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記事一覧
読書日記その556〜560 「第一次世界大戦」 「破戒」 「文化大革命 下」 「山椒大夫・高瀬舟」 「大君の通貨」
読書ひとこと日記その556
「第一次世界大戦」
小国の小競り合いから始まり、大国が参戦して、あれよあれよと世界大戦争へと発展したのが第一次世界大戦だ。
戦闘機、戦車、毒ガスが初めて使われた戦争で、それによって兵士だけでなく一般人も多く犠牲を出した戦争である。「総力戦」という言葉が初めて使われたのもこの戦争だ。
現代のような核の抑止力がないためか、世界中の国々がまるでスポーツの祭典のごとく簡単
読書日記その555 「謎の独立国家ソマリランド」
10年くらいまえ、ノンフィクションの本でおもしろい本はないかとネットで検索したら、旅・紀行もののオススメで本書があった。とりあえず購入してみたものの、そもそもソマリランドに興味はなく、また500ページという分厚さに負けて、本棚にしまったままずっと放ったらかしにしていた。
しかし普段の読書生活においてノンフィクションを好んでいると、いやでも著者である高野秀行氏の名は目に入ってくる。誰も行かないよう
読書日記その553 「小村寿太郎 近代日本外交の体現者」
小村寿太郎も陸奥宗光と同様に、不遇な時期での人との出会いが転機となる。陸奥にとっての転機は坂本龍馬と伊藤博文との出会いだったが、小村はその陸奥宗光と桂太郎であろう。
翻訳局という閑職にいた若き日の小村は、陸奥によってその才能を見いだされる。小村の卓越した語学力と豊富な知識が陸奥の目にとまり、公使館参事官として清国への勤務を命じられる。これは小村にとって初めての外国勤務となり、そして飛躍のきっかけ
読書日記その552 「陸奥宗光 日本外交の祖の生涯」
陸奥宗光の出身は紀州和歌山。幕末明治維新の中心が薩長土肥のなかで、紀州藩出身の陸奥は異端な存在だったにちがいない。それは海援隊での陸奥は、ほかの隊士から嫌われる存在だったことからもわかる。まぁ、陸奥の性格も多分にあるのだろうけど。
しかし坂本龍馬だけが陸奥の才能を見抜き、自分の右腕として抜擢する。これが陸奥の人生での最大のターニングポイントとなるのだ。まずは陸奥の存在が龍馬の目にとまることがなか
読書日記その551 「文化大革命 上巻」
毛沢東というたったひとりの人間のエゴで、中国全土が大混乱をきたし暴徒化する。その規模と激しさにはおどろきを隠せない。
それにしても共産主義というのはじつに聞こえがいい。平等・財の分配・格差のない世界。「これは革命だ!我らに正義あり!」「旧社会をぶっ壊せ!」「ブルジョワ階級をぶっ潰せ!」毛沢東をはじめその取り巻きは、このような言葉で若者たちを煽動していく。
とりわけ信じがたいのが、子どもや学生の
読書日記その550 「フェルマーの最終定理」
最初に本書を手にしたのは10年くらい前。レビューでは数学がわからなくても大丈夫とあったので購入した。しかし当時のボクは本を読み慣れてないこともあって、聞き慣れないカタカナやワードに戸惑い、すぐに断念した。
それからだいぶ年月がたち、今年の夏ころになんとなく読め始めた。がしかし、思った以上に数式の説明が多くてちんぷんかんぷん。またまた断念。
ところが先日、なに気にYouTubeを観てたら「中田敦
読書日記その548 「ロシアについて 北方の原形」
これは司馬リョウ先生のロシア評だ。そして現在のロシアにもあてはまるようにも思える。本書を読むと、これらロシア人の性質の根底にあるのは、遊牧民族や西洋人による侵攻・虐殺という歴史の積み重ねからきてることがよくわかる。
ロシア人が東方シベリアの遊牧民族を制圧したのは16世紀に入ってから、イヴァン4世の時代だ。きっかけは小銃の発達である。それまでは馬上から弓を放つのが主流だったのを、イヴァン4世は小銃
読書日記その547 「アヘン戦争から解放まで」
著者はポーランド人のジャーナリストだが生まれが北京で、生涯の多くを中国で過ごす。そんな本書はやはり中国側の視点で書かれている。しかし反日のような感情論ではなく、冷静な視点で書かれているので、中国側の史観を知るにはとてもいいと思う。
中国は清朝後期のアヘン戦争からおよそ100年という長い間、列強の侵略に脅かされてきたことがわかる。人口も多く、文明も発達し、眠れる獅子と恐れられていたアジアの大国も、
読書日記その545 「ワグネル プーチンの秘密部隊」
著者は2019年までワグネルに所属し、シリアの内戦でワグネル傭兵部隊の指揮官として活躍した人物だ。当時のワグネルは極秘の部隊で、戦線での取材や映像にも映ってはいけない徹底ぶりだったようだ。
ワグネルは基本的には、いわくつきの人間の集まりだ。しかし中には著者のようにしっかりと軍事訓練を積んだ者もいる。そんな軍事を知った者が指揮をとる命知らずの集団は、戦場ではかなりの戦果をあげたようだ。
本書でも