島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブ…

島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブに頻繁に足を運んでいます。 ほかにも、街歩き、ハイキングと本屋巡りなどを楽しんでいます。

マガジン

  • 徒然の記

    Noteではテーマを4つ選んで文章を書いています。建築/音楽/歴史/中国語ですが、そのいずれにも当てはまらない記事もありますので、それをここにまとめておきます。 台湾で暮らしている中で遭遇した、あるいは感じた面白い出来事を紹介します。

  • 我如何學中文?

    僕の大学での専攻は建築でしたので、中国語の勉強は大学を卒業してから始めました。当初は社会人向けのコミュニティーカレッジで学び、それではなかなか上達しないので台湾の輔仁大學に半年の語学の勉強に行っています。その後、台湾で就職したり、日本で台湾/中国関係の建築プロジェクトに関わったりしながら中国語を学んできました。 ですので、大陸の羅馬拼音と台湾の注音符號のどちらも学びましたし、そのメリットデメリットも比較的よく分かります。多くの台湾人が注音符號で中国語を学ぶ方が正確な中国語を学ぶことができると言いますが、それにも一理あると考えています。 日本人が話す中国語を聞いていて、こんな風に勉強したらとか、こんな風に理解したらと思うことがいろいろありますが、専門ではないので折に触れて話題にするくらいです。そんな内容ですが、参考になることがあるかもしれないと思い、このノートに書き記しておこうと思います。

  • 台湾建築雑感

    建築設計・工事監理・コンサルタント業務を通して感じた、台湾人の考え方を紹介していきます。建築に関する設計と施工業務というのは、国が違うとこんなにも異なるのかということを知っていただきたいと思います。 FBで台湾建築さんぽというグループを作って、台湾の建物やランドスケープも紹介しています。こちらもご覧ください。 https://www.facebook.com/groups/716594165826694

  • 台湾のジャズライブ

    台湾で実際に足を運んで聞いた、特に特徴のある興味深いジャズライブの内容を紹介していきます。ミュージシャン、音楽の特徴、ライブ会場等について触れます。 FBで"台湾ジャズ指南"というグループを作っていて、こちらではタイムリーな台湾のジャズライブの情報などを発信しています。FBを利用している方はこちらもご覧ください。 https://www.facebook.com/groups/576457089563845

  • 学生時代のヨーロッパ旅行

    僕は大学3年生の終了時、一年間の休学をして、そのうち半年をアルバイト、そして残りの半年でイギリスへのワーキングホリデーとヨーロッパ旅行をしました。この旅行をしたことは、その後の僕の人生を大きく変えてしまいました。 既に40年近くも前のことになりますが、大学の時に実行したこの旅行のことを紹介してみます。

最近の記事

  • 固定された記事

台北ハイカークラブと曽根さん

僕は台湾の社会で、日本人として何ができるかを考えて生活しています。台湾の社会に何か貢献したい。一つは建築の仕事であり、一つは台湾のジャズ活動の応援です。ですので、僕の知った台湾のそれらのことを日本人にも知ってほしい。僕が情報発信をしているスタンスはそういうことです。 その様に考えた時に、異なったテーマではあるけれども、同じ様に台湾のことを積極的に紹介している人がいます。テーマは"台湾の登山とハイキング"、その活動をしているのは曽根正和さん。台湾ではMichaelさんと呼ばれ

    • 中華民国の国歌と国旗歌

      パリオリンピックの男子バドミントンダブルスで、台湾の李洋・王斉麟組が金メダルを獲得しました。国家斉唱の際歌われたのは、中華民国国歌ではなく、中華民国国旗歌でした。 中華民国の国歌 僕が、30年前に台湾に留学に来て中国語の勉強に勤しんでいたとき、映画館に映画を見に行くと、映画の始まる前に起立させられ、国歌の斉唱が義務付けられていました。そういう時代でした。 ですので、中華民国の国歌の歌詞は、何度も字幕を見て歌っていたのでよく覚えています。歌詞は次のようなものです。 この

      • 日本語と中国語で意味の異なる漢字のヴォキャブラリー(その一)

