ななくさつゆり

小説家。ライター。福岡のひと(福岡市、糸島)。NWのwayfinder。 文章からイ…

ななくさつゆり

小説家。ライター。福岡のひと(福岡市、糸島)。NWのwayfinder。 文章からイメージがふわっと浮かぶ書き味を志しています。 いつか、文章で景色を描けるように、情景と余情の表現を学んでいます。 “ナチュらぎ”季節のショートストーリー👉 https://x.gd/3lFWO

マガジン

  • 掌編小説マガジン 『at』

    掌編小説マガジン at(あっと)。 これまで、ななくさつゆりがwebに投稿した掌編小説を紹介していきます。 だいぶ増えてきました。 そのうち春夏秋冬やシチュエーション別にまとめたいです。

  • ショートストーリー紹介『季節のあしおと』

    「ナチュラルな生活とやすらぎのひととき」をテーマにした季節の情景。それをひとつのショートストーリーにおさめました。 短い情景小説ですが、季節感と情感のあふれる日常の物語をご紹介します。 『季節のあしおと』はナチュらぎにて連載中です。 各ページにリンクを掲載していますのでそちらからご覧ください。

  • 文章良織。「ことば」が「表現」になるまで。

    文豪の作品から表現を抜き出し、検討し、自らの栄養にする「文章良織(ぶんしょうりょうしょく」。 これまで投稿してきた記事をまとめました。 私が小説を書くにあたって参考にしている表現がいっぱいあります。

  • 1分文学ゼミ

    小説を書くこと、文章表現についてまとめたマガジンです。 1記事1分で読めるくらいのわかりやすさを目指しています。 小説を書くにあたっての文章表現について、参考になれば幸いです。

最近の記事

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年の暮れ、ふり返り。【ご挨拶と雑談】

こんばんは。 ななくさつゆりです。 2023年も大変お世話になりました。あっという間に大晦日ですね。 今回はなんかこう、ゆるく雑談的に書いていこうと思います。 箸休め的にお付き合いください。 ということで! ざっぱくながら! noteを再開したこと とにかく、まずはこのことです。 noteのアカウント自体は以前から作ったものがあったのですが、当時は更新がうまくいかず、途中でストップしていました……。 後述の『きせつのあしおと』のショートストーリーを紡いでいくにあたり

    • 情景34.「紙障子の向こう」【掌編小説 at カクヨム】

      今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「紙障子の向こう」です。 座卓でペン一本。 ざぶとんにあぐらして原稿に向かう。 そこに照りを添えてみたかった情景。 ところで、紙とペン、さいきん使ってます? 小説やエッセイは、紙とペンさえあればできる創作活動ですが、最近はなんでもパソコンとスマホで済んでしまうので、むしろ紙とペンを使う機会が減っているのかもしれませんね。 私の場合、アイデアを書き出したりする際にペンを走らせますが、それも最近はパソコン上で

      • 情景109.「二個のマグカップ」【掌編小説 at カクヨム】

        今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「二個のマグカップ」です。 コップとか、パソコンとか。 そういう無機物を指して「この子」と呼ぶ。 そんなクセが、私にはある。 なんででしょうね。 いつからかはもうわかりませんし、なぜなのか、きっかけはなんだったのかももう思いだせません。 ただ、すごく馴染むんですよね。 “この子”呼び。 なんなら、“このコ”くらいのカジュアルなニュアンスで呼んでいます。 なんだか、所持物というよりも、仲間のひとつみたいな。

        • 情景01.「白雲」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「白雲」です。 葉桜の緑が陽を透かすようになり、暖と涼を交互におぼえる過ごしやすい季節になりました。 ちょうどいいからこのタイミングで、はじまりの情景にふれたいと思います。 白雲。 241文字の掌編小説。 『あなたが見た情景』は、日常にそった情景を書き連ねていくものでした。 文章に触れることであなたの中にある景色に触れてもらえるような、そんな小さなお話の集まりです。 その象徴のような最初の話です。 たった

