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滅びの前のシャングリラ

滅びの前のシャングリラ

 凪良ゆう著「流浪の月」の読後、なんの迷いもなく「滅びの前のシャングリラ」を購入していた。面白い本に出会うと、その著者の本をもっと読みたくなる。「滅びの前のシャングリラ」はまさにそれだった。

 この話を一行でまとめるとするのなら「世界が終わるからこそ理想が叶った話」だろうか。

 いつかに夢見ていたそれぞれの理想。それは理想のまま終わるはずだった。世界の終わりが決まるまでは。

 地球に隕石がぶ

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『流浪の月』を読んだ

『流浪の月』を読んだ

「でも多分、事実なんてない。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ」
「事実なんてどこにもない。みんな自分の好き勝手に解釈しているだけでしょう」
「事実と真実はちがう」
                           凪良ゆう 著『流浪の月』

 真実なんて、当事者しかわからない。当事者以外の人は自分の都合のいいように解釈をしてそれがあたかも真実であるかのように振る舞う。

 加害者への解釈。

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本とどう出会うか。

本とどう出会うか。

 本屋に行った。こういうご時世だから3ヶ月ぶりくらいになる。それに加えてお気に入りの本屋が閉店してからは本の購入は通販がメインになっていたことも相まってのことだ。

 通販で本を買うようになってから途中で読むのを辞めることはほとんどなくなった。その理由はクチコミから今、読みたい本か吟味するようになったからだ。

 そんな事前に情報を仕入れてから本を買うことが習慣化してしまったからか、本屋に行っても

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伊坂幸太郎著『逆ソクラテス』の備忘録

伊坂幸太郎著『逆ソクラテス』の備忘録

短編5編からなる伊坂幸太郎著『逆ソクラテス』の備忘録

逆ソクラテス ー「僕は、そうは、思わない」ー 全てを知ったかのように振る舞う担任の先生の先入観をぶっ壊すお話。冒頭で出てくる野球選手がファインプレーをした後にテレビを消すところは読み終えてから意味がわかる。結局、担任の先生は変わっていなくて先入観を捨てきれていないように感じた。

 事実と感想。例えば、穴の空いた靴を履いている人がいるとする。

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