見出し画像

企業の多角化戦略を調べる

こんにちは。マーケティング講座「MARPS(マープス)」の講座内容を振り返るイベントレポートです。


講座の内容

  • 事業の多角化をしている例に、東急グループがある。鉄道事業をはじめ、不動産事業など多岐に渡る。「美しい生活環境を創造する」をドメイン(企業が今日から将来にかけて生存していくための事業領域)としている。

  • バブルの時は、各企業はリスク分散させることから、主な事業とは関連しない事業に多角化していった。しかしバブル崩壊後は、主な事業に関連する事業に多角化していく傾向に。

  • 多角化戦略は主に大きく分けて3つある。垂直統合多角化、集約型多角化、連鎖型多角化。垂直統合型はリスクが大きく近年はあまり採用されない戦略で、集約型は主に味の素、連鎖型は東レが主な例に挙げられる。

  • 企業がどのような事業に力を入れているのか、社会に対するメッセージなど、アイデンティティを知るには企業広告を調べてみるとよい。


事業を多角化させ、成功している企業の例

企業の事業多角化の成功例は数多くあります。以下はいくつかの代表的な事例です。(ChatGPTにアイディア出しを手伝ってもらいました。)

Panasonic

家電の製造・販売からスタートし、自動車用の電池や住宅設備に事業を広げています。
2020年11月13日、パナソニックは2022年4月から持株会社制へと移行したことを発表しました。現在の中期戦略の利益成長の要である「基幹事業」をコアとした、『空間ソリューション事業』、『現場プロセス事業』、『デバイス事業』、『エナジー事業』を4つの軸に据え、「専鋭化」を進めるそう。成長領域である車載電池・空質空調・サプライチェーンマネジメントソフトウェアの3事業に定め、中期経営計画の目標達成に向けて進めています。

例えば、デバイス事業の企業広告を見てみましょう。Panasonicの商品の変遷が視覚的に分かります。


SONY

オーディオ機器やテレビからスタートし、現在はゲーム(PlayStation)、映画製作(ソニー・ピクチャーズ)、金融(ソニーフィナンシャルホールディングス)など幅広い分野に進出しています。

SONYのサイトで、「ソニーストーリー」として紹介されています。2024年5月下旬に発表されたニュースリリースによると、「ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画の3つのエンタテインメント事業は、2023年度のグループ売上高の約6割を占める」そう。2021年にグループアーキテクチャー再編を行いました。このリリースによると、今後エンターテイメント分野に注力している様子が伺えます。「IP価値最大化」についても触れられています。IPビジネスについては、下記のnoteもぜひご覧ください。

ここで、SONYの企業CMを見てみましょう。2021年の再編時と比較すると、アニメやゲーム、VRの製品が出てきているのが特徴的です。

三井物産

グローバルな規模で事業を展開している例の1つに、三井物産が挙げられます。エネルギーから農業、ICT、金融など、幅広く事業を手がけています。ぱっと見、何が主力の事業なのか分からないくらいです。ここまで幅広く事業を手がけていると、三井物産で働く人にどのような共通点があるのかが気になるところです。

三井物産ではミッションを「世界中の未来をつくる」に置き、採用ポータルサイトで「志」と名付け紹介をしています

三井物産の中期経営計画の発表はこちら。


Google(アルファベット)

Googleは検索エンジンからスタートし、現在は広告(Google Ads)、クラウドコンピューティング(Google Cloud)、モバイル(Android)、自動運転技術(Waymo)など様々な事業に展開しています。最近では生成AI(Gemini)も話題ですね。

Googleは各サービス(特に最近ではGoogle PixelやGoogle広告)のCMをよく見かけますが、このnoteの執筆時点の1ヶ月前にCEOからの発表会が公開されていました。Geminiの発表に注力されていたイメージです。

約2時間のverはこちら。

Amazon

書籍のオンライン販売から始まり、今ではeコマース、クラウドサービス(AWS)、AI(Alexa)、デジタルコンテンツ(Prime Video)、物流、ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開しています。

Amazonに関しては、コーポレートに関する動画はYouTubeになかったのですが、レポートのページがあったので載せておきます。


事業を多角化させようとし、失敗し、単一事業に集中している事業の例

以下は、事業多角化がうまくいかず、単一事業に集中することで成功を収めている企業の事例です。

ヤマハ

1980年代、音楽関連や産業機械、航空機などに進出するも、主力事業とのシナジーが得られず撤退。現在は二輪車、マリン事業(船外機、ボート)に集中し、世界的なシェアを確立。

コダック

1980年代からフィルム事業以外の分野(化学品、医療機器、家電など)に進出するも成果が乏しく、多くの事業から撤退。コダックの失敗話は、富士フィルムの成功話と比較してよく語られています。現在はイメージングとプリント技術に集中し、特に商業印刷と関連技術での収益を確保。

LEGO

1990年代後半からテーマパーク、電子玩具、アパレル、ビデオゲームなどに進出するも、多くの事業で損失を出す。その後、玩具ビジネスに集中し、特にブロック玩具でのクリエイティブな商品開発とライセンスビジネスでV字回復を果たします。

2021年に本も出ているので、ぜひご覧ください。

The Wall Street Journal(WSJ)でもインタビュー動画が公開されています。

ニンテンドー(Nintendo)

元は花札の会社として知られていた任天堂ですが、異業種参入で失速した企業の一例です。

1960年にタクシー事業に参入し、「ダイヤ交通株式会社」を設立するも運転手の労働組合と決裂し1969年に撤退。1961年に「三旺(サンオー)食品株式会社」を設立し、インスタントライスを開発したりしましたが1965年に撤退。そのような中、1965年に入社した横井軍平が仕事の暇な時間を使って開発した玩具が大ヒットとなり、玩具ビジネスへ参入していきます。


企業の経営戦略を調べてみると面白い

今回のテーマは私自身かなり興味のある話だったので、様々な企業の事例を調べてみました。各企業の各期の決算発表を見るだけだとややつまらないのですが、企業がたどってきた歴史を踏まえて調べてみると、なぜその事業に力を入れているのかが理解しやすくなります。

これらの企業を調べていく中で、
・楽天(モバイル事業)
・サイバーエージェント(メディア事業)
も面白いなと思いましたので、後日調べてみます。


MARPSマーケティング講座シリーズのnote

有料noteでこうした企業の戦略を調べてみたりしています。よろしければぜひご購入ください。


ほかSNSでも、ぜひ繋がりましょう!
・X:https://twitter.com/ichito0123
・Treads:https://www.threads.net/@ichito0123
・Podcast「日常を旅するラジオ」https://note.com/nichitabi

この記事が参加している募集

読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。