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新卒1年目から人事というキャリア迷宮

こんにちは。本日28歳を迎えた松岡です。
先日、とあるツイートしたところバズっているというほどではないにしろ自分にしては比較的大きな反響をいただいたのでこれに関する話を今日はテーマに書きます。ちなみに思い立ったノリでわーって書いてたら8,000文字くらいになりました(笑)時間ある方は是非お読みください。

そのツイートは以下。

新卒1年目から人事をやっていて、最初は若いのに元気あってすごいねとか優秀だねとか周囲にチヤホヤされて正直浮かれていた。
今思えば事業についての理解も浅ければ、学生と年齢層が近いだけの存在だったかもしれない。
ある時、同期が月間の予算を最終営業日に達成して、オフィス中が拍手していた。少なくとも彼は自身の給与の数倍の売り上げを達成していた。
その時、自身は学生に気持ちよく会社について浅い知識を口にし、当たり前のように毎月給与が入ることに違和感を感じた。
本当に給与分の働きを自分はできているのだろうか。
自分の仕事はどう会社や事業につながっているのだろうかと。

そんなこんなで今の会社に転職をして、まずはじめにしたことは、その会社の事業や経営の考えを知ることだった。 各部門の部長レイヤーに何度も話しかけに行き、全てのチャットに自分を入れてもらい、事業についてビジネスモデルを理解するだけでなく、事業を動かす中でどのような動きをメンバー同士がしているか、どんな会話があるかまで時間さえあればチャットをずっと読んでいた。 幸いto C向けサービスを多く提供していることもあったので、自分でお金を使ってサービスを体験し消費者としても体験した。
自社開発のゲームもそうだし、通販サイトも。
1年目から人事や広報というキャリアが割と当たり前になってきている今、当時何も考えずにただ若々しく大きな声でプレゼンしていた自分に言いたいのは、人事こそ最も事業を深く知るべきだし、ユーザー体験も含めて隅々まで事業に入り込むことが重要だと思う。

ただ、それをしなくても人事や採用という仕事はある程度はできるし、すごいとも言われる。なぜならば、少なくとも自身のアウトプット先の候補者よりは意識せずとも情報を多く持つからだ。ただそれではオペレーション人事であるし、もうそろそろChat GPTに淘汰されるだろう。

夜中にふと思いつき、翌朝に書き殴って投稿したツイートだ。
Twitter Blueの恩恵でたくさん書くことができた。
ちなみにこのnoteを通して人事はこうあるべきだとかそういう押しつけがましいことをしたいわけではないし、自分の中に自分なりの解があればそれでいいと思っている。なので、上のツイート読んで”ドキッ"とした方は考えが近いとも思うので読み進めてもらえれば幸いだし、"何言ってんだろ、この人”って思った人は期待に添えず申し訳ないので、そのまま↩を押して違うことに時間を使ってもらえば幸いだ。

では、話をもとに戻す。
Twitter上には年を追うごとに#新卒1年目人事や#1年目広報など1年目のファーストキャリアから新卒採用や採用広報に関わる方が増えている気がする。(これは個人的な解釈で実際そうなのかはわからない)

マクロな視点でみれば、会社として採用や広報に力を入れる企業が増えているってことでもあるだろうし、かつ、そこに新卒1年目を抜擢、配置するというのはある程度以上に事業が右肩上がり成長していたり、組織人員への余力がないと難しい話だとも思う。だって普通、若くて体力あって行動をガンガンできる新卒は売上を伸ばすことに力を貸してくれってのがまず念頭にくるだろう。だからこそ、新卒を人事や広報などいわゆるバックオフィス部門に配置するのは、採用や広報の強化への意思表示、組織人員の配置に余剰が生まれ「ヒト」の投資フェーズに入ったことを意味するだろう。つまり、それだけおおよそ事業がうまくいっていることを示している。

ただ、ここ最近こういう相談も僕のもとに増えてきた。
新卒採用人事スタートのキャリアって学生側からのキラキラした見え方とは裏腹にキャリアという意味では広げ方の解がとても少ない職種なのではと思うようになった。そもそもの全体数がそのほか職種より少数なのもあると思う。

