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「幸せ」をお金で買うとは〜「幸せをお金で買う5つの授業」読書感想文

こんにちは。「幸せ」とお金の関係は、皆さんはどのようにお考えでしょうか。よく討論番組のネタになりますよね。今回は「幸せをお金で買う5つの授業」という本を読んだ読書感想文です。


本の要約

ハッピーマネー5つの法則

  1. 経験を買う

  2. ご褒美にする

  3. 時間を買う

  4. 先に払って、後で投資をする

  5. 他人に投資する

最近の研究では、富を増やしても、より幸福になれるわけではないことが示されている。富を得ることを考えただけで、人は他人を遠ざけるようになり、幸福を台無しにしてしまう場合がある。

この本では、お金で「幸せ」を買う5つの法則について紹介されています。みなさんも日常生活で同じような場面に遭遇して「幸せ」と感じることもあるのではないでしょうか。

経験を買う

  • 形あるものより、形のない経験を買ったほうが後悔が減る(コーネル大学 トラビスカーターとトーマス・ロヴィッチの研究より)。

  • 宇宙旅行を販売するヴァージン・ギャラクテイック社のパンフレットの例
    「20年後のあなたは、やったことよりも、やらなかったことによって失望しているだろう」という言葉が書かれている(この言葉は「トムソーヤの冒険」の作家・マークトウェイン)。2万ドルの手付金を払わせるなら、絶対に後悔することはない、と思わせる販売戦略の例。

  • 経験を購入するか迷ったときのことを振り替える人の83%は、たった1つの後悔は、行動に移さなかったことだと回答。

  • 払ったお金に対して最も大きな喜びを得られるのは次の4ぬの基準を満たすもの。
    1.ほかの人々と交わることで、社会的なつながりが生まれるような経験。
    2. この先何年にも渡って、楽しい気持ちで繰り返し語ることができるような思い出話につながる経験。
    3. あなたが感じている自分という人間、あるいはあなたがなりたいと思っている自分像に結び付く経験。
    4. 他の選択肢と簡単に比較することができない、滅多にないチャンスを与えてくれる経験

  • 経験的な買い物に対する満足感は、時が経つにつれて増していくのに対し、物質的な買い物に対する満足感は減少する傾向があるという研究結果がある。

ご褒美にする

  • 好きなものをご褒美に変えることは非常に価値がある。

  • 消費を減らすことが幸福を大きくする万能薬になるという説得力のある証拠はない。しかし、消費パターンを変えると、少ないお金でより多くの幸福を得る道が開ける、という研究結果が出ている。

  • マックリブは、常に期間限定でメニューに登場して消えることを繰り返した。マックリブを、夏のBBQが懐かしくなる秋に販売することにしている。(合わせて読みたい:マックリブの歴史/Business Insider英語版より)

  • 高級車のカーシェアリングなど大きな買い物に、ご褒美戦略は通用するのか?→ジップカー社では運転をご褒美に変えることによむて、顧客に豊かな気分を味わう機会を提供している。ヨットの場合、ヨットをシェアすると自分が買いたいときにいつでも使えるわけではないが、この明らかな制限が、ヨットでセーリングすることをご褒美にする助けにしている。

  • ボストンのオールドノース協会で行われた実験。トラベラーズポイントという会社のアプリは、じぶんがどれくらいたくさん旅をしたかを地図にマークすることでみんなに見せる機会を提供し、ユーザーの人気を集めた。

時間を買う

  • マックサラダ・シェイカーの事例:日常の活動を効率的にすることを主目的に考え出された製品は、実際はいらだたしいきぶんを増幅させることによって、時間的豊かさをむしろ減少させ、もっとたくさんの時短製品が欲しくなるよう、消費者を仕向けさせる。

  • 時間を他人のために使う:添削の手伝いをするために居残った学生たちは、早く帰ることができて余分な自由時間を得た学生たちよりも、より多くの自由時間がある気がすると答えた。誰かを助けることに時間を使うと、自分は効率的に動いていると感じるもの。

