【自家製醤油を作ってみた2】火入れ→オリ引きに挑む
前回までの話
「醤油を搾ったら、火入れをしましょう」
醤油作り講座ではそう言われたけれど。
でも今の今までしたことがない。
だって面倒臭いから・・・。
いや、今年こそはやってみよう・・・!
…………………
まずはプロに聞いてみた
元・某大手お醤油メーカー勤務の知人に教えを乞いました。
*
*
*
ーお醤油の火入れのやり方を教えてください!
ー「オリ引き」って何ですか………?
ー「オリ(澱)のように沈む」の、オリですね!
ポンプか何かで吸い出すんですか?
ーあ、ありがとうございました…!
とはいうものの、ピンチコックにシリコンチューブと今まで縁がなかったアイテムが目白押しなうえに、吸い上げる??とは??
思った以上に手順がややこしいことがわかり、
なんだかんだと理由をつけてさらに醤油を熟成させること1ヶ月。
火入れする
【目的】殺菌、味や香り、色をより良くするため
【やり方】
1.香りが飛ばないよう、ガラス瓶の口をアルミホイルで蓋をします。
2.80度で30分、瓶ごと湯煎します。
※正直、ガスコンロでは80度に保ち続けるのは難しかったです。目を離すとすぐに上がってしまうし、火から下ろすとすぐに冷める。
今回は付きっきりで、できる範囲で80℃位を保ちました。
3.火入れが終わったら、2,3日置く。
【結果】
火入れしたら香りが格段に良くなりました。
ちなみに火入れ前の醤油は「生揚げ醤油」といい、穏やかであっさりした味わいです。これも美味しい。
火入れすると色味も濃くなるのですが、これもアミノカルボニル反応によるものだそう。
知人曰く、「火入れすると力強い醤油になる」そうですが、本当にそのとおり。
火入れだけでもやる価値がありました!
オリ引き
【目的】
火入れによって分解されなかったたんぱく質、乳酸菌や酵母菌がオリとして固まり、充填前にろ過する必要があるため。(職人醤油HP参照)
【知人が教えてくれた方法】(最初は水で練習)
1.オリの上1cmくらいに筒先を下ろして固定する
2.もう一方の筒先にピンチコックをセットする
3.ピンチコックを開けながら、その筒先近くまで口で醤油を吸い上げる
4.ピンチコックを閉める
5.ピンチコック側の液面をオリの液面よりも下になるようにして、別の容器に筒先をセットする
6.ピンチコックを少しずつ開き、上澄みを取り出す。オリを吸い取っていないことを確認する。
かなり神経を使う作業でした…!
「1.オリの上1cmくらいに筒先を下ろして固定する」の時に、チューブを固定する道具があると良さそうです。無ければ誰かにチューブを持ってもらうしかないですが、人力は手元が狂う可能性もあります(今回人力でやりましたが、最後の最後で逆流しかけました)
あと、瓶と瓶の高低差はしっかり付けましょう。
ささやかな高低差ではなんにもなりません。
プロに教えてもらったとはいえ、実践したのは素人です。写真の方法が適切なのかは不安ではありますが、一応できたということで!
全部の醤油をオリ引きするのは大変なので、今回は一部の火入れ醤油だけ行いました。
十分気をつけましたが、このオリ引き醤油は自家消費します。
知人のアドバイスによると、オリが沈んだ醤油は漬物などに使うとよいとのこと。
私は普通の料理に使っていますが。
刺し身じょうゆ、卵かけご飯などのときはあまり向かなそうな印象です。
最後に
手作りの醤油を作った際には、ぜひ火入れすることをおすすめします。
火にかけているときの醤油の香りが本当にたまりません!
オリ引きはコツが要りそうですが、慣れれば大丈夫かな。
教えてくれた知人に火入れ&オリ引きの報告をしたらとても喜んでくれました。
ちなみに、ピンチコックって
ピンチ(緊急)の時のコックさんではなくて、
ピンチ(クリップ/挟む)+コック(栓)という意味なんですね。
私はなんとなく前者のイメージしかなかったです。(なわけないのに)
最後までお読みいただきありがとうございました!
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