「1年目から人事してきて今後のキャリアがロールモデルがなくて今後どうしていけばいいか見えません」
「採用担当からのキャリアって育成や研修か広報しかない気がしていて、なんか行き詰まりを感じています」
「採用担当からのキャリアの広げ方がわかりません」
「人事しかやってきてない人って転職先でも人事やってるよね

ちなみにワンキャリアさんで公開している#キャリアの地図ではこんな感じだった。会員限定みたいなのでここでは出さないが興味ある人はどうぞ。
自分の周りをみていて感覚的な話だが、新卒採用人事からのキャリアステップのパターンは、6~7割:違う会社の同じく新卒採用人事2割:営業、1割:広報または研修育成などの人事の別領域への異動って感じに思える。

このnoteでは1年目から人事配属となった僕自身がどのようにキャリアを考えているかとか、今に至るまでというのを書いてみようと思う。そして、同じような立場で人事からのキャリアに悩んでいる人に1つこういう人もいるんだなというキャリアの提示ができれば幸いだ。


まずは、僕自身のこれまでについて記載をする。
2018年卒として、人材業界にいれば知らない人は今やいないほどになったネオキャリアへ入社。1年目より新卒採用人事としてキャリアをスタート。
ネオキャリアといえば30を超える事業を持ち、「ヒト」に関する支援に対してNoがないんじゃないかといえるくらい手広く事業を行っているベンチャー企業だ。そのため当時の僕では覚えきれないほど数多く配属候補となる事業がある。その中、特にやりたいことのこだわりもなかった僕は、「やることをとことんやってればそれは何であっても誰にも負けない結果はついてくるし、そうすれば自ずと評価も役職も待遇も変わる」と思っていた。それもあって配属希望アンケートで第1希望~第3希望まですべて「どこでもいい」と回答。そしたら430人くらいいた同期の中で「4人」しかいない新卒採用人事に配属されたのは自分でもまさかだった。が、そういう形で人事スタートのキャリア始まった。

1年目の僕はとにかく成果を出すことに必死だった。キャリアとか考える余白も正直なかった。今思い返せばよくやってたなって感じだが、週7朝から晩まで仕事している1年目だった。それくらい常に仕事のことばかり考えていた。その習慣は今も変わっていない(笑)。
余談だが、最近学生の中で転職ありきのファーストキャリアというのが増えているらしいが、あまり頭でっかちなキャリア思考を持つと自分の想像の範囲内でしかキャリア広がらなかったり、スキルにつながりそうなことだけやるみたいな省エネな働き方になる気がしてならない。そうなると、広がるものも広がらない。まずはそこでできそうなこと全部自分のモノ精神でかたっぱしから経験踏んでみてほしいなと思うし、それをやったからこそ見えるモノってのもあるんじゃないかなと。弊社では #食わず嫌いせずなんでも食べる  って表現しているがまさにそれだ。

で、そこから2年目になり関西採用責任者となり、100名近い採用目標を立て拠点の採用数字に責任を持つようになり、部下を6人抱え、採用マーケや研修設計にも関わるようになり、1年目の自分と比較すると、同じ採用なはずなのに見ていかないとといけない視座が上がりその分やらないといけない範囲が一気に広がった。2年目も変わらず週7で仕事のことを考え続ける毎日を送った。自分にとってはやったことないことの連続だったので常に新しい学びを得る日々だったし、視座が一つ変わるだけでここまで仕事の見え方が変わるのかと思った。

最初は若いのに元気あってすごいねとか優秀だねとか周囲にチヤホヤされて正直浮かれていた。今思えば事業についての理解も浅ければ、学生と年齢層が近いだけの存在だったかもしれない。

そして、2年目でエリアの採用責任者をしているという肩書は周囲からのチヤホヤを生み出し、僕を調子に乗らせてしまった。そして、3年目を迎え、いよいよ自身の今後のキャリアについて向き合い始める。そんな時、とある1on1で上司からこんな言葉があった。

これまでの経験だと、市場でいえば「採用担当」としての価値しかないからそういう転職になると思う。逆に「自分は〇〇ができます」ってことについて採用以外に何かある?

