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欲はシンプルに。ただ、描きたい。

久しぶりに味わう、燃え尽きた…という感覚。
5月末に、今年の10月にフランスパリで開催されるArt Shopping Parisに出展するための大きな漆喰画の作品が2点、ようやく完成した。

出展することが決まったのは去年2023年の2月。あれから1年以上の期間をかけて、実際に絵を描くということをするわけでなくてもずっとこの出展のためのアンテナを張っていた私は、やっとの想いで作品が完成したことで、達成感と同時に力尽きてしまったような、全てにおいて無力な感覚に陥ってしまった。(noteの更新も少しの間ストップしてしまった。)

こちらの記事も作品を描くときにここ最近大事にしていたこと

作品が完成してから1週間ほど、わたしはぼんやりとした無力感を味わいながらも、改めてあることに気付く。

それは、私は制作の「過程」が楽しくて描いていて、「完成」が私にとってのゴールであるという極めてシンプルなこと。

今回のパリイベント出展も、私にとってとても大事なことには変わりはないのだけれど、どんなイベントが待っていても、欲しいと思ってくださってお迎えいただけることがあったとしても、私は描いているその瞬間だけが楽しくて、その絵がこの世に生まれた瞬間がわたしにとっては全てである、ということに気づいてしまった。完成した瞬間以降に起きる出来事は、あとは絵本人に任せるというか、私以上に大事にしてくださるところがあれば是非、というくらいである。

値段に関しても正直あまりこだわりはないし、SNSでの発信にも興味がない。出来上がった作品が人からどう見られるかとかも、(自分が人からどう見られるかは全く気にならないわけではないのに)正直ゼロに近いと言っていいくらい気にならない。私の愛する子どもたちの紹介〜くらいの気持ちで、ほぼギャラリーとして写真を撮ってショップには載せているけれど。

そして、売ることや魅力的に見せること、人からの評価のために制作することを一切除外したとしても、自分はやっぱり描きたいだけなんだ、ということをふつふつと実感する。

自分自身のために、絵のために、描きたい。シンプルに、それだけ。

フリーで仕事をするようになったここ10年以上は、ビジネスや仕事に長いこと奮励してきて、売ることや魅力的な商品を作ること、求められるものを売ることが頭から離れなかった自分がびっくりするほど根強くいたからこそ、今こんな気持ちでものすごくシンプルに、ただ表現したいと思えることが、なんだかとてもとても嬉しいし、そんなふうな自分になれたことが誇らしくも思える。

たくさんの人に評価されるであろう大きなイベントを迎えてみたからこそ逆に気づくことができた、誰のためでもなく自分のために描きたいというこの切実な気持ちを、これからも忘れずに持ち続けていきたい。

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