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        年の暮れ、ふり返り。【ご挨拶と雑談】

        マガジン

        • 掌編小説マガジン 『at』
          84本
        • ショートストーリー紹介『季節のあしおと』
          26本
        • 文章良織。「ことば」が「表現」になるまで。
          19本
          ¥200
        • 1分文学ゼミ
          22本
          ¥300

        記事

          情景287.「朝、黙想」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝、黙想」です。 和室にて、朝の情景。 現代から少し時代観を遡った風。 “堅めの文章”に感じるかも。 ところで、黙想ってしたことあります? 剣道をしていたとき、始めと終わりに先生が「黙想(実際には“もぉくそぉーう”って感じの響き)」と声をかけて門下生が1分間の黙想をする……というルーティンがありました。 いまはメンタルケアやマインドフルネスの考え方が浸透してきて、そのアクティビティも活発ですから、以前よ

          情景287.「朝、黙想」【掌編小説 at カクヨム】

          情景239.「風車村の朝支度」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「風車村の朝支度」です。 朝、ひざしと風を浴びる。 恵風が羽をなびかせ、風車が回る。 風車の“まわるアレ”って、羽(羽根)って言うんですね。 続きものとして「情景239【風車村の朝支度】」と「情景240【風車村で音を聴いて】」を覧ください。 このお話は、情景にある「音」を気にしながら書いていました。 ほら、文章って音が鳴らないでしょう? でも、“よい情景”というのは、音がするし光はあるし風はそよぐし、匂い

          情景239.「風車村の朝支度」【掌編小説 at カクヨム】

          情景238.「雨中のキノコ」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「雨中のキノコ」です。 雨中のキノコ。 雨後のタケノコではなく。 ……雨中のキノコって、なに? 春って意外と雨が降りますよね。 冬の気配は薄れ、浅い春のきざし……なんて言葉も使いたくなる含みある空気に透いた空の頃ではありつつも。 もちろん、スカッと晴れる日もあるのですが、案外スッキリしない天気の日もあって、そろそろ桜も咲いてくるのに大丈夫かなァとか思ってしまいます。 雨の降る中、テーブルをバッシング中の

          情景238.「雨中のキノコ」【掌編小説 at カクヨム】

          情景233.「道ひとつ挟んだ向こう」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「道ひとつ挟んだ向こう」です。 はじめて通る道が好き。 晴れた土曜日の裏通りとか。 いつからだったかな。 学校の帰り道とか、駅から家に帰るまでとか。 通ったことのない道を通ってみたくなっちゃうんですよね。 そういう感覚、ないですか。あると思う。ありますよね……? 通るときはたいてい人通りもなく、日が通っていて風だけが吹いているような、そんな穏やかな通りになっている場合が多かったような。 歩いて通り抜けたり、

          情景233.「道ひとつ挟んだ向こう」【掌編小説 at カクヨム】

          情景60.「狐の瞳」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「狐の瞳」です。 光のゆらぎ。 水のゆらめき。 火のぐあい。 目を瞠る瞬間というものに気づく。これが思いの外きもちいい。 これを偶然という言葉で片付けていいものか、というのは一旦置いておくとして。 天気だったり、時間帯だったり、場の温度や湿度だったり、その場にたまたまいた自分だったり。 そんないくつかの要素がたまたま重なることで作用する一瞬の出来事。 もしくはそこで起きたことの気づき。 そういうものに気づ

          情景60.「狐の瞳」【掌編小説 at カクヨム】

          情景225.「水の都」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「水の都」です。 春に和やかなデートの情景。 長崎県の奥の方、島原城下に渡る街。遠くを見やれば普賢岳。 私が、“湧水群”という言葉をはじめて知った場所。 人に歴史あり、街に歴史あり。 眺めて私が思うのは、“お堀に歴史あり”。 水源を見つけ、人を呼び、測り、掘って、石を詰め。 水を流し、街に通す。 人も地べたも、水がなければあっという間に干上がります。 水場に人が集まることもあれば、人が集まる場所まで水を引

