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台湾建築雑感

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建築設計・工事監理・コンサルタント業務を通して感じた、台湾人の考え方を紹介していきます。建築に関する設計と施工業務というのは、国が違うとこんなにも異なるのかということを知っていた…
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記事一覧

【台湾建築雑観】SC造とは?

台湾にはSC造という、日本では聞き慣れない構造形式があります。これはSteel Concreteの略語で…

【台湾建築雑観】建築計画/工事の常識の違い(そのニ)

前回、建築計画と構造についての日本と台湾の常識の違いを紹介しました。このことについて書き…

【台湾建築雑観】建築計画/工事の常識の違い(その一)

台湾で建築の仕事をしていると、様々な面で日本の常識が全く逆になっているという場面に遭遇し…

【台湾建築雑観】設備工事のトラブル

台湾では、設備工事に関するトラブルがとても多く、いくつかの内容は日本ではあまり遭遇するこ…

【台湾建築雑観】梁のない建築

普段、僕は台湾の建築文化は日本と異なるという趣旨の文章を書いていますが、実のところ世界を…

【台湾建築雑観】アメリカ式オフィスと,日本式オフィス

台湾では、いくつかの事務所建築で、日本ではあまり見ない形式の平面を見ることがあります。そ…

【台湾建築雑観】音に対する感覚

日本から台湾に来ると、生活する際の音に対する感覚の違いに気がつきます。これは、基本的に住宅地の環境が日本の様に住居専用地域となっていないことが大きいのだと考えています。台湾の多くの都市は商業地域であり住居地域である、商住混合の用途地域の中にあります。このために、日本の様な静謐な住居環境は、都会では望むべくもありません。 ここでは、台湾で感じる様々な騒音について書いてみます。 ライブハウスにて 2020年、ヴォーカリスト羅妍婷の新作発表ライブが"Legacy Mini"で

【台湾建築雑観】台北の洪水対策

台北では、過去恒常的に洪水の被害がありました。この土地には基隆河、大漢溪、新店渓の3つの…

【台湾建築雑観】避難階段の規定

台湾で建築の実務をやっていると、日本と同じ様な建築法規体系の中に、いくつか日本と異なるも…

【台湾建築雑観】施工図の概念

日本での設計業務は大雑把に言うと、次の様な経過をたどります。 基本構想 基本設計 確認申…

【台湾建築雑観】symmetry or asymmetry?

台湾の住宅の設計を見ていて、今は慣れてしまいましたが、当初とても違和感を感じていたことが…

【台湾建築雑観】家賃が安すぎる!

僕は、台湾で日系ディベロッパーの建築コンサルタントの仕事をしていますが、その中で感じてい…

【台湾建築雑観】頭の固いインフラ設備関連会社

台湾人に、日本人はよく"頭コンクリー"と馬鹿にされます。融通が利かない、フレキシブルな発想…

【台湾建築雑観】囤房族とは

8月の聯合報にあったこのヘッドニュースの、"囤房族"という用語に目が留まりました。房が部屋なので、どうも不動産に関わる言葉の様です。その場にいた同僚に、この"囤房族"とはどういう意味なのか聞いてみました。 彼によると、これは居住用ではなく資産としてマンション等の不動産を所有している資産家のことなのだそうです。台湾の不動産は、今のところバブルを経験していないので、土地や不動産は所有していればそれだけで資産価値が上がると信じられています。そのため多くの資産家が、複数のマンション