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「転職者が知っておくべき、ブラック企業用語10選」を使う企業は本当にブラック企業なのか

先日某SNSで「転職者が知っておくべき、ブラック企業用語10選」なるものを見つけました。

私たちは採用に悩む中小企業に対して、求人票作成の支援などもおこなっていますので、どちらかいうとこの手のワードを使う側の立場であり、「こういった文言を原稿に入れていきましょう!」と提案する側の人間です。

というわけで、取り上げられている10の用語が実際のところどうなのか、ラボの主観でもって順に検証していきたいと思います。

01 アットホーム

「アットホーム」は今や多方面でNGワードだと言われていますね。我々も積極的に使用を避けているワードです。それでも未だにアットホーム押しをしているような企業には注意が必要という認識はあながち間違ってないかと思います。アットホームさや人の良さを訴求したい場合は違う言葉・方法で具体的に表現するよう提案をしています。

02 少数精鋭

単純に規模の小ささを表現しているだけの場合もあります。なぜ今少数精鋭体制なのか、今後規模を拡大していく予定があるのかなど調査するのが良いと思います。また、少数精鋭の職場というのは否が応でも社員全員との関わり合いが多くなりますので、社員紹介や面接の機会でご自身の性格と合いそうかどうかを見極めるのも重要です。

03 成長できる

これはちょっとグレーですね。今の若い世代は「給与や福利厚生だけでなく、その会社で自己成長できるかどうか」を重要視している傾向がある、とのデータもありますので、この言葉だけで判断するのは尚早かもしれないです。求人票の中でどういう成長ができるのか、どんな手順でキャリアアップしていけるのか、どのくらいの期間を想定しているか、このあたりがしっかり見える求人は信用しても大丈夫かと思います。

04 自由参加

飲み会やレクへの参加が自由かどうかということだと思うのですが、これも難しいですね。自由参加と書いてあるなら自由参加と判断するしかないでしょうから、それが信用出来ない場合は「飲み会なし」と書いてある求人を探すしかないと思います。最もその場合「飲み会なし」を信じるかどうかまた別の問題が発生してしまいますので、堂々巡りですね。

05 若手が活躍

これもこの言葉だけで判断するのは気が早いですね。若手が活躍する理由はベテラン社員がやめるからだけではないと思います。ただ、そういう会社があるのも事実ですので、企業が公表している社員データを参考にする、面接等の場で質問するなどして実態がどうであるか見極めるのが良いでしょう。

06 適材適所

私自身、あまり使わない言葉でしたのでどんなものかと調べてみたらなるほど、理由がわかりました。確かに見た限りこれも危険な香りのするワードですね。とはいえ正しく使用している企業ももしかしたらあると思うので、適材適所という言葉をどういう文脈で使用しているかで判断するのが良いでしょう。

07 未経験者歓迎

うーんこれは微妙ですね。今は世の中全体的に人手不足です。企業にとってはそりゃ経験者に来てもらった方がありがたいですが、そうも言ってられない状況ですので、経験がなくてもやる気がある人にはしっかり教えますよ、という思いで募集をしています。求職者の方も「経験者のみ」の募集では興味がある仕事にも手を出せないのではないでしょうか。

08 やりがいがある

これはあくまで働く側の主観ですので、書いてあるから皆が一様にそう感じるものでもないですね。ただ仕事の魅力を伝えるには「やりがい」は欠かせない要素ですし、なんなら求職者側から「仕事のやりがいはなんですか」と訊かれることもあります。働く側にとっても「やりがい」は大事な指標だということです。なので、この言葉があるからと過剰に反応する必要もないですが、こればかりを強調している企業は注意が必要かもしれないですね。

09 根性

いまだにこんなワードを使っている求人があるのかと思い調べたところ、あるんですね。「根性論ではなく」と逆の意味で使っているケースもありましたが、根性という言葉を好んで使うような会社にはそういう方々が集っている場合が多いので、同じ価値観をお持ちの方がご応募されるのが良いかと思います。

10 労働基準監督署

こんなワードを使っている求人があるのかと思い調べたところ、あるんですね。「仕事内容:労働基準監督署への書類の申請・提出」。社労士事務所の求人ですね。

まとめ

以上、ブラック企業用語10選を検証してみました。
例えば求人票を見たときに、上記に紹介されているような用語が入っているからと即ブラック認定するのではなく、求人の中身や企業HPなどを見て、あるいは面接や面談を通して総合的に判断するのが良いかと思います。

我々は労務に精通した社会保険労務士が運営する法人ですので、採用支援をする企業がもし違法な労働環境であれば正しく是正されるよう提案していきますし、労働者を大切に思う中小企業に人が集まるように支援することが私たちの使命だと考えています。

お仕事を探す側の方々にもぜひ良い企業とそうでない企業が見極められる目を持っていただきたく、今回の記事もそうですが、今後も役立つ情報をお届けしていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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