島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブ…

島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブに頻繁に足を運んでいます。 ほかにも、街歩き、ハイキングと本屋巡りなどを楽しんでいます。

マガジン

  • 台湾のジャズを聴くようになって

    2018年に台北に派遣されてから、この街ではジャズの音楽活動がとても盛んなことを発見しました。そして,多くのジャズミュージシャンの友達ができ、台湾ジャズを紹介するFBのグループを作ったことから、さらに深く広く台湾のジャズに関わっていくことになりました。その結果、僕自身の生活が、東京で暮らしていた時と全く異なったものになってしまいました。 そんな、僕が台湾のジャズと関わることになってからの出来事をここで紹介します。

  • 台湾のジャズライブ

    台湾で実際に足を運んで聞いた、特に特徴のある興味深いジャズライブの内容を紹介していきます。ミュージシャン、音楽の特徴、ライブ会場等について触れます。 FBで"台湾ジャズ指南"というグループを作っていて、こちらではタイムリーな台湾のジャズライブの情報などを発信しています。FBを利用している方はこちらもご覧ください。 https://www.facebook.com/groups/576457089563845

  • 台湾の面白い建物

    僕は台湾の設計事務所で働いたこともあり、日本の設計事務所で台湾の建築師とJVを組んで一緒に設計業務に臨んだこともあります。そんなことから、台湾の現代建築をとても興味深く見ています。それで、暇をみては台湾のあちこちの面白い建物を見学に行ってます。 そんな中でも特にこれは面白いと思ったものをNoteで紹介します。日本では現在建築デザインが非常に保守的になっていると思いますが、台湾ではたくさんのおおらかなデザインの建物が実現しています。

  • 徒然の記

    Noteではテーマを4つ選んで文章を書いています。建築/音楽/歴史/中国語ですが、そのいずれにも当てはまらない記事もありますので、それをここにまとめておきます。 台湾で暮らしている中で遭遇した、あるいは感じた面白い出来事を紹介します。

  • 学生時代のヨーロッパ旅行

    僕は大学3年生の終了時、一年間の休学をして、そのうち半年をアルバイト、そして残りの半年でイギリスへのワーキングホリデーとヨーロッパ旅行をしました。この旅行をしたことは、その後の僕の人生を大きく変えてしまいました。 既に40年近くも前のことになりますが、大学の時に実行したこの旅行のことを紹介してみます。

最近の記事

  • 固定された記事

「Cross-Border 1624」

少し前のことですが、台南の国立歴史博物館で開催された「跨•1624:世界島臺灣國際特展」に行ってきました。1624年というのは、オランダ人が明の時代に澎湖島を占拠しようとして失敗し、その代わりに大員(Tayouan)の地、現在の台南にゼーランティア城を築いた年です。 この時代の歴史には特に関心を持って勉強してきたので、このテーマの展覧会は見逃すわけには行きません。3月中旬2人の友達に声をかけて台南まで見学に行ってきました。 この展覧会のことについては下記の記事でも紹介してい

    • 謝明諺の6月の日本ツアースケジュール

      2024年6月の、謝明諺の日本ツアーのスケジュールです。 謝明諺 台湾で最もアグレッシブにジャズの活動を繰り広げているサックス奏者です。毎年2回ほど日本でのツアーを行っており、2週間ぐらい東京関東近辺を中心にライブを行っています。 FBでの案内 6月11日 6.11 w/吉本章紘, 瀬尾高志, 落合康介 @代々木上原 hako gallery 6月12日 6.12 w/豊住芳三郎 @稲毛jazzspotcandy 6月13日 6.13 w/スガダイロートリオ

      • 【台湾のジャズライブ】Jamsession on Sappho

        2024年3月のSapphoのLate Night Jamsessionでのホストバンドの演奏です。この日は、普段からここのJamsessionで鳴らしている若手ミャージシャンがホストバンドを勤めていました。  ピアノ:詹宗霖  ギター:趙阿蘭  ベース:李成員  ドラム:林加恩 Anthropology

        • 【台湾の面白い建物】南埕衖事

          台南に、藤本壮介氏の設計したリノベーション案件があるというので見に行ってきました。場所は林百貨店のすぐ近くです。 この建物は、不思議なことに用途はアイスクリーム屋さんです。元々の建物は著名なホテルとして使われていたものを、オーナーが藤本壮介に惚れ込んで、彼に自由に設計させ、それを苦労して実現したというものです。この空間を体験してもらうためのインスタレーションと言った様相の建物になっています。 見どころは、上層部に設けられた半屋外の階段空間。この階段を法規的にどの様に位置付け

