本とどう出会うか。
本屋に行った。こういうご時世だから3ヶ月ぶりくらいになる。それに加えてお気に入りの本屋が閉店してからは本の購入は通販がメインになっていたことも相まってのことだ。
通販で本を買うようになってから途中で読むのを辞めることはほとんどなくなった。その理由はクチコミから今、読みたい本か吟味するようになったからだ。
そんな事前に情報を仕入れてから本を買うことが習慣化してしまったからか、本屋に行っても、自分の中の読んでみたいという気持ちが以前のように芽生えなくなっていた。内側から湧き出る読書欲みたいなものが失われている。結局、本屋を2箇所ハシゴしたけでも何も手を出すことは出来なかった。
通販を利用する前は、本屋を何度も往復して、3回以上目に止まったら読みたい候補に入れる。そこから選抜して読みたい本の中でもっと読みたい本を購入していた。それくらい心を動かされる本がたくさんあった。
そして、誰かの意見ではなくて純粋に本屋で出会う読書体験を得ていた。それが今では誰かの意見に合わせた読書体験に変わってしまっている。自由恋愛が当たり前の時代なのにお見合いをさせられているような気分になる(お見合いを否定しているわけではありません)。
読書は本に出会うところから始まる。本を読むという行為自体は変わらなくても、どう出会うかが少しずつ時代の波とともに変わっていく。だけど、この波に抗って本屋で自然に出会うことを大切にしたい。
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