        中国語と日本語で、異なった漢字を使う表現、或いは同じ漢字なのだけれども、意味の異なる表現をピックアップしてみました。何故こんなことになったのか考えるのも一興です。 風流 日本語で"風流"というと、"雅やかである"とか、"上品である"とか、プラスイメージで使われることが普通です。 しかし、中国語になるとそういった良い感触の意味だけではなく、"色事に長けている"とか、もっと直接的に"スケベだ"とかいうマイナスイメージの場合も少なくないそうです。ですので、中国語で"風流"という

        • 【台湾建築雑観】建築計画/工事の常識の違い(そのニ)

          前回、建築計画と構造についての日本と台湾の常識の違いを紹介しました。このことについて書き始めると話題がいくつも出てくるので、後半を別の記事にします。後半は、設備計画と施工についての違いです。 設備「集合住宅のメーター類は玄関前にまとめて配置する」 この件については、設備編でガス、水道など個別に説明しました。要約すると、台湾では五大設備設計の審査が準公営の設備会社に委ねられており、彼らが検針をしやすい様に、1箇所に集中配置する様になっている。そのために設備計画としてはとても

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        • 徒然の記
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        • 我如何學中文?
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        • 明清交代人物録
          54本

        記事

          【台湾のジャズライブ】Jamsession on Sappho

          7月20日の、Sapphoのジャムセッションでの演奏です。ヴォーカルのアマンダが、かなりな快速を指定、ベースとドラムがこのスピードにノリノリで演奏してます。  ヴォーカル:Amanda Chen  トロンボーン:Michael Wang  ベース:謝宗翰  ドラム:林佳恩 Summer Time Route 66

          【台湾のジャズライブ】Jamsession on Sappho

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十六、トルコ)

          オーストリア編で書いた様に、トルコを渡ってオーストリアに来ていた建築士に、ミマール・シナンのモスクを見るべきだと強く勧められていたので、トルコではまずエディルネに向かうことにしました。 トルコの旅は、これまでのヨーロッパの旅行とはだいぶ勝手が異なりました。トルコはヨーロッパの文明圏とは違うと実感する旅でした。 エディルネ ブルガリアを抜けたオリエントエクスプレスは、トルコとの国境を抜け、緑のない乾いた土地に入り、朝早くエディルネの駅に着きました。 その駅の印象は、とても

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十六、トルコ)

          【明清交代人物録】洪承疇(その二十四)

          漢族による清朝に対する反抗の事例として2つの事件を取り上げます。これは、南明の王朝を立てて清に組織的に抵抗するのではなく、全く軍事力も組織力もないままで、ただただ清の剃髪令には服するわけにはいかないと、清朝に背いた市民の抵抗の事例です。 漢民族の剃髪令に対する反対は、清朝の統治時代の間一切止むことなく、清朝の滅亡まで続いているという見方もあります。 そうでなくとも、清朝初期の満州族王朝に対する反対運動は、短く見ても永曆皇帝が亡くなり鄭成功が福建から追い落とされる1661年ま

          【明清交代人物録】洪承疇(その二十四)

          モダンデザインのカフェ

          台湾にはリノベーションの心地よいカフェがたくさんあって人気があり、そういうお店がたくさん紹介されています。しかし、とてもモダンなスタイルのカフェも少なからずあります。 今回は、そんなモダンデザインのカフェを紹介します。 【ACME】 ACMEは、劍潭のMRT駅の前に完成した台北表演藝術中心の7階にあるカフェ・レストランです。 台北表演藝術中心は、レム・コールハースの設計したとても斬新なホール施設として有名ですが、この建物の中にカフェ・レストランがあるのです。最近の台湾の

          モダンデザインのカフェ

          三権分立、ではない?

          2024年、賴清德が新しく中華民国の総統となってから、立法院の権力を強化するという話題が持ち上がりました。立法院では野党の国民党が第一党であるため、立法院の権力が拡大すると、国民党の政治的な力が強化されるというわけです。 この話題を会社の同僚と話していた時に、てっきり中華民国でも日本と同じ三権分立制だと思って話していたところ、この同僚が、台湾は三権分立ではない、五権分立だと言い出しました。 台湾と関わる様になって30年が過ぎていますが、この様な話題になったことがなく、この"

          三権分立、ではない?

