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シュークリーム

フランス語で、シュー=キャベツなので、シュークリームはキャベツのような形の生地にクリームを入れたお菓子になります。
私が習ったのは、日本にあるふわふわタイプではなく、ざくざくっとしたフランスで「パリゴー(パリ野郎)」と呼ばれる硬めな男前なシュークリームです。
前回のザッハトルテもですが、シュークリームも時間管理が大切。というか、殆どのお菓子に共通するのは時間をかけないこと、これに尽きます。私はどちらかというと不器用なので、できるようになるまで色んな工程でつまづきます。で、その度に何がいけなかったのかをネットや本で調べます。そんな風に失敗をしては覚えていくを繰り返しています。なので、同じようにつまづいた人の参考になれば幸いです。
シュークリームでつまづいた人の多くは「シューが膨らまない」ではないでしょうか。今回はシュークリームの生地の作り方とコツを書きたいと思います。

<パータ・シュー(シュー生地)の作り方の手順とコツ>
1.薄力粉は直前に振るっておく。常温にした全卵を用意。
2.鍋に水、牛乳、塩、小さくちぎったバターを入れ、火にかける。
3.焦げないように木ベラで小刻みにかき混ぜ、沸騰したらすぐに火を止めて薄力粉を一気に入れる。
4.すぐに木ベラでかき混ぜ、混ざったら再度火をつける。
5.高速でかき混ぜ、火が通ったら別のボウルに移す。
6.木ベラでかき混ぜ、余分な水気を飛ばす。
7.全卵を数回に分けて、加えては混ぜ、しっかり混ざったら次を加えるようにする。
8.粘りが出るまでよく混ぜる。
9.丸口金を絞り袋にセットし、生地を袋に詰める。
10.天板に敷いたシートの上に、間隔をあけて絞る。
11.全体に霧吹きで水を吹きかけ、生地の上にアーモンドダイスを乗せる。
12.200℃に予熱したオーブンで約20分、全体に焼き色がつくまで焼く。
13.160℃に温度を下げて40~60分、乾燥焼きをする。

シュークリームは生地の中の水分(牛乳、水、卵)が水蒸気になって押し広げられて膨らみます。そのためには下記に気をつけて作ることが大切です。

※水分を飛ばしすぎない。
・2~4で火にかけすぎると水分が少なくなり、生地が固くて7.で練るのが大変になります。また水分量が少ないため膨らまなくなってしまいます。
・5.で火が通ったかの見極めは、鍋の底に白い膜ができた状態。
・分量にもよるので参考ですが、4.を20秒位、5.を25秒位、6.を10秒、7.を3分半位でやっています。
・5.で別のボウルに移すのは、火がこれ以上入らない様にするためです。熱くなった鍋のまま作業をすると熱が入って水分が減ってしまいますので、必ず移し変えましょう。

※卵の温度と加え方。
・卵は常温で。(冬場は少し温めても良いです。)冷えた卵を加えると生地の温度が下がってしまいます。
・7.で一度に卵を多く加えると分離してしまうので、数回に分けて加えます。但し時間をかけると生地が冷めてしまうので手早く数回で行いましょう。

※生地に粘りを出す。
・8.でしっかり混ぜて粘りを出すことで、焼いたときに蒸気を逃がさないよう閉じ込めてくれます。見極めは生地が白っぽくなるまで。そして、木ベラで生地をすくい上げ、垂直にした時に数秒経ってからぼってり落ちる硬さにします。

※生地が温かい状態でオーブンに入れる。
・3.~11.の工程を手早く行い、生地が温かい内にオーブンに入れます。時間をかけて冷めれば冷めるほど膨らみが悪くなってしまいます。

※オーブンは高温→低温。
・12.では高温の200℃にセットし、短時間で生地を膨らませます。20分と記載していますが、オーブンによって異なるので、全体的に焼き色がついた状態を目安に調整してください。膨らんで亀裂が入った場所にも焼き色が付く位までしっかりと。それまではオーブンを開けないようにご注意ください。膨らんでいる途中でオーブンを開けてしまうと一気に萎んでしまいます。
・13.では温度を下げて、今度は低温で乾燥させます。お店の業務用オーブンでは10分で十分でしたが、我が家の小さなオーブンでは1時間近く焼いてちょうど良いです。

業務用のオーブンやガスオーブンに比べると家庭用の電気オーブンは温度が低くなりがちで難しいと思いますが、時間に気をつけて手早く作業すればちゃんと膨らみます。ぜひ時間を計ってやってみてください。

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