
あの日のお皿は鮮明に記憶にある。

もちろん、アクシデント。
故意に入れ忘れたのではない。
普通に入れ忘れたのだ。
きっとギャーギャーと無いよー無いよーとおばあちゃんに言っていたんだろうね。
・・・ごめんなさい。
反省。

でも我ながら未だによく覚えているもんだ。

カレーの具材に味を染み込ませるにはじっくり煮込む必要がある。

ただ、人の記憶にしっかり染み込ませるには
たまには大事な何かを抜いてみるという逆の発想も必要なのかも知れない。

ちなみにお婆さんは現在９０歳、とぼけたことはたまには言うが、
あの日の肉なしカレーの話は今でもしっかり覚えているようだ。

#カレーにこれ入れる