          【台湾のジャズライブ】蘇郁涵&郭俊育デュオ

          台湾のジャズピブラフォン奏者は人材が豊富で、アメリカに行って活躍しているミュージシャンもたくさんいます。その1人、蘇郁涵が2023年7日、台湾に戻ってきて演奏するというのでライブに参加してきました。デュオでアンサンブルするピアニストは郭俊育、今台湾で最も人気のあるジャズピアニストの1人です。 場所は、南京東路三段にある藝集生活。青田藝集と同じ系列の、ディナーのセット料理を食べてから、1時間のライブ演奏を行うというスタイルのお店です。 蘇郁涵 蘇郁涵は、オリジナル曲の複雑

          【台湾のジャズライブ】蘇郁涵&郭俊育デュオ

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十五、ユーゴスラビア)

          40年前のヨーロッパ旅行では、ソビエト連邦は健在で、東ヨーロッパはソビエト陣営。日本のパスポートを持っていると、西ヨーロッパはビザなしで自由に入れましたが、東ヨーロッパへの入国ははビザが必要でした。 ここまでの旅行で、共産圏に入ったのは東ベルリンだけでした。この当時、東ベルリンに観光で入ることは簡単で、西ベルリンから一日分の旅費を両替さえすれば、それで入国できました。 この当時のユーゴスラビアという国は、西側諸国とは少し距離がありましたが、ソビエト連邦の支配下にある東側諸国

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十五、ユーゴスラビア)

          "イパネマの娘"の曲分析

          "イパネマの娘"は、とてもポピュラーなボサノバの曲ですが、B Partのコード進行がとても特殊で、その部分の演奏が難しいと言われています。どういう理由でこの様なコードが使われているのか、何人かの先生に聞いてみましたが、納得した答えを得られませんでした。 ですので、僕が今のレベルでこの様な意図で作曲されたのではないかと考えていることを書いてみます。簡単なA Partから始めて、メロディーとコード進行をそれぞれ分析してみます。 【A Partのメロディー】 A Partのメ

          "イパネマの娘"の曲分析

          ジャズライブの聴けるカフェ

          僕は台湾の建築を紹介するのと別に、台湾のジャズ活動も色々と紹介しています。台湾でこのジャズのライブをカフェで行っているケースが少なくありません。これは、カフェのオーナーが基本的にカフェとしての経営をした上で、週末にミュージシャンを呼んでライブイベントを開こうという趣旨なのだと考えてます。 そういうことなので、いくつかのお店ではミュージックチャージはなく、コーヒーをいただくだけで2セットのジャズライブを聴くことができます。とてもお得感のあるライブです。 【Eidos Caf

          ジャズライブの聴けるカフェ

          Animal’s Shots in Taiwan

          台湾で、山でハイキングをしたり街歩きをしていると、色んな動物に出会します。それを撮った写真を集めました。 動物の種類までは分からないので、写真を紹介して、簡単な感想だけ書きます。 【昆虫】 【鳥】 【爬虫類】 【哺乳類】 【その他】

          Animal’s Shots in Taiwan

          齊柏林

          齊柏林。彼の名前を初めて聞いたのは、担当していたホテル案件での打ち合わせの最中でした。このホテルのウェルカムシーンの装置の一つとして、齊柏林の撮影した映像を用いるというアイデアがある。そのための壁面の処理をどうしたら良いかという相談でした。 台湾人にとっては、とても有名な誰でも知っている人物らしいのですが、僕は初めて聞いた名前で、齊柏林とは何者か、何も知識がない状態でした。 《看見台灣》 齊柏林の名前を聞いたことはありませんでしたが、巷に《看見台灣》というドキュメンタリ

          【明清交代人物録】洪承疇(その二十三)

          ここで、第二の南明王朝に進む前に、ドルゴンの選んだ政治的にハイリスクな政策、"剃髪令"について説明します。 剃髪令とは ここまで、洪承疇を主体に清朝の勃興してきた過程を述べてきました。それは、ホンタイジからドルゴンの時代、満州族が東北の地から離れて中国の中原に覇を唱えるにあたり、洪承疇の果たした役割はとても大きく、山海關の戦い、北京奪取の攻防などに彼が活躍しているからです。 しかし、満州族の考えと洪承疇のそれが一致しなかった場面も少なからずあったはずです。満州族のリーダ

          【明清交代人物録】洪承疇(その二十三)