  • 時間の観点で考えることには思わぬ恩恵が:お金ではなく、時間を考えるようになると、人々は人との付き合いやボランティアなどの幸福を促進する活動に勤しむようになる。

  • 時給制の考え方:時給制は、人々をもっと働かなければという気持ちを駆り立てる。それは、感情的な見返りのある行動をしたいという意欲を低下させしまうことも。時間はお金を交換可能とみなすリソースとみなすことは、経済学的観点から賢明でも、幸福の観点からは有害。

先に払って、後で投資する

  • 消費を先送りすることから得られる恩恵は、前払いをしたときに特に得られる。手に入れたときにはまるでただでもらえたかのような楽しい気分を味わえる。未来について楽しい考えを持つことができる能力は、心が健康であることの重要な特質。
    →ヴァージン・ギャラクテイック社の宇宙旅行の話は、その旅行の価値は旅行を楽しみにすることからも生まれている。

  • トリップアドバイザーの事例:目的地の最新情報を送る機能は、旅行の計画を立てている人にその決断を助ける最新情報の提供に価値があるが、ユーザーの20%は旅行の予約を完了したあとも、このサイトに何度も戻ってきて、プライベートビーチや岩盤浴の写真をみる。職場で見るとユートピアのように感じるのだろう。

  • 支払った金額から最大の幸福を得られるのはどのような場合?
    ・先送りによって、消費経験についてポジティブな期待がふくらむような魅力的な詳細を見つける機会が提供され、待つ間のワクワクする気持ちが大きくなるとき。
    ・未来の買い物について考えるとよだれが出てしまうほど楽しみになり、最終的に消費した際の喜びが増すとき。
    ・経験そのものよりも、もっと多くの喜びを引き出すことができる貴重な機会になり得る。

他人に投資する

  • Googleではほかの従業員に150ドルをあげることができる仕組みになっている。ボーナスよりも受け取った人の幸福感は高まる。

  • 幸福感を得るには、人とのつながりが重要。

  • 売上の一部を寄付するなどを通して、顧客が自分の行動で誰かが恩恵を受けているを感じることができる。こうしたつながりを顧客に提供することが新しいマーケティングの方法を生み出すヒントになる。

お金を払ったから恩恵を受けるべきという考え方

"Times is money"ということわざがあるように、幸せとお金は切っても切れない関係です。私が思うに、昨今はこの幸せとお金の関係がどうもネガティブに捉えられるように感じます。

行列で表示された待ち時間よりも長く待つことになり損した、ファストフードのお店なのに全く早く提供されなかった…など。この本を読むことを通じて、お金を払ったから優先的に商品やサービスを提供されるべきだと考えるよりも、「待つ間のワクワク」感を感じる(ポジティブに捉える)ことで、幸せがより増すように思います。

ABEMA Primeで日本は数分電車が遅れただけで気にしすぎだ、という議論がありましたが海外に行くと電車が来ただけでホッとした経験もありました。日本って良くも悪くも色々便利すぎるんだろうなと。幸せとは何かを考えるのであれば、海外に行って自分はどこまでなら許容できるか?という視点で考えてみても良さそうに思います。


合わせて見たい

原作の著者の1人、Michael Norton 氏はTEDにも登壇されているので、興味ある方はこちらもぜひご覧ください。

ABEMA Primeで放送されているテーマのうち、幸せとお金に関するテーマはよく見ています。取材されている人、スタジオで討論している人たちの価値観から新たな視点を得られるからです。誰の考えが正しい、ということを知るよりも、そういう考え方をしながら生きるのかという発見の意味合いが強いです。

ほかSNSでも、ぜひ繋がりましょう!
・X:https://twitter.com/ichito0123
・Treads:https://www.threads.net/@ichito0123
・Podcast「日常を旅するラジオ」https://note.com/nichitabi

読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。