        • 固定された記事

        「Cross-Border 1624」

        マガジン

        • 台湾のジャズを聴くようになって
          21本
        • 台湾のジャズライブ
          51本
        • 台湾の面白い建物
          48本
        • 徒然の記
          74本
        • 学生時代のヨーロッパ旅行
          20本
        • 台湾のハイキングコース
          14本

        記事

          台湾の神様に助けられた話(その四)

          農安街に、たまに顔を出す"塵世音樂酒吧"というバーがあります。普段あまりお客さんがいないことが多いので、一人でカウンターでママさんともう1人のスタッフとお喋りしていることが多いのですが、その日は奥にもう1人のお客さんがいました。 農安街のバーで いつものように、お店のキーボードを借りて何曲か弾いて遊んでいたら、そのお客さんが声をかけてきました。 彼は宜蘭から台北に出てきていて、タイに来ているミャンマーからの避難民の世話をするボランティア活動に参加しているのだそうです。自分

          台湾の神様に助けられた話(その四)

          西郷隆盛の遺児が宜蘭に?

          2023年11月、台北で西郷隆盛のひ孫に当たる西郷隆文氏の講演会がありました。西郷隆文氏は陶芸家として名をなしている方ですが、併せて西郷家の事績を顕彰するための様々な活動を行っています。 この時の西郷隆文氏の話に、台湾に関わるとても興味深いエピソードがあったので紹介します。 西郷菊次郎 西郷隆文氏の祖父である西郷菊次郎は、京都市長として活躍し、琵琶湖疏水を政策として立案した人物として知られています。一方、彼は日本が台湾を領有した直後に台湾に入り、宜蘭長官としての任にも就い

          西郷隆盛の遺児が宜蘭に?

          【台湾のジャズライブ】Sameka & Interesting Quartet

          2024年3月にとても面白いバンドのコラボレーションがありました。ドイツのフュージョンバンドSamekaと、台湾のジャズストリングスカルテット玩弦四度が一緒にステージに立つというものです。 このプロジェクトは、Sameka Bandが元々ドイツで弦楽カルテットと一緒にアルバムを作成していて、その新作の発表を台湾では玩弦四度と一緒にやろうとしたことから実現したのだそうです。 僕はこの演奏をSapphoで聴き、その時にその新作アルバムも買いました。この2つの演奏を聴き比べると、

          【台湾のジャズライブ】Sameka & Interesting Quartet

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十、イタリア)

          Lago MaggioreのGianniのところで、旅の準備を整えた後、ミラノからジェノヴァへと旅を進めました。イタリアでは行く先々で友達に連絡をとって、週末を一緒に過ごしています。ジェノヴァではRobertoを訪ねました。 ミラノ ミラノにはLago Maggioreで知り合った2人の友人が同行してくれました。そして、Gianniと同じ様に、あちらこちらの名所に連れていってくれ、食事は一緒に食べその料金も払ってくれました。 イタリアに入って以来、毎日の様に友人のお世話に

          学生時代のヨーロッパ旅行(その二十、イタリア)

          【台湾のハイキングコース】七星山

          台北の街は盆地なので、四方を山に囲まれ、台風や暴風雨から守られているというメリットはありますが、その分空気が澱みやすいというデメリットもあります。そんな時に陽明山に登ると、高度がある為温度が下がるのと、下界と比べると風の流れがあるのでさらに涼しく感じます。それで、夏の暑い日には陽明山によくハイキングに行きます。 実は、陽明山にはこの名前の山はありません。いくつもの山のある陽明山系で、最高峰は七星山です。標高は1120m、台北から1時間半ほどで山の麓の登山口に来ることができま

          【台湾のハイキングコース】七星山

          【台湾建築雑観】音に対する感覚

          日本から台湾に来ると、生活する際の音に対する感覚の違いに気がつきます。これは、基本的に住宅地の環境が日本の様に住居専用地域となっていないことが大きいのだと考えています。台湾の多くの都市は商業地域であり住居地域である、商住混合の用途地域の中にあります。このために、日本の様な静謐な住居環境は、都会では望むべくもありません。 ここでは、台湾で感じる様々な騒音について書いてみます。 ライブハウスにて 2020年、ヴォーカリスト羅妍婷の新作発表ライブが"Legacy Mini"で

