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ひとことで言い切れない、ブランディングの世界

こんにちは。

先日、著者の西澤さんより「ブランディングデザインの教科書」を頂戴しました。遅くなりましたが、noteに感想等々書き残します。


そもそも「ブランディング」とは何か

「ブランディング」と聞いて思いつくイメージはなんでしょうか。
例えば、高級なブランドバッグも「ブランディング」の代表例と言えます。

ルイヴィトン、コーチでも全くイメージが違います。
シャネル、資生堂、イヴ・サンローランでも違います。
それぞれのブランドに、それぞれのファンがいます。そして、そのブランド品を身につけることで、皆さんご自身の性格だったり考え方を反映しているように私には思えます。

「ブランディング」の定義について、著者の西澤さんは下記のように定義づけています。

【ブランディング】
ブランディングには、他と区別する、という意味がある
その企業の活動が他ときちんと区別できればいい

冒頭に例を挙げたブランドバック。そのバッグを持っていることでステータスを表したり、「自分はこのブランドが好きだ」と主張していることになります。他にも化粧品であれば、この化粧品でないとダメ、と考える方もいます。その方々は、そのブランドのファンです。

西澤さんの考え方をもう少し具体的に落とし込んでみます。


時代の流れに合わせて変化するブランドの在り方

昔から有名なブランドは、創業時の考え方を維持しながら時代の流れに合わせて変化させています。

例えば、グッチは先日ドラえもんとコラボした商品を展開していました。

人気化粧品ブランド「ポール&ジョー」とUNIQLOがコラボしてのUniqlo Tシャツも展開しています。

一見「え?このブランドがこのブランドとコラボ?」という驚きがあります。最初の例に挙げたグッチとドラえもんのコラボは、個人的には最も驚いたコラボでした。老舗ブランドとポップなキャラクター(しかも日本に馴染み深いキャラクター)がコラボすると、グッチのイメージが崩れてしまうのでは、と思ったのです。

冒頭にご紹介した書籍の中で、西澤さんはこのように述べています。

ブランディングとは、デザインを作って終わりではないこと。差異化している状態づくりにこそ本質がある
※差異化→区別と違って、きちんと本当の価値を伝えきるところまでいかないと生き残っていけない時代


現代で言うブランディングとは?

ブランドバック、化粧品など、世界全体でモノが溢れ、「質」に焦点が当たるようになりました。

もう市場が成熟してしまっているので、「この機能がある」程度では顧客は購入しなくなりました。
・どこにこだわりを持って作っているのか
・どのような考え方の元に商品を作っているのか
そして、最近では商品の背景を紹介する「ストーリー戦略」での紹介もSNSはじめ多くの企業が紹介するようになりました。そうでないと、埋もれてしまうからです。

※ストーリー戦略についての本を読んだ際、こちらにまとめましたのでぜひご覧ください。

ただ、「ストーリー戦略」でブランドを認知させていくとしても、かなり飽和状態に来ていると私は考えています。
Youtubeで発信するのも、多くの方が発信しすぎて情報過多。レッドオーシャン状態。

ここで視点を変えるために、西澤さんの言葉をお借りします。

商品の本質的価値が人から人に伝わるような「伝言」現象が、ブランディングで1番大切

単にSNSで「ストーリー戦略」を打ち出したとしても、一方通行の情報伝播でしかないと感じるのです。そこで顧客の反応を見る。それがSNSの良さを生かしたブランディング戦略だと思うのです。

それを繰り返すことによって、自社の顧客のニーズを明確化し、その顧客に応じた商品を展開していく。これが「差異化」なのかな、と私は考えています。

例えば、SNSを超えて顧客との「コミュニケーション」を進め、ブランディングを進めている事例がありました。

Panasonicさんは、noteでの投稿を通してユーザーとのコミュニケーションを図っています。noteのユーザーの反応を通して、Panasonicで何ができるか。例えばその答えが、noteとPanasonicとのコラボであったり、ショールーム「パナソニックセンター東京」での特別企画であったりしたわけです。
(パナソニックセンター東京には、私が小学生の頃家族で遊びに行った思い出があります。当時ガラケーを持っていて、でもタッチパネルで遊べるエリアがあってとても感動したのを覚えています。)

私が思うに、noteをはじめSNSで発信→共感(いいね!など)→シェア(拡散)→それを企業担当者が見る→事業に還元する→発信…のサイクルによってブランディングが進んでいく。そしてこれが西澤さんの言う「伝言」現象なるものだと思うのです。


ブランディングの切り口も変化し続ける

これまで、商品やサービスなど目に見える形でのブランディングの事例を紹介して来ましたが、これからの時代は「経営」「組織」「働き方」そして「生き方」までもブランディングできる時代になる、と私は考えます。

西澤さんもお仕事の中で重きを置いていらっしゃるのはこの部分だそうです。

「働き方改革」に代表されるように、そしてこのご時世もあり本当に企業でサラリーマンとして生活することが「正しい」と言える時代ではなくなりました。個人が自由に生活できる時代になりつつあります。
ですが、あくまで資本主義の世の中なので自分の力で仕事を勝ち取っていかなくてはなりません。

転職活動をしていますが、面接官に共通して聞かれることは
・自分は何がやりたいのか
・自分は何をやってきたのか、どうチームに貢献したのか
という2つの点です。

会社の傘に入って生きていくよりも、自分で動くことができる人が評価される時代になって来たように思います。

そして個人に限らず、企業としても「なぜその会社でその商品を販売するのか」に焦点が当たるようになりました(「ストーリー戦略」の話と少し似ているかもしれません)。

そのための「ブランディング」も重要になってきました。

ブランディングの言葉、定義も多岐に渡るようになったように思います。

この本を読んでみましたが、私の中で「ブランディングとはこういうことだ!」とまだ言えるほど、徳を積めていないなぁと感じた次第です。
だから引き続き、ブランディングについて色んな本やプロの方々の考え方を聞き、自分なりに答えを出していきたいと思います。

そう思わせてくれた本でした。

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ここまで読んでくださりありがとうございました。
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普段は、事業のデザイン担当としてデザイン周りを勉強しています。

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