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「書店の閉店」だけに、慄いてる場合じゃないかもしれない。

読書を愛する人生を送ってきた。小説もマンガもビジネス書も、わたしにとっては必須栄養素だ。だから書店が減ると困るし悲しい。ネット通販は便利だけれど、売る人たちの本に対する愛情を、なかなか感じないから少し物足りなかったりする。

と、書き出しておいて。今日は本の話でも書店の話でもなく、「音楽」の話をしようと思う。フェスで盛り上がる夏だから。

インドアすぎる今では考えられないけれど、わたしには、音楽なしでは生きられないぜ!と思っていた時代があった。仕事終わりにはライブハウスへ行き、春はPUNK SPRINGにARABAKI、夏はサマソニにFUJI ROCK、冬はCOUNTDOWN JAPANと、あちこち音楽を楽しみに行った。サブスクなんてない時代だったから、CDを買いまくって、レンタルもしまくって、とにかく音楽を浴びていた。

タワレコに行けば片っ端から視聴しまくり、個人経営のCDショップでも、店員さんが推す地元のバンドを聴きまくった。たのしかったな、と思う。

昔ほどではないけれど、今も音楽は聴く。サブスクのおかげで、気になった音楽は検索して簡単に聞ける。視聴どころか、自分の手元にどんどん残せる。いい時代になったなと思う。あれ。いい、時代に、なった……?本当に?

そこでふと、気がついたことがある。今住んでいる街には、タワレコもTSUTAYAもHMVもないのだ。それらがないんだから、個人経営のCDショップなんてのも当然ない。え、そんなことってある?

私の行動範囲内にないだけかもしれないけれど、サブスクじゃなくてCDを買いたい!と思ったら、隣の隣の市にあるHMVへ行くしかない。というか、amazonで買えばいいんだけど、お店で買う選択肢がないって信じられない事態だ。そういえば、ライブハウスもない。昔からないのか、閉店してしまったのかわからないけれど、びっくりした。

もしかして、書店同様、音楽にまつわるお店も、どんどん減っているんじゃないのかな。ぶらぶらと、ジャケットを見つつ新しいバンドを開拓したり、お店の人がおすすめする新人バンドと出会ったり、そういう場所ってもうあんまり存在しないのかもしれない。今住んでいる街が、特殊って説もあるけれど。

本も音楽も、個人の好みに左右される娯楽だ。同じ土俵で比べられるものではないけれど、「店舗」という物理的な存在の危機感は似たものがあるのかも。

それにしても、音楽のすごいところは、「ライブ」という絶対的かつ衝撃的な感動があるところ。わかりやすく全身に降り注ぐ音は圧倒的だ。「本」にもそんな必殺技があればいいな。なんだろう、文学フリマとか??創る人も読む人も、みんなでたのしめる何かがあるといいな。

便利で豊かな時代に生まれたと、シアワセに思う毎日だけど、スマホひとつで足りる娯楽より、自分の体と誰かの想いが偶然出会う娯楽が好きだな、と思った夏の午後。そろそろ秋ですね。読書の秋、音楽の秋。積読を増やしながら、ちょっといいスピーカーでも買ってこようかな。


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