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パリ郊外サン・ジェルマン・アン・レーに行く

パリ12日目。今年初め、仕事の面接で最終段階まで進み、フランスに移住するかも、と思った時期があった。パリに移住するなら、とまず初めに調べたのが子供の学校。英語とフランス語で学べる学校をパリで探したところ、殆ど私立しかない。学費のことも考えて公立を希望したが、公立ではパリ郊外、サン・ジェルマン・アン・レーにあるインターナショナル・スクールしかなさそうだ。ここでは日本語やその他の言語で学べるプログラムもあり国際色豊かで、学校としては非常に魅力的だ。パリに移住するならここが有力な候補だと思って、この郊外の街について調べていたりしていた。

結局その仕事は決まらず、今のところフランス移住はなくなったが、将来もしものためにこの街を見ておこうと思った。パリ中心のオペラ駅から郊外行きの電車RERに乗って約30分。学校に行くにはそこから更にバスに乗って15分。バスや電車を待つ時間も入れると学校まで約1時間半ほどかかる。

サン・ジェルマン・アン・レーの駅近く

駅から出ると静かな郊外の街が広がっていた。駅の周りは小さな商業地帯でお店などもあるが、それ以外は閑静な住宅街。スーパーなども近距離にはなさそうなので、殆どの人が車生活をしているのだろう。

坂を登ったところに、インターナショナル・スクール(Lycée international de Saint-Germain-en-Laye)があった。校舎は閉まっているので外観を眺めだけだが、確かに立派な学校だ。ただ、パリ市内からは思ったより遠く、駅からバスで15分というのも不便だ。

サン・ジェルマン・アン・レーのリセアンテルナショナル

学校近くのバス停で20分ほどバスを待ち、バスとRERを乗り継いで早々とパリに戻る。サン・ジェルマン・アン・レーは緑豊かな場所で、散歩やハイキング、ピクニックに向いてそうだが、特に観光する場所はなさそうだ。

リセアンテルナショナルの外観

パリに来て12日目、そろそろ旅の疲れというか、中弛みのようなものが出てきた。パリは楽しい。でも娘も私も属するコミュニティーがないことの寂しさ、不安を感じ始めている。娘にはサマーキャンプや学校など、私には仕事場、など毎日決まって行く所があれば、また違った感覚となっていただろう。それがないとどこかで居場所のなさ、孤立感を感じるようになる。観光はいつまでも続けられない。1週間ほどで飽きが来る。それ以上滞在するなら、やはりコミュニティー作り、所属するグループ作りが精神上必要だと強く感じた。それは外国であれ、自国であれ同じだ。家族という帰る場所があっても、外に所属する場所がなければ行き詰まるだろう。

秋の始まりを肌で感じ、夏休みが終わりに近づいている寂しさも感じ始めている。またニューヨークの慌ただしい生活に戻ることの不安、もある。暇が多い故に感じるメランコリー。これを感じられることは、ある意味贅沢なことなのかもしれない。


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