ん?確かに。これってなんか・・・まずくね?途端に自分のキャリアに対して不安になった反面、確かに新卒採用という業務範囲の中でいろいろなことを経験したけど、まとめるとそれって採用担当だな・・・と腑に落ちたのも事実あった。採用KPI管理、採用マーケ、インターンシップ企画、内定者研修企画とか目につくもの手当たり次第にって感じでたくさんやった。だが、これって仮に「採用」というスキルがあったとしたら、僕は「採用」というスキルを持っていて得意ですと言えるのかと。その時僕は「まだ言えない」と正直思った。なぜならば、今の自分は採用業務を経験しているが、「採用」の仕組みは生み出せない自分だからだ。すでに企業の中に採用の仕組みがある会社に行かないと今の自分はワークしないと気付いた。それか、未経験として営業とかそのほか職種にメンバーレイヤーとして転職するしかないのではと思った。ただ、すでに社会人を3年経験している身として、別職種に1メンバーとしてもはや1年目と同じ立場で営業やら何かしらに挑戦することは自分にとってはその時、遠回りな道に思えてしまった。だからこそ、これまでの経験資産を持ちながらもっと事業の真ん中に入って事業を俯瞰して伸ばせるキャリアはないだろうかとそんなことを考えていた。

僕は根本、人事をやってきたなかで採用をやることは自分の目的でもやりがいでもなく、あくまでも会社の事業の成長、もう少しシンプルにいえば売り上げを伸ばすことにつながることであればなんでもやる、その中の1つの手段が人事であり採用であり、育成でありという風に捉えている。もし、「やりがいはなんですか?」って聞かれるならば「事業成長に影響を与えたかどうか」に尽きる。ビジネスという場に身を置くならば、売り上げや利益は切っても切り離せないし、特に企業として投資活動である採用という場所に身を置くならなおさらそこにシビアに考えていないといけないと思っている。事業を伸ばすための採用である一方で、事業が伸び悩めば採用という投資活動にお金は使えないし、人を置けない。売り上げや利益がすべてだと述べたいわけでもないが、売上が伸びるってことはそれだけ自分たちを必要としてくれた顧客が増えたって証だし、売上を伸ばすことにこだわらずに自分のやりたいを追求したいのであればボランティア活動やフリーランスとしてどうぞだ。二宮さんの言葉はあまりにも有名だが僕はこの言葉を大事にしている。

『道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。』

二宮尊徳(二宮きんじろう)

そういえば↑の記事内でも同じようなことを言っていたのでまだ見たことがない人はぜひご一読頂けると嬉しい。

話を戻すがそんなことを考えていた僕が出会ったのが今いるクルーズだ。
実は、スタートは人事として転職している。ただ、僕は「人事のプロになりたい」と思って転職したわけではない。「事業を伸ばす仕組みが学びたい」と思って転職をした。ではなぜ、人事として転職したのか?理由は過去の記事で述べている。

業界はいったん置いといて、まずは自身の得意な職種から取り組む方がいいのかなと思っています。

理由はシンプルですが「最速で最も成果を出せるから」です。なぜ最速で成果を出せることが重要なのかというと、確かに前職での実績等を見て採用は評価されていると思いますが、評価されている=信用されているではないからです。

クルーズでのこの1年間を振り返りましたより抜粋

つまり、最短で社内からの信用実績をつくり、「自分のしたい」を通すためだ。結果的に、その機会は入社して半年後に訪れる。社長特命執行部、世の中的にいうならば、経営企画室とか社長室とかそのあたりのポジションへの異動だ。

そして、もともと経験をしてきていた採用という職種はというと今では人事領域全般に広がり、採用、育成、評価、労務、制度とすべてを経験することとなったし今も関わり続けている。もちろん、会社のフェーズによってやることの規模も社員への影響もいろいろ違うのでこれだけで「僕はできます」と一概に言えるわけではないが大方このあたりの領域について何かを聞かれたら1つ以上は回答ができるんじゃないかと思っている。
※ちなみにこれはもともと見えていたキャリアではなく、あれもこれもやっていってたら勝手に増えていった副産物的、偶発的なキャリアだ。

