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テ・ファーリキ保育の経験が本になりました!

来年1月18日にひとなる書房さんより、僕がニュージーランドの保育園で働いた4年間の経験をもとにテ・ファーリキを理解していった経験をまとめた本が出ます。

2019年秋頃から執筆をはじめ、最初はなかなか進まなかったのですが、そのおかげで本書には保育園のあと転職した小学校で経験した、ロックダウンとオンライン職員会議の様子なども含める結果になりました。

12月初めに予約を開始して、たくさんの方から「予約しました!」とお声がけいただき、本当に嬉しく、妻と一緒に書いてよかったと喜んでいます。

(僕が話したことを妻が文章にしてくれて、ひとなる書房さんが校正してくれました!)

今日はまえがき(はじめに)を抜粋したので、これから買おうか迷っている方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてください^^

僕がニュージーランドに来た理由

 僕は日本で7年間保育士をしたあと、2014年9月から幼児教育先進国と呼ばれるニュージーランドに移住し、

小さな保育園でのボランティアを経て2つの私立保育園で働いたあと、公立小学校で1年生の担任をし、現在は公立幼稚園で教員をしています。

この本は、ニュージーランドの保育と幼児教育の指針となるナショナルカリキュラム「テ・ファーリキ」に惚れ込み、どうしてもニュージーランドの保育現場で働きたいという夢を追って、30歳で船出した僕の7年間の体験記をまとめたものです。

渡航当初は、ニュージーランドの保育士資格をとるために必要なIELTSという英語の試験に合格するべく、1日平均10時間、英語漬けの7ヵ月を過ごしましたが、残念ながら、読む、書く、聞く、しゃべるの4項目のうち1つも必要な点数には届きませんでした。

僕は日本でも、英語の点数が悪くて大学院に入れなかったほど英語が苦手科目だったので、仕方ないと思いつつ、

語学学校に行くお金が尽き、ワーキングホリデービザの期限も残りわずかとなってしまったので、ビザを延長するため、キウイフルーツ農園で肉体労働をはじめました。

ボランティア先で知った衝撃の事実

世界各地から集まったワーカーたちと話している時間は本当に楽しく、キウイフルーツの収穫にもくわしくなってハッピーでしたが、ふとした瞬間に

「保育士になりたくてニュージーランドに来たのに俺は一体なにをやっているんだ!」 と叫びたい毎日でした。いえ、実際に叫んでいました(笑)。

その叫びが通じたのか、なんと、この農園で知り合ったキウイ(ニュージーランド人のこと)の家族のお子さんが通っていた保育園で、休みの日にボランティアをさせてもらうことができたのです。

そこの園長先生に、資格がなくても保育園で働けるという衝撃の事実を教えてもらい、驚きとうれしさと「もっと早く知りたかった〜!」という嘆きでもだえたあと、その後もIELTSの勉強を続けてなんとかニュージーランドの保育士資格をとりました。

とってみると、それは保育士のみの資格ではなく、幼稚園や小学校も含めて0歳から8歳まで教えられる教員資格でした。

ニュージーランドには保育士と幼稚園教員の資格の隔たりがなく、資格試験もないことを知って「なんてシンプルで合理的なシステムなんだ」びっくりと感動しました。

この教員資格制度や保育の質を保つとり組みがどう機能しているかについては、僕の教員資格が「仮免許」から本資格になるまでの経験とともに第3部にまとめています。

日本の保育園との違いに戸惑う

あこがれのニュージーランドの保育園での経験は、はじめはカルチャーショックの連続でした。

たとえば、1日に食事が5回もあること。卒園式のカジュアルさ。
のこぎりやトンカチが子どもの手に届くところに置いてあること。
園長先生を名前で呼び捨てにする習慣。
初日から「あなたの得意な保育をしていい」と言われたこと。

このような驚きや感動をだれかと共有したいと思ってまとめたものがこの本です。

第1部ではニュージーランドの教育の概要と、プレイベースドカリキュラムに代表されるニュージーランドのおもな保育実践を紹介し、
第2部では僕が実践を通して理解を深めていったテ・ファーリキについて、そして第3部では重要な保育環境の1つである保育者同士のチームワークや職員のウェルビーイングが大切にされるとり組みについて書きました。

保育実践と合わせて理解したテ・ファーリキ 

僕にとってテ・ファーリキは、読むたびに発見がある読み物で、ニュージーランドの保育や教育を知るたびにテ・ファーリキの理解が深まっています。

テ・ファーリキによる保育も、複数の園で働いていくうちに、各園の方針やその園の保育者や保護者、地域コミュニティにより、保育園が行っていることやできることが違うということがわかってきました。

これは、僕がテ・ファーリキを好きな理由の1つでもありますが、その地域の、その園の、そのクラスの子どものことを一番よく知っているのは、その子の保護者たち、その園の保育者たち、そしてその地域の人たちだから、その人たちのアイデアや貢献には価値があり、大切にされるべきだと考えられています。

 僕が2つの国で保育にたずさわって14年、日本でもニュージーランドでも、子どもたちは自分の興味のあるものに純粋でキラキラしていますし、情熱をもって保育にたずさわる人たちはみんな、それぞれに使命感をもって一生懸命に実践していると実感します。

テ・ファーリキには、子どもや保育者、保護者それぞれが大切にされ、保育園が地域の中で孤立せず、クラス担任が孤立せず、

それぞれの文化的背景を尊重しながらどうしたらみんなが主体的に子どもの学びに貢献することができるかというしくみや環境作りについて、本質的なことがとてもシンプルに書かれています。

ですから、制度や文化などいろいろな違いはあっても、読者の皆様がかかわっている園や学校、子どもたちとのかかわりにあては
めて、参考にできる部分が必ずあるのではないかと思っています。

 皆様にとって、この本が少しでも役に立ち、子どもとのかかわりがより豊かで楽しいものとなったらこんなにうれしいことはないです。

(以上はじめにより抜粋)

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