          【台湾建築雑観】音に対する感覚

          台湾のジャムセッションスポット(2024年)

          一年前に同じタイトルの記事を書きましたが、この間に、いくつかのお店が閉まり、また新しくジャムセッションを始めるお店が開店しています。 情報更新の記事です。 【台北】 台北にはたくさんのライブハウスがあり、ミュージシャンも多いので、毎日の様にジャムセッションが行われています。レギュラーのもので、毎週火曜日/木曜日/金曜日/土曜日にあり、それ以外にもイレギュラーなジャムセッションが何カ所もあります。 ジャムセッションを主体にしている、Jazz Spot Swingの様なお店も

          台湾のジャムセッションスポット(2024年)

          【台湾のジャズライブ】Amanda & Ryan Folk Songs Feat. Jens Bunge

          ジャズヴォーカリストのAmandaは、学生時代は淡水で中国語のポピュラーソングを歌っていたそうです。この日はそのレパートリーを前面に出して、ギタリストのRyanとのデュオで演奏していました。たまたま、この日はドイツからハーモニカ奏者のJens Bungeが来ていてsit inしていました。 雅痞書店では、週に4日程午後2時から2時間のライブを行なっています。この時間帯には比較的お年寄りが多く、昼食がてらこの時間をゆったりと過ごすことが多いので、この客層に合わせた懐メロや映画

          【台湾のジャズライブ】Amanda & Ryan Folk Songs Feat. Jens Bunge

          【明清交代人物録】洪承疇(その十八)

          ここで、僕がこの人物に興味を持つきっかけとなった、晉江の黃家が洪承疇にアプローチして、明朝の行く末を占っていたのではないかと言う想像について書いてみます。 政商 中国の封建時代の商売というのは、皇帝専制政治の元で行われるとても人治的要素の強いものでした。ですので、商売を行うためには地方政府から中央政府、表に出てくる官僚、その裏で暗躍する宦官と東廠(秘密警察)との繋がりを保つ必要があります。彼らに賄賂を贈り、様々な便宜を図ってもらえる様にしておく。その様にしないと、いつ自分

          【明清交代人物録】洪承疇(その十八)

          【台湾の面白い建物】高雄港旅運中心

          この建物のことが気になり出したのは、2018年のことです。高雄の臨海地区には多くの新しい施設が建設されています。高雄展覧館、高雄の流行音楽中心、高雄市図書館總館など。それらの中でも特に異彩を放って工事中だった建物が、この"高雄港旅運中心"です。高雄港の新しいクルーズ船用ターミナルです。 工事中から、この複雑な形状は明らかだったので、鉄骨の架構が出来上がった状態でも、その特殊な外観はとても人目を引くものでした。そして、その後高雄の臨海地区に行く度に様子を見に行っていたのですが

          【台湾の面白い建物】高雄港旅運中心

          【台湾の水利施設】二重疏洪道

          台北の洪水対策施設として、一つは既に紹介した瑞芳にある"員山子疏洪道"があります。これは豪雨の際、基隆河に集まる膨大な雨水を、下流の瑞芳以降に流さず、その上流でトンネルを掘り、そこから直接海に放水するという排水施設です。 台北にはもう一つ大量の雨水が流れ込む大河があります。大漢渓です。今回は、この大漢渓に設けられた放水路を紹介します。 大漢渓は、歴史的にその流路を変えている不思議な河です。その大漢渓が台北に流れ込む様になった経過は下記の記事で説明しています。 二重疏洪道

          【台湾の水利施設】二重疏洪道

          【台湾の面白い建物】張學良文化園區

          新竹の山奥にある五指山にハイキングに行った際、ドライブの途中に"張學良故居"があるというので、寄ってもらいました。 西安事変で、蒋介石に対して共産党と共同して日本軍に立ち向かうべきだと諌めた張學良は、そのことを蒋介石に許されることなく、長い間軟禁状態に置かれます。その張學良が、台湾に送られた際に最初に安置されたのが、新竹県五峰鄉にあるこの場所です。ここには一年ほど住み、そのあと陽明山に送られ、最後の日々はそこで過ごしました。 この"張學良故居"には、その日ドライバーだった

          【台湾の面白い建物】張學良文化園區