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「大きな森の小さな伝説(ものがたり)」 さだまさし

↑動画にリンクします。

失われた20年という言葉が世の中を賑わせたことがありました。1990年ごろからの20年ですから、2010年ころまで。2010年は、ついこの間のように思えますが10年も前のこと。

この時期は、リーマンの影響か、就職市場も短い売り手市場は終わり、内定取り消しなどが話題になっていた時期。

さらに、2000年代からを振り返ると、都市化、一極集中化、核家族化から生まれた家族問題もまた新たな局面を迎えていて、違う側面から社会的な問題にもなっていました。(天童荒太さんの書籍など)

また、2010年ころは、高齢化社会を見据えて医療では終末医療なども話題になってきていました。高齢化問題ですね(映画「おくりびと」など)

こういった時代背景をもとに、2002年に発表されたのが「大きな森の小さな伝説(ものがたり)」。

✳︎曲自体は1980年には完成していたようです。公式音源化が2002年。

80年代初頭、きっとこういう家族の風景は当たり前のものだったんでしょう(今以上に)。現代では、この家族の風景が「憧れの風景」になってしまっている。そんな時代の流れの悲しさも垣間見えてきます。

この作品は、「親父の一番長い日」で感動的なストリングスを指揮した山本直純さんからの依頼で温めていた楽曲だったそうです。おそらく舞台は軽井沢でしょう。

都会を離れ、田舎で自分たちの家を建てて、周囲の自然とともに暮らす。未来を予期していたようなドラマ「北の国から」の五郎さんのようにも思えますね。

喪失しつつある父権をあえて歌った「関白宣言」、

完全に喪失してしまった父権を歌った「関白失脚」、

そして、父権とかそういうものは関係なく、家族の新しい生き方(これもまた多様化の一種)を綴ったのが「大きな森の小さな伝説(ものがたり)」という見方もできますね。

人間が集って暮らす単位である家族。

時代がどんなに移ろいゆこうとも、変わらないものはたくさんあって。その一つが「家族の絆」。

大きな社会の中にあっても、この最小単位だけは守っていきたい。この最小単位から始まる物語を大切にしたい。

そんな思いがこもった楽曲の様に感じます。

◆食彩アドコムさまのリクエストにお応えしておりました。

◆第1弾


◆第2弾





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