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あれこれと考えているうちにいろんなことが起こるのが人生なんだ 〜 ジョニ・ミッチェル 「Both Sides Now」


Both sides

物事を異なる側面から見つめてみる。

それは、言うならば、多角的、多面的という言葉になるでしょうか。この二つの意味の違いを調べてみると、

■多角的

「多角的」は「角」という字が使われていることからも分かるように「多くの角度」といった意味合いがあります。

一つのことに対していろいろな角度がある、要するにそれぞれの立場があるということになります。「多角的な視点」とよく使われています。

例えば企業が新しいプロジェクトを行う際に「お客様の視点」「企業側の視点」「以前のプロジェクトからの視点」など、それぞれの視点を考える際に「多角的な視点で考察する」と使います。

■多面的

「多面的」は「面」という字が使われていることからも分かるように「多くの側面」といった意味合いがあります。

「多角的」は一つの物事や事象に対する様々な角度、視点を表すと言いましたが、「多面的」は一つの物ごとや事象の様々な側面や在り方があり、見方がいろいろな方面にわたっていることを表します。

「多面的な魅力」とよく使われています。例えば新しいRPGゲームが開発された際に「映像の美しさ」「ストーリーの楽しさ」「動きのなめらかさ」「音楽の綺麗さ」など、一つのゲームに対してたくさんの魅力がある場合に「多面的な魅力がある」と使います。


今回ご紹介する曲のタイトルにあるBoth Sidesは両方の意味合いを含んでいるように感じます。

Both sides now

この曲の主人公が、Both Sidesから眺めている対象は、雲や、愛や、人生といった形のないもの。

雲は様々な形に姿を変えていきます。数秒単位でがらっと変わっていく。雲を見ながらアイスクリームのようだと思っていたら、次は綿飴のようになっていたり。

雲の姿・形だけをとらえるなら微笑ましいのですが、雲は厚みを増すと、太陽の日を遮り、豪雨や豪雪をもたらすなどマイナスの側面が顔をもたげてくる。

これは愛や人生にも言えることなのではないでしょうか?

一つの物事や事象に対する様々な角度からの視点があり、さらに、一つの物ごとや事象の様々な側面や在り方がある。

捉え方がいろいろな方面にわたっていて、予測できないし、いつも突発的なことが起きてしまう。

故に、この曲では、そのことを指して「私は、雲のことをきちんと理解していないように、愛や、人生の事も全く分かっていない」と歌われています。

大好きな写真家・星野道夫さんの友人が語った言葉が思い出されます。

「Life is What Happened to You , While You Are Making Other Plans」
「あれこれと考えているうちにいろんなことが起こるのが人生なんだ」
↓個人的意訳
「人生とは、縁が新たな縁を呼び、予想もできない方に動いて行くもの。」

厳しいアラスカの気候の中で暮らす現地の方の言葉です。

まさにこれが、この曲の主題とマッチするような気がします。

そういう意味では、我々は、愛や人生をきちんとわかっているとは言えない。

でも、その不透明、不鮮明さ、、、予測できない部分、、この要素があるからこそ、凹凸が、つまり、波が、、揺らぎが生まれ、そこに「人生に時折り起きる奇跡」のようなものが生まれてくるのでしょう。

さながら人生は予測できないミステリーのようでもありますね。先が読めていては面白くない。

そんなことを、感じることができれば。。。愛も人生も、わからないが、実は身体のどこかで本能的にわかっているということになるのかもしれません。


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