ちょっとこの辺で余談を1つするが、営業やCS、マーケといろいろな職種が存在する中で、どの職種であってもいわゆるミートアップのようなイベントやウェビナーがコロナ禍あたりから一気に増えてきた印象がある。
人事領域も例外ではなく、人事や採用担当者向けのウェビナーは結構たくさんある。これは個人的な解釈に過ぎないが、ほかの職種に比べ、HR領域の登壇者の顔ぶれが数年変わっていない気がしている。(自分がHR畑に長いこといるからそう思うって話であって、他もそうだって話だったら申し訳ない。)いわゆるCHROや人事役員をされている方が登壇をされテーマについてあれやこれや概念を話し、視聴している人の多くは同じレイヤーの人というよりは採用担当者がほとんどで具体の話を知りたいがなかなかそこまで語られていないという構造だ。当たり前の話でもあるが、登壇者は日頃現場業務をしているわけではなく、現場業務をしている人のマネジメントや会社全体に仕組みを作っている人たちなので話も日頃の業務タスクレベルに落とし込みにくいものが多いし、キャリアイメージという観点でも人事スタートからのロールモデルもイメージできないのは当然のことにも思える。解像度の違うところでの情報伝達が行われ、若手採用人事からすると、年齢的にも視座的にも距離が離れすぎているロールモデルしか見れていない現状がある気がする。集客のためってところもあっての登壇者選定だとも思うけれども、この辺もどんどん変えていかないと人事スタートのキャリアにおいてロールモデル不在の先行きが真っ暗なものになってしまうのではないかという危機感を覚える。

余談が思った以上に長くなったが本題に戻して、そんな僕のこれからのキャリアとして考えていることは大きく分けると2つだ。
①子会社単位ではなく、クルーズグループ全体の「ヒトの成長」と「事業成長」のための攻めの抜擢配置の仕組みの構築をすること。抜擢人事がないわけではないが、それを仕組み化できるところは仕組み化し、グループ内の人材の流動性を高め、数多の経験を積むことでどの事業であっても欠かせない人材に育てること、そして伸ばしたい事業を「ヒト」の力で意図的にドライブさせれるようになれるといいなと思い、次のミッションにおいた。どれだけ自分に向いていることを行えていて成果を出せていても、ずっと同じことを繰り返していると飽きが来てしまったり、違う環境を探しだしたりと、結果として人材流出、退職につながっている企業もあるのではと思っている。弊社でも異なるマーケット領域にあらゆる事業を展開している企業であるため得られる経験値はもはや転職と同等、いや社内価値を持ったままの異動は転職して1から実績つくりをするよりはるかにレベルの高い経験を早くから積むことにつながるのではと思う。そのための仕組みをオフィシャルに構築し、より成長し続けられる組織を作っていくことを次の一歩に決めた。
分かりやすくいうならCHROに求められる役割をやっていくよという話だ。

②自分自身が経営・事業のオーナーとして意思決定を経験すること
①のあとになるとは思うので何年後の話になるかはわからないが目安は30代前半あたりでグループ経営の中の1つ子会社の代表になり、経営・事業・組織に対して自らがオーナーとしての責任を抱え意思決定を経験していきたいと思っている。起業したいとか社長やりたいとかいう感情よりは、より難易度の高い意思決定を体力がある、リスクもとれるうちに経験したいという欲求が一番強い。そのため今は人事領域での仕事と別で、グループ子会社の経営管理を7社ほど担当し、すでに子会社代表となっている取締役の傍で経営についてや意思決定について学んでいる最中だ。

28歳になる今日、改めて自分の社会人人生を振り返りながら今後のことも含め書き連ねましたが、書いたことをあとはただひたすらにやるのみなのでまずは、クルーズグループのHRのトップという責務、自覚をもって働く「ヒト」の仕組みツクリに勤しみ、そして、人事スタートのキャリアからCxO、そして事業家という道の1つのモデルになれるようにまた1年やっていこうと思う。

この記事を読んでいただいた方の中で、そんな松岡と一緒に働いてみたいとか横で学べるもん全部かっさらいたいと野心溢れる方は、1名採用を考えているのでぜひ以下のウォンテッドリーからご応募ください。僕がいうのもなんですが、めちゃくちゃ刺激的で変化に富んだ毎日を提供することを約束します(笑)

ではまた。
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