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新人社員さんに「自分の頭で考える時間」を用意できていますか?

先日、ある企業さんの教育育成をご担当の方とお話しする機会がありました。
この方は、営業部門に配属される予定の新人社員さんの研修や育成を任されています。
この方、まだお若いのですがとても一生懸命で新人社員さんへの思い入れも愛情も深いことが伺えます。
そして、会社の売り上げに直接貢献することになる新人営業さんのお世話に余念がありません。

「Hanikoさん、僕は今期の新人さんへの研修でこんな内容の研修を考えています。今までは○○をしていたけど、今後は△△という研修も取り入れてみようと思っているんです。
それから・・・。それから・・・・。」

新人社員さんの入り口となる研修を担当されているので、試行錯誤しながら新しいコンテンツをたくさん考えていらっしゃるようでした。

はじめ私は、彼のお話を「うんうん、それで?」と聞いていましたが、はたと何か足りないような感覚を覚えました。

新人社員さんは始めは覚えることばかりなので、企業の教育担当者の方はスキーム化されたコンテンツをつくることは必須でしょう。

しかし、その情報を新人社員さんが消化する時間や方法が抜けていると感じたのです。

「あの~、インプットする研修ばかりのようですが、それで新人社員さんは自分で考えて行動することができるんですか?」

新人社員さんは、模範営業を座学でインプットしてから、ロールプレイングなどでアウトプットして営業の練習をします。
言い回しが今一つの部分などをフィードバックで指摘され、細部を模範に合わせていく・・・。

目に見える物品を販売するのであれば、この研修でも充分かと思います。
しかし、この企業では取り扱う商品は、お客様の価値観を想起する目に見えない商品です。
お客様ファースト(お客様の意向を伺ってからの商品販売・営業)を大前提に企業活動を行うと内外に宣言されています。


実際の営業場面では「ひとりひとりの思考の裁量」に結果が大きく左右されるはずです。

であれば、「頭」でインプットした研修での情報を、納得感が生まれるまで自分で考え「腹」落ちさせる時間が必要ではないかと感じました。

感じて、
考えて、「腹」に落ちたなら、そこから自分でアレンジも可能です。



お客様寄りの営業手法のひとつとして、
「質問を利用してお客様の脳に空白を作ってもらい、ご自身で考えて必要な商品を購入いただく」という研修もこの企業では行っていらっしゃいました。


まだ若い研修担当の彼が、ぼそっとつぶやかれました。

「新人社員に対しては、
”お客様に質問をして考えて選択してもらい、営業成約率を上げていく”
という研修をしているのに、僕は目の前の新人さんに考える時間を作っていなかった気がします。」



新人社員さんは、まだ新しい環境への感受性も強いでしょう。
そして、自分が選んだ仕事に夢中になったり、仕事に矛盾を感じたりしながら成長されるのだと思います。

その五感で感じた感情を、安心して放出する場を作ってみることを提案しました。

答えを求めない研修です。

研修で最後に答えを与えると、受講者の皆さんは研修が完結されたとして、テキストを閉じます。
そして、そこから忘却の時間に入ってしまいます。

考える時間を作るということは、テキストが閉じられない時間を作るということです。
正解のない答えは自分で考えて、腹に落ちるまで何日もかけていいんだと思います。

誰のためにこの仕事をしているのか?
お客様への最善の提案とは何なのか?
仕事の成果とは何なのか?
日々の行動が自分の成長につながっていると感じられるか?

「テキスト」を閉じない(=頭の中に空白を作って)で、数日考えていると、少しずつ自分自身の考えの形が腹に落ちてくるのではないかと思います。

自分自身の考えに「芯」ができると、お客様や周りの人にも、影響力のある存在であることができるのではと考えています。


ご縁のあった若い研修担当者さんと一緒に、企業内の育成に試行錯誤させていただけている環境に、私も大いに感謝しています!!

「ひとりひとりが、仕事で成長できる環境を作っていく」

これが、私の今の仕事です(^-^)。






皆さんに支えられて、noteを継続することができています (^-^) これからも皆さんの応援ができたり、ほっこりしていただける発信をしていきたいと思っています。