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読書感想:「JAZZことはじめ」

こういう事を知りたかった、というのが全て詰まってた。

「JAZZやブルースはホントはどこから来たのか」

「黒人をルーツとするなら、なぜアフリカにその源流・原形が見られないのか」

「なぜ、西洋文化が生んだ楽器(木/金管楽器・打楽器・弦楽器)を使った新しい音楽を、奴隷と差別のもとにあった黒人が生み出せたのか」

私が昔から抱いていた、JAZZやブルースに対するコアな部分での疑問が、全て解けました。

ブルースもJAZZも、単純に、黒人だけで生み出したわけではない。同じように差別されていたアイルランド移民、ヨーロッパ移民も絡んでいた、南北戦争も大きく絡んでいた、というのが分かり、長年釈然としなかった部分がスッキリ。

音楽の、最初の異文化フュージョン(融合)がブルースでありJAZZであったのだな、と私は解釈しました。

これはまさに移民の国アメリカの歴史。アメリカからしか絶対に生まれなかったのだ、というのが良くわかります。

「JAZZ」という言葉の本当の由来は諸説ありますが、私はこの本が推す「JASS HOUSE MUSIC(売春宿の音楽)」説を支持します。音楽の歴史だけでなく、アメリカの歴史などを幅広く踏まえて知ると、そうとしか思えないからです。

ルーツを支持する視点でJAZZを捉えると全てがストンと腑に落ちる。で、なんだかとても人類の歴史や開拓の根源を考えさせられるというか、人間臭いルーツだな、と思ったりするわけです。



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