マガジンのカバー画像

明清交代人物録

55
台湾に関わりを持つようになってから、言葉の勉強を兼ねて中国語による台湾の歴史の本を読むようになりました。その中で特に興味を持ったのは歴史家曹永和氏の著作です。17世紀の台湾の歴史…
運営しているクリエイター

記事一覧

【明清交代人物録】洪承疇(その二十五)

弘光王朝が崩壊した段階で、ドルゴンは弟のドドを北に呼び戻し、中南部の覇権を完成させるため…

【明清交代人物録】洪承疇(その二十四)

漢族による清朝に対する反抗の事例として2つの事件を取り上げます。これは、南明の王朝を立て…

【明清交代人物録】洪承疇(その二十三)

ここで、第二の南明王朝に進む前に、ドルゴンの選んだ政治的にハイリスクな政策、"剃髪令"につ…

【明清交代人物録】洪承疇(その二十二)

南明の最初の政権、弘光朝はこの様な王朝でした。組織的に、既にまともに清朝に対応することは…

【明清交代人物録】洪承疇(その二十一)

前回、南明の最初の皇帝に祭り上げられた福王、弘光帝がどの様な背景を持っていたかを説明しま…

【明清交代人物録】洪承疇(その二十)

南明の最初の皇帝は弘光帝と言います。彼は南明の中でも特に評判が悪い。何故このような人物が…

【明清交代人物録】洪承疇(その十九)

ここから、清が明の残存勢力を倒し、中国全土の制覇を進めて行くフェーズに入って行きます。 初めに、この明の勢力のことを概観しておきます。この王朝を中国史では南明と言います。鄭芝龍が当初その軍勢を投入し勢力を拡大したのも、南明においてです。 この南明政権については、日本語ではあまりまとまった書籍をみることはありませんが、中国語ではとても多くの本が出版されています。これは、清という満州民族の政権に抵抗した漢民族の記録という意味が大きいからなのだろうと考えています。北京が李自成に落

【明清交代人物録】洪承疇(その十八)

ここで、僕がこの人物に興味を持つきっかけとなった、晉江の黃家が洪承疇にアプローチして、明…

【明清交代人物録】洪承疇(その十七)

山海關を落とした後、順軍との戦いは洪承疇の予言した通りに進みました。李自成は逃げ足早く北…

【明清交代人物録】洪承疇(その十六)

呉三桂は、急変した自分の立場が、究極の選択を迫られていることを十分に把握することができず…

【明清交代人物録】洪承疇(その十五)

明朝から清朝に王朝が交代する際、山海關における吳三桂の動向が戦況に大きな影響を与えます。…

【明清交代人物録】洪承疇(その十四)

洪承疇は、清朝に帰順することを決断しました。ホンタイジは、その洪承疇をすぐに戦場に送るこ…

【明清交代人物録】洪承疇(その十三)

今回、洪承疇がどの様にして明朝への忠誠心を翻し、清朝の元で働くことを決断したのかという、…

【明清交代人物録】洪承疇(その十二)

ここで、清朝に降った一人の明の文官のことを説明します。名を范文程と言います。彼は三国志で言うところの、諸葛亮の様な役割を初期の清朝において果たしている人物で、ヌルハチの時代から後金に仕え、ホンタイジの参謀・政策立案者として活躍しています。最終的には康熙帝の時代まで清朝において重要な立場の文官として働き続けています。 特に、ホンタイジからドルゴン・順治帝にかけての時代、明朝が倒れ清朝が取って代わるという時に、この漢族の参謀が果たした役割はとても大きかったように思います。 その