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根気より呑気でたのしむ外国語

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英語をはじめ、外国語のもつ “おかしさ”、“たのしさ”、“おもしろさ” について、のんびり気楽に書き留めていく。雑考。
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2020年6月の記事一覧

#73. 舐めてかかろう

#73. 舐めてかかろう

仕事していたら、近くに座るアメリカ人の同僚ふたりがいきなりアメを舐めはじめた。

(シャーベットペロ:税込み 32 円)

となりの席と後ろの席から、ゲラゲラした笑い声とともにやたら甘い香りが漂ってくると思ったら、こんな駄菓子をペロペロしながらふたりが雑談に興じている。

このふたり、絶対大学時代も周りを気にせず図書館でベラベラしゃべっていたようなタイプだな。(偏見)

特別な場合をのぞいて基本は

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#72. 光と闇の融けあう時間

#72. 光と闇の融けあう時間

すっかり日が伸び、夕暮れどきが後ろにずれ込んできている。

「夕暮れ」を意味する英語 twilight の成り立ちは twi- + light で、文字通りには "two lights"(二つの光)という意味である。

日が落ちる前の灼熱の赤と、刻々と近づく闇夜の黒が、融けあう時間ということだろう。

同じ時間帯を表す中国語の「黄昏」も、これと似た発想からできた言葉だ。

「黄」という漢字が「明る

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#71. 英語教育について話す人、についての話

#71. 英語教育について話す人、についての話

実はここ数年の悩みなのだが、自己紹介で「英語が専門です」と話すと、相手と別れるまでの間に必ずと言っていいほど、「日本人が英語を話せないのは ...... 」とか「日本の英語教育は ...... 」という話をふっかけられてしまう。

「あ~英語がご専門なんですか。いまは日本の英語教育も変わってきてるみたいですよね。昔は『訳して読む』形式の授業だったのが ...... 」

あ、いやちょっと待ってくだ

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#70. 「オムレツ」はむかし「オレムツ」だった

#70. 「オムレツ」はむかし「オレムツ」だった

毎日言葉に関わっていると「コミュニケーション」という日本語をよく耳にするのだが、これをよくよく聴いてみると、「コミニュケーション」と言っている人が多いのに気づく。

元となった英単語である communication のつづりを見れば、「コミュニ」の方が正しいのだが、どうも「コミニュ」派の方が優勢であるようにすら感じる。

これと同じことは「シミュレーション」にも言える。simulation のカ

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#69. イックネームはありますか?

#69. イックネームはありますか?

名前は忘れてしまったのだが、むかし「笑っていいとも!」にケータイの誤変換を紹介するコーナーがあり、

「いま髪とかしてるから待ってて!」と打とうとしたのに「いま神と化してるから待ってて!」と変換されたという話に、兄と一緒に爆笑したのを覚えている。

本来なら「かみ/とかしてる」という風に分解されるべきところを、ケータイの変換機能が「かみ/と/かしている」と誤って分析した結果起きた事件だろう。

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#68. 礼儀正しいパイナップル

#68. 礼儀正しいパイナップル

以前 Twitter でこのような文が話題になった。ご存じの方も多いだろう。

見たことのない人も、いま読んでみて、驚いたのではないだろうか。

たしかにこの文章が言うとおり、人間は単語の最初の文字と最後の文字さえあっていれば、中の順番がめちゃくちゃであっても、問題なくそこにあるべき適切な単語を認識することができるらしい。

なお上の画像には「ケブンッリジだがいく」(ケンブリッジ大学) とあるので

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