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【台湾のジャズライブ】 玩弦四度Intersting Quartet
玩弦四度:Interesting Quartet
バイオリニスト黃偉駿がリーダーの、弦楽四重奏によるジャズアンサンブルです。この様なフォーマットのジャズの演奏は日本でもあるのでしょうか。バイオリンがソリストであることはよく見ます。しかし、弦楽四重奏がジャズを演奏するというのは、寡聞にして僕は知りません。
一体、弦楽四重奏によるジャズというのはどの様にやるのだろうと不思議に思っていたのですが、生のライブを聴くことができて、ようやく腑に落ちました。基本的には他のフォーマットのジャズアンサンブルと同じです。テーマの際には固定した演奏スタイルがあり、アドリブに入るとそれぞれのメンバーがソロをとる。
耳がそれほど良くはないので、アドリブの際のバッキングとテーマの際のそれが同じものか違うのかは分かりませんが、ソロの際にもバックはハーモニーを奏でます。
特徴的なのはチェロですね。ベースの役割をすることが多く、ピッキングで演奏をしリズムを担当してます。ソロになると弓を使うこともあります。チェロがクラシックと異なってこのような動きをすることで、自然にジャズのアンサンブルになっています。そもそもジャズにチェロが加わることがあまり多くないと思うのですが、この様に自在に役割を変えることができるのなら、チェロも充分にジャズで活躍のできる楽器であると思いました。
音楽はこのフォーマットなので、メロディアスなものが多いですね。弦楽四重奏なので、ハーモニーの美しさが際立ちます。他のジャズの演奏では聴くことのできないものです。
そして、ソロの演奏が始まりアドリブソロに入ってもハーモニーが繊細に計算されているという感じがします。ソリストの方で、ハーモニーに合わせたアドリブをうまく組み立てているのでしょう。
こういったジャズが演奏されているのには、黃偉駿がヨーロッパでジャズを学んだことが影響しているではないかと考えています。台湾のジャズミュージシャンの多くがヨーロッパ、主にベルギーとオランダに留学しています。そこで学ぶ音楽は、ヨーロッパのクラシックのエッセンスを取り込みこのような響きのジャズに進化しているのではないでしょうか。
ライブに参加すると、黃老師の軽妙なMCが楽しめます。日本人にはなかなか難しいですが、日本の落語の噺家さんのように、ちょっと頭を捻らないと分からないような冗談を連発し、聴衆の笑いをとっています。
その様子は、アンサンブルの仲間と一緒に、このような演奏を披露することができるのか楽しくてたまらないという風に見えて、非常に微笑ましいです。
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第一バイオリン:黃偉駿
黃偉駿のことは別のところでも紹介しました。ベルギー王立音楽院でジャズを学び、現在台湾でバイオリンジャズの第一人者として活躍しています。
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第二バイオリン:晴恩
晴恩は2代目のバイオリン奏者として玩弦四度に加わっています。クラシックのバイオリン教育を受けて、後に黃偉駿にジャズバイオリンを学んでおり、玩弦四度の第二バイオリンに抜擢されています。クラシックのバイオリンだけではなく、多様な音楽をこの楽器で演奏したいと抱負を語っていましたね。
玩弦四度以外でも、様々なアンサンブルでバイオリン奏者として活躍しています。
注:紹介している動画では第二バイオリンが劉洧忻の演奏のものもあります。
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ビオラ:葉棣綺
葉棣綺はフランスでクラシックのビオラ演奏を学んでいます。自己のギターとのデュオではジプシージャズを演奏していました。フランスの地でジャズの演奏に触れたのでしょうね。玩弦四度ではオリジナルの曲も発表しています。
非常に穏やかでシックな佇まいのミュージシャンです。
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La Main Couranteというクラシックの室内樂アンサンブルもやっています。
チェロ:葉俊麟
葉俊麟はチェロという楽器で、変幻自在に玩弦四度のアンサンブルを盛り立てています。ウォーキングベース、通奏低音、主旋律のどれもこなします。チェロという楽器の可能性を最大限引き出して演奏しているという印象ですね。
彼は他の様々なジャズやラテン音楽のアンサンブルでも活躍しています。
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露西亞咖啡
写真は露西亞咖啡で行われたライブの際のものです。このライブハウスは特にジャズの演奏に力を入れていて、ライブの他に毎週木曜日にジャムセッションを行っています。ジャムセッションとなるとインストの演奏が多くなるのが常ですが、露西亞咖啡でのジャムは常に歌手がいるのが特徴です。台北でジャズを歌いたい方は是非木曜日の午後8時に露西亞咖啡に出向いてください。
オーナーは作曲家/作詞家として有名な蔡伯南氏。自らの力で台湾のジャズを応援するためにこのスペースを運営しているそうです。非常に温厚な優しい紳士です。
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