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10月の私はきっと焦ってたんだ。

10月は良いものにしよう。
10月はきっと寒くなるし動ける。
10月は予定を沢山入れてとにかく行動しよう。
10月のしいたけ占いは良いし、芸術の秋だしと思い
スケジュール帳を買いとにかくスケジュールを埋めまくった9月末。
思い描いた理想がだんだんだんだん大きくなっていた。自分は変われるんだとそう信じてた。


私は車中泊をしながら3、4日間ほど旅に出る決意をした。周りにも言ってたし誰に反対されても私を止めないで私は変わりたいのと豪語。

しかし旅に出ようと計画していた1週間前ぐらいから精神の状態がおかしくなっていた。
10分車に乗るだけでも凄い疲労感。朝も起きれないし夜も眠れない。でもスケジュールが埋まってるからこなさなければならないし、、と焦りと疲労。
友達と遊んでも上の空。解散した途端どっと疲れ、泣きながら帰る。

両親には今の精神状態で旅をする必要があるのか?と何度も言われた。私は全部否定しないでと怒る。

車中泊はしないで宿を取る事を決意した私は旅の2日前に宿を予約したと同時に急に不安が襲ってきて過呼吸になって泣き始めた。

私が行こうとしていたのは車で5時間ほどの場所。
10分運転するだけでもこの疲労、果たしていけるのか事故ったらどうしよう。人を轢いてしまったら?3日間の中で家族や友達が死んでしまったら?急にパニックを引き起こしてしまったら?身体が動かなくなってしまったら?不安が襲う。
手を震わせながら家中を走り回った。泣きながら嗚咽をしながらどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう私はどうすればいい私は変わりたいんだ私は、、、、、

それをみかねた母は今旅に出る必要はない。早くキャンセルしなさい。と落ち着いて言う。

泣きながらキャンセルの電話をかける。
私は結局親の言いなりだ。負け犬だ。
弱い人間だ。

結局旅には行けなかった。変われなかった。


旅に行く予定だった3日間は自分を見つめ直そうと思い車で小一時間程度の温泉へ行ったり、友達と遊んだり映画をみたり音楽を聴いたりなんだかんだ過ごした。
温泉にいた日は一日中温泉にいた。
まだ緑色の紅葉の葉を見ながらずっと考えた。

なにをそんなに焦ってたんだろうと。

自然を見てたらもうどうでも良くなっていた。
心が少し落ち着いた。
とりあえず自分の精神をコントロールできるようにする事が私がすべき事だなと。


周りは就職して頑張ってたり留学の予定を立てたり結婚していってたり、、、それをみてた私はきっと焦っていたんだ。

私は私なりの生き方がある。
私は遠回りしてでも素敵な自分に逢いに行くんだ。

と悟った日から頑張って生きようと思えた。
キャンセル料も自分と向き合えた、理解できた代償だと思うようにした。きっと旅に出ていたら私は自殺をしていたと思う。暗い夜道なんて不安だらけの世界だ。

私は正解だったんだ。きっと。


これは10月初めの出来事。ここから躁鬱は酷くなる。楽しい事をいっぱい作ったしとても楽しかった事は沢山あった。沢山ライブへ行ったし沢山映画を観た。沢山人にも会った。それでも精神はおかしくなる。


頑張ろう変わろう思うほど精神状態は酷くなる。
私は頑張ったらダメなんだろうか。変わろうと思ったらダメなんだろうか。
ずっとそうだ。私は頑張るとダメな方向に行く。
こうやって希望を失って無欲になっていく。
つまらない人間になっていく。

過呼吸で顔面が痺れて痛い助けてと叫んだその日にまた精神科へ行く事を決意した。


負けた。


予約は11月しか取れなかったから通っていた頃の睡眠薬が残っていたので今はそれで強制的に眠っている。10月の予定はブッチしたのも多かったけど週に3回程度のバイトだけは必ず行った。
仕事に行けなくもなった一年前のことを思うと変われた気がしたから。

あまり期待はしないでおこうと思う。
焦らないで行こうと思う。
若い時間は今しかないからって皆私を焦らせるけどしっかり自分で立っていようと思う。

大切なものをちゃんとわかってる君なら大丈夫だよと中学の頃の担任からの卒業メッセージが響く。

私は少しずつ理想の自分を追い求めれば良い。
少しずつ生きるコツを掴んでいけば良い。

今年も残り少なくなってきたね。って言葉が流行り出してくるけどそんな言葉は聞きながして焦らないでゆっくりゆっくり亀さんみたいに生きて行こうかなと思う。

ぐらついた10月もちゃんと生きたんだ。
きっと私は生きていける。
でもいつかはこの閉鎖的な空間から抜け出せることを願っています。







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