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近世から現在までの日本史をざっと見てみると、
「ガラリと変わった」境目の年が
あるように思います。

≪江戸時代≫
◆1868年:「明治維新」約77年
≪明治・大正・昭和初期≫
◆1945年:「戦争終結」約77年
≪戦後日本≫

2023年時点で、ほぼ戦後日本も約77年、
「明治維新」~「戦争終結」までも
約77年ですから、折り返しとも言えますよね。

本記事では、近世から現在までの日本史を
題材に、個人・組織・文化・経済・政治、
そのあたりを書いてみようと思います。

江戸時代の「幕末」から「明治維新」と言えば、
「新選組!」とか「坂本龍馬が活躍した!」とか
そういうイメージが出てきますが、

そもそもの変革の直接のきっかけは
1853年の「ペリーの黒船来航」です。

もちろん、それまでにもちょこちょこと
欧米列強の「黒船」は来ていたのですが、
ここまで直接に、力ずくで開国させよう、
という脅威は初めて。

江戸幕府は戦争をしない、開国する、
と方針を固めて、条約を結びます。
日米和親条約と、日米修好通商条約。

これに世論というか、
様々の藩に分かれていた「志士」たちが憤慨。
「弱腰! 何をやっているんだ!」と。

挙句の果てに当時の最高権力者だった
大老、井伊直弼が暗殺されてしまう。
1860年「桜田門外の変」です。
…現在なら首相が暗殺されるようなもの。
あってはならないことが、起きた。

ここから約八年で江戸幕府が倒れて、
(実際には「大政奉還」で政権を返上し)
新しい政治の仕組みができていくわけですが、

その詳細は歴史の教科書に任せるとして、
本記事では、はしょって書きます。

一つ大事なことは、世の中が変わっても
実は土台の「地理条件・歴史の事実」は
変わっていない
、ということです。

どういうことかと言いますと、

「地理条件」とは国の位置のことを指します。
日本は島国。周りは海。
東に太平洋、ひいてはアメリカ合衆国、
西に大陸、ひいては東アジアの国々、
地理条件は、全く変わっていない。
明治維新が起こっても。

「歴史の事実」とは江戸時代までの歴史です。
基本は鎖国、地方分権の幕藩体制。
そういう政策を取ってきた過去は、
変わりようがない。

ただ、位置や事実は変わらないんですが、

「解釈」や「政策」を変えていく。
明治新政府が。
それにより経済や政治が変わり、
文化も変わっていく…。

もう少し具体的に書きます。

江戸時代、原則、大航海ができる
「大きな船」は作れませんでした。
ましてや「黒船」は作れない。
江戸幕府が、禁じていたから。

ゆえに貿易も限られた範囲で、
国の管理の下でしかできなかった(密輸除く)。
長崎の出島、中国とオランダのみ、です。

ペリーの黒船が来た時、
「尊王攘夷」が巷に渦巻いた。
外国勢力は追い出せ、
開国した幕府でなく朝廷を尊べ、と。

ですが、明治新政府はこの
尊王攘夷のパワーにはのっかったものの、
実際には「尊王開国」路線を取ります。

攘夷ではなく、文明開化。
欧米の「優れた技術や精神を学べ」と。
黒船、どんどん作る。留学生、派遣。

「話が違うじゃん!」と憤慨した
「攘夷の志士」たちは反乱を起こしますが
新政府軍に鎮圧される。
1877年の西南戦争で西郷隆盛も敗死し、
「富国強兵」政策が進められていきます。

政治と経済が、文化をも変えていく。
地理と歴史の「解釈」も変えていく。
こうしていわゆる日本の「近代化」
「国民国家化」が進んでいきます。


時は世界的な「植民地分割戦争」の時代です。
いわゆる「帝国主義」の波にのっかり
欧米列強風に海外に出ていく。

地理条件的には変わっていませんが、
政治・経済・文化が変わっていくことで
それまでの江戸時代の日本とは
がらりと変わっていったのです。

ただし。

人間と同じで、国も全部が
すぐにがらりと変わるわけがない。

その心の奥底は、性格は、変わらない。

「尊王攘夷」の精神が、復活します。
欧米列強、何するものぞ!
ひいてはアメリカ、イギリス、中国、ソ連、
手を結んだり離したりはありましたが
最終的にはいろんな国と争い、敗れました。

戦っている間には、文明開化はどこへやら、
「神風が吹いて勝つ」とか、
「月月火水木金金」とか、
野球のストライクを「よし!」と言うとか、

歴史の「解釈」を変えて、
文化までも変えてしまったんですね。

…それがまた、1945年から、がらりと変わる。

新しい憲法ができる。
基本、もう外征はしない。
地方自治も認める。

政治と経済が変わり、文化が変わります。
「鬼畜」から「ギブミーチョコレート」へ。
アメリカ合衆国は、頼りになる親分へ。

もちろん賛否両論はありましたが、
日米協調・平和国家として
戦後日本は「船出」していったのです。
当然、歴史の「解釈」も変えて…。


ただ、繰り返しになりますが、
地理条件は、変わっていません。

戦後日本は、この地理条件を活かし、
港をどんどん作り替え「加工貿易」、
つまり資源を輸入して商品を輸出する、
そういう路線を突き進みます。
経済大国になりました。

これが、1990年頃までのこと。

…ただ、この「失われた30年」ほどで
だいぶ、変わってきていますよね。

中国の台頭、米中の板挟み、
国内生産の空洞化、
バブル崩壊で不景気、情報革命、
コロナ禍に元首相の銃殺事件まで起こり…。

世界的にも国内的にも
戦国乱世か幕末か、という状況です。
しかし政治の仕組みは基本、変わっていない。
地理条件も変わっていません。

となれば、

まず変えていける可能性があるのは、
文化であり経済であり、組織であり、
そして「個人」なのではないでしょうか。


いつの世も、まず勇敢な冒険者たちが
個人的に道を切り拓き、
それにフォロワーが続き、

文化が少しずつ変わり、経済が変わり、
ひいては政治が変わっていきました。
歴史の「解釈」も変わっていった。

リセットボタンですべてが一瞬で
がらりと変わるということはない。

私は本記事で1868年と1945年を挙げましたが、
政治的な出来事はあったものの、
全部一気に変わったとまでは言えないのです。
徐々に、気づかぬうちに、変わっていく。

2023年、戦後日本の船出から約78年目。

変わってきているものと
変わらない、変わりにくいものがある。

そんな中、一つのささやかな行動として、
私は「実用地歴提案会ヒストジオ」をつくり
地理や歴史を、行動に少しでも
活かしていただけるよう、提案しています。

なぜなら、地理や歴史を知り、
解釈の変遷を知り、効果的に使うことこそが

移り変わるこの世の中を生き抜く
「土台」「土壌」だと思うから
です。

(土中にあるので、
なかなか日の目を見ないのですが…)

そのうちの表現の一つが、
SNSの投稿であり、小説の連載です。

最後に、読者の皆様にお聞きします。

財力や権力と、どう付き合いますか?
個人と組織を、どう動かしていきますか?

変わりゆく世の中の中で、
皆様はどう行動していきますか?


よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!