情景219.「春にはまだ早い」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「春にはまだはやい」です。
先日、急に暖かくなりました。
翌日、また寒さが戻ってきました。
季節の移り変わりの中にまじる感じ、匂いのようなもの。
ただ、春にはまだ早い。
私たちは時を季節で区切って生きていますから、その時々で目にするものを、つい季節感や風物詩という風に捉えてしまいます。
とりわけ「春」には、何かと意味をもたせがち。
一瞬のうちに、ほわっと芽生えるなにか。
浮き上がるように嬉しいもの。
ちょっと、おっかなびっくり。空恐ろしくもあるもの。
そんな春の芽生え。
そんな春へと一歩踏み出すことにためらっているうちは、このように言ってしまうのでしょう。
“春にはまだ早い。”
そんな情景。
お楽しみください。
『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。
どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。 今後も皆さまの読書体験に貢献できるよう活動を続けてまいります。