          情景225.「水の都」【掌編小説 at カクヨム】

          情景235.「早春の小昼」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「早春の小昼」です。 他愛のない日常のこと。 肩の力を抜いて眺める、晴れた日の情景。 また学生をやれるなら、カフェのバイトをしたいかなァ。 みなさん、アルバイトは何をされてました? 私の場合、学生時代にいくつかアルバイトをしていて、どれも接客業だったかな……飲食店とか、ウェディングのホールスタッフとか。 今は働き方も多様性の時代なので、年齢や性別を問わずいろんなことにチャレンジできます。 それこそ本業とは別

          情景235.「早春の小昼」【掌編小説 at カクヨム】

          情景229.「陽だまりをまとうように」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「陽だまりを纏うように」です。 ふと、気づく。 いつの間に、こんなに大人になっていたのだろう。 身にまとう雰囲気が柔らかくて、暖かくて、大人びていた。 ひとの成長に目を見張る三月の午前中。 三月に入り、それまでの張り詰めるような冷たい空気が少しずつ和らいでいきます。 すると、雰囲気にアテられたのか、心にも少し余裕が出てきて、それまで気づかなかったことに気づいてしまうこともある。 ……ありませんか。 私は、あ

          情景229.「陽だまりをまとうように」【掌編小説 at カクヨム】

          情景230.「花粉症ではない」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「花粉症ではない」です。 花粉症ですか。 いえ、花粉症ではないですね。 そんなやり取りを繰り返す季節がきました。 ちなみに私は……花粉症ではないですね! 単に、鼻がツンツンするだけです。 私は花粉症ではありません。 単に、春になると鼻がツーンってなったり、たまに目がかゆくなったりするくらいで、花粉症ではありません。 「いやそれ、花粉症ですよね?」 それは呪いの言葉です。 単に鼻がアレなだけです。 なんて

          情景230.「花粉症ではない」【掌編小説 at カクヨム】

          情景234.「乳白色のレンガ」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「乳白色のレンガ」です。 お菓子作りに初挑戦。 バターと砂糖の量に最初はビビりつつ、食べるのは一瞬。 「大丈夫。すぐに慣れるから」 ……何に? そういえば、先日はホワイトデーでしたね。 最近はバレンタインもホワイトデーも、形式ばった「お菓子を渡す日」というより、その日にちなんだアクティビティで、その日自体を楽しむような、そんなコト発信的なイベントでゆるふわに親しまれている感じがしますね。 バレンタインは女子

          情景234.「乳白色のレンガ」【掌編小説 at カクヨム】

          情景190.「氷の張る上に」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「氷の張る上に」です。 アスファルトにうっすらと張った朝の氷溜まり。 踏めば“パリッ”と、音がする。 晴れているのにとんでもなく冷めてる朝ってありますよね。 もう3月だというのに2月中旬くらいの話題で恐縮ですが、 「あぁ、これ朝積もってるな……」 「ああ、これ積もらない系の雪だな」 なんとなく、そういう直感が働く夜ってありますよね。 最近は天気予報の精度もどんどん高くなっていて、翌日の天気くらいならたいてい

          情景190.「氷の張る上に」【掌編小説 at カクヨム】

          情景49-50.「送り雪」【掌編小説 at カクヨム】

          今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「送り雪」です。 浅い春のなごり雪。 出立する子を見送るために車を走らせる親。 送る人のそばに舞う、ちりのような。 晴れているのに、粉雪が舞っている。 まれにある不思議な天気です。 おかげで空気はつめたくて、ダウンジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、玄関を歩いて駐車場へ。 見送る人に寄り添うように。 そういうふうに舞うから、“送り雪”。 そんな情景をこの掌編にしたためました。 余談ですが作中では、

          情景49-50.「送り雪」【掌編小説 at カクヨム】