暑い夏。どこか涼しい場所で、寝そべりながら聞いていたい作品。~ 「A Sigh of Ghost」高橋幸宏
テクノというジャンルは、無論、テクノロジーという言葉の略であり、それが音楽の1ジャンルにまでなってしまったという事実は、このジャンルで名を馳せたアーチストの貢献によるものと捉えてよいと思う。
本年度のフジロックにて、ドイツのテクノグループ、クラフトワークが坂本龍一を追悼したのも記憶に新しい。
テクノというジャンルは、クラフトワークに始まり、YMOに帰結したと言えるのかもしれない。テクノは音楽的な装飾・音色のことを指すのであって、だからこそ人間の性質としての洋の東西を問わないのだともいえる。
YMOには、坂本龍一、細野晴臣、そして、高橋幸宏がいた。高橋幸宏はその大部分の音楽的根幹にはテクノの名残があったような気もするが、今回のこの作品は、その根は感じさせつつも、どこかゆったりとした日常を想起させることで、彼のもう一つの側面に迫っている。
「犬になれたら」という楽曲は、もしかしたら彼が理想とした日常を歌っているのかもしれない。
暑い夏。どこか涼しい場所で、寝そべりながら聞いていたい作品だ。
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