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シニア世代へ向けたフットケア


フットケアとは足のマッサージだけを示すものではありません。

足の爪や皮膚などへのケアを通して、日常的に生活を営む上で行われている動作やQOLの維持向上にも繋がる身体のケアのひとつになります。


なぜシニア世代にフットケアは必要なのか?

皆さんにこちらの、いくつかのデーターを参照していただければと思います。

【65歳以上の要介護者等の介護が必要となった主な理由】
 
1番多いのは認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱。

次に「骨折・転倒」という順というデータがあります。

 詳細は下記、内閣府HPをご参照ください。



【不慮の事故による死亡者数の内容と割合】

転倒、転落における死亡者数が緩やかに増加しています。死亡率の高い高齢者が増加していると厚生労働省のHPでは検証されています。

詳細は下記、厚生労働省HP不慮の事故による死亡事故統計の概況をご参照ください。



こちらでは、家庭内における転倒、転落において「スリップ、つまづき及びよろめきによる同一平面上での転倒」による不慮の事故での死亡率の割合が非常に高いということが分かってきます。


私はこれまで介護福祉士や介護支援専門員、相談員として特別養護老人ホームに勤務してきましたが高齢者が転倒することを100%防ぐことはできません。もちろん転倒の要因となることを予め防ぎ対策するという努力は常日頃からスタッフ間で行います。これらのことはご家族にも入居や担当者会議の際にも情報提供と同意を得るということを繰り返し関係性を築いてきました。


ただ、

伸び過ぎている足の爪
  (介護士、看護師さんも切ることができない肥厚した爪や巻き爪)
足に合っていない室内靴
足部の皮膚のトラブル
足のゆび同士の重なりや密着

などといった、これらの足部に関することが要因となり安定した歩行や立位保持ができない。それは少なからず転倒にも関連してくる場合もあるのです。



下記は、山下和彦先生らによる『高齢者の足部・足爪異常による転倒への影響』の研究論文になります。

こちらでは、足部や足爪に異常があることで下肢機能を低下し転倒リスクが高まるという因果関係があると考えられると記されています。



このようなことを知らなければ知らないで済まされるのかもしれません。しかしながら、フットケア関連の業に就いている方も日本では増加している中で介護職などの高齢者に携わるお仕事をされている皆さんにも求められていることもあるのだと思います。そして『知らなかった』では済まされないことも、もしかしたらこの先訪れこともあるのかもしれません。

また、ご自分のおじいちゃんやおばちゃん。お父様やお母様などにも足に視点を向けたケアを介入していくことでフレイルや要介護状態等の身体や暮らしに起こる負の連鎖を回避することもできる場合もあるのです。



【hitokitashavelが目的とするシニアへのフットケアとは】

おひとりおひとりの高齢者の有する身体の機能や能力を最大限に発揮するために、足の爪や足部の皮膚などのフットケア(足へ視点を向けたケア)を取り入れていくことで高齢者の「できること」や「快楽」にも通ずるADLやQOLの維持向上。そして自立を支援していくための身体のケアの一部だと捉えています。

ADLの維持向上を図るには、おひとりおひとりのその時の心身の状態に応じ困難な時期もあります。その時に何が最善のケアなのかをご本人、ご家族、介護職様などともフットケアの観点から情報共有をしながら足のケアを通して心身のケアへのお手伝いができればと思っております。

そして、お元気な時も看取り期(ターミナル期)の時でも心地良さや清潔感のある皮膚状態でいられることで、より良質な暮らしを営むシニアが増えていくことを目指しております。




【フットケアの方法とは】

・コミュニケーション 

 非コミュニケーションも含めたコミュニケーションが何よりも前提にきます【ADL・QOLの維持向上】


・足部の観察

 足部の皮膚や爪などの異常の早期発見に繋げるため【ADL・QOLの維持向上】


・足部(皮膚、足爪)を清潔にする 

白癬菌等の皮膚トラブルの予防、皮膚のバリア機能の低下等を防ぐため。身だしなみを整えるため【ADL・QOLの維持向上】


・足部の保湿 

足趾や爪を保湿することで皮膚や爪の機能を活かすため【ADL・QOLの維持向上】


・爪を整える 

おひとりおひとり応じた爪の長さや形に整えることで歩行、立ち上がり、立位保持の安定性に繋げるため。傷、潰瘍形成等の予防。身だしなみを整えるため【ADL・QOLの維持向上】


・靴、靴下等の観察、選定 

安定した歩行や立位保持などに繋げるため【ADL・QOLの維持向上】


体操 

足部や上半身の体操により足部機能、身体の機能低下を防ぐため【ADL・QOLの維持向上】


セルフケア指導など 

高齢者ご自身でできる方にはご自分のペースで体操を行ってもらったり、理想的な爪の切り方などができるように自立を支援していきます【ADL・QOLの維持向上】


このようにフットケアはADLやQOLにも関連してくるケアでもあります。



【hitokitashavel manabiba フットケア講座】

・足の爪切り教室 (ご家庭向きの内容)

・現役介護士・看護師様向け手足の爪切り基礎講座

・高齢者へのフットケア講座<各種団体様向け>(対面型・オンライン型)
 


*2022年は個人様、団体様向けに講座のバリエーションを広げていく予定でおります。今暫くお待ち下さい。



【講座や研修受講の対象】
・高校生から可能です。(個人での講座へのお申込みの場合は保護者の方からの同意が必要になります。)

・年代問わず共通する内容もありますので、ご依頼主の団体様に応じて研修内容は構成することも可能です。

【受講方法】
・講座、研修に応じて開催方法が異なります。
・実技を伴わない講座、研修は対面型或いはオンライン型よりいずれかを選択することができます。

講 師
約14年特別養護老人ホームでの介護福祉士、介護支援専門員、相談員などとして高齢者介護の経験があり、ネイルサロン、フットケアサロンでの実技経験もある。現在は訪問にてシニア世代へのフットケアを行っているフットケアセラピスト(一般社団法人ひときたしゃべる代表理事 阿邊里恵)が担当します。介護福祉士、保育士、介護支援専門員、ホームヘルパー1級、ネイル検定2級、ジェルネイル検定上級、BSスパンゲ取り扱い者(巻爪矯正法のひとつ)、フットケア衛生管理士等の資格保有。


フットケア講座・研修の詳細は下記ひときたしゃべるHP、インスタグラムをご覧ください。



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