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いつもそこに『ワードバスケット』があった

人類は2種類に分かれる。
『ワーバス』をやる人と、やらない人だ。
高井家の5人は前者に属する。
しりとりカードゲーム『ワードバスケット』、通称『ワーバス』のキャリアは8年強。
練度が高すぎて、一般人が加わると秒殺される。

「ワーバス愛」が高じて拙著『おカネの教室』のワンシーンにも登場させてしまった。

自宅だけでなく、『ワーバス』は家族旅行の必須アイテムだ。
北海道から沖縄まで、ロンドン駐在期間中に旅した欧州各地。

そこにはいつも、『ワーバス』があった。
これからも、どこにいくにも「お供」としてついてくるだろう。

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(どこにでも一緒に旅できる身軽なサイズ)

「全力で推したいゲーム」というお題を見かけて、

「『ワーバス』の恩に報いるときがきた」

と、すぐにこれを書きはじめた。
「全力で推す」どころではない。

私は『ワーバス』は公教育の教材にすべきだと真剣に思っている。

「子ども向け」だけではなく、ひらがなが読める全人類に『ワーバス』をプレイしてほしい。
「そこまで言うのなら……」と納得した方。
下のリンクを黙ってポチってください。
別にこの後は読まなくてよい。
この投稿は、とにかく一人でも多くの人に『ワーバス』という傑作ゲームに触れてもらうために書いているのだから。

断トツの人気ゲーム

「まだ納得いかない」という方のため、つらつらと書いていこう。
我が家には大量のボードゲーム・カードゲームがある。

ちゃんと数えたことはないが、たぶん30種類ぐらいある。
『ワーバス』はこの精鋭の中で、ぶっちぎりでトップの人気ゲームだ。
「なぜ」というお話の前にルールを簡潔に。前掲の投稿から抜粋・引用。

『ワーバス』の基本ルール
・各プレイヤーに5~7枚の適当な枚数のカードを配る
手札が先になくなれば勝ち
・台札を1枚めくってケースの箱に表向きに置いてゲームスタート
台札を「最初の文字」として各プレイヤーは自分の手札の文字で終わる言葉を探す。まさに「しりとり」
・例えば「つ」が台札なら「の」につなげて「つわもの」と言いながら「の」を出す。次は「の」が台札になる
言葉は3文字以上の名詞。「たべる」「きれい」「やま」などはダメ
・「か行」のどの音でもOKというカードもある。
・「5」「6」「7+」の数字カードは「5文字」「6文字」「7文字以上」という縛り。台札が「か」なら「カーパーク」で「5」、「カレーライス」で「6」、「カリーニングラード」で「7+」が出せる
・「参加者の2人以上が知っている」など使える単語の条件を決めておく

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とてもシンプルなルールで、1回プレイすれば誰でもなじめる。
そして、1回やれば誰でもハマる。

一例を挙げよう。
高井家がロンドンにいた頃、モスクワとカイロから同僚2人が我が家に晩飯を食べにきて、食後にオッサン3人で『ワーバス』をやった。
するとモスクワ駐在のオッサン(仮にF氏とする)がすっかりハマり、1年後ぐらいにまたロンドンに来たときも我が家に寄って、

「おい、アレ、やろうぜ」

と来た。なんだか悪い葉っぱみたいな言い回しだ。
けっこうなハンディを差し上げたが、高井家連合軍の前にF氏は惨敗した

その2年後。
今度は私が次女を連れてモスクワのF氏のところに遊びに行った。
羽田からあのアエロフロートに乗り、シェレメーチエヴォ空港からは車に揺られて半日かけてたどり着き、お茶を飲んでちょっと一息ついたら、

「おい、アレ、持ってきたんだろ?」

モスクワでの最初のアクティビティは、深夜の『ワーバス』だった。

何人でも、誰とでも楽しめる

面白さ・中毒性だけが『ワーバス』の魅力ではない。

まず挙げたい美点はプレイ人数を選ばないこと。
オススメは3人以上だが、2人でもけっこう楽しい。それほど大人数でやったことはないが、10人ぐらいまでは大丈夫だろう。7~8人は全く問題なく楽しめる。
少々無茶だが、1人でもできる。「全カードを出し切るのに何分かかるか」というタイムアタックだ。私が考案した。アホだ。

適度にハンディをつけられる柔軟性も素晴らしい。
年齢や語彙力、練度に差があっても、文字数やカード枚数を調整すれば「対等の勝負」ができるのだ。

我が家の場合、最初にプレイしたとき、長女は小学校高学年、三女は幼稚園児だった。
当時はこんな条件で『ワーバス』をやっていた。

・配るカードは、父が10枚、母・長女は7枚、次女は6枚、三女は5枚
・三女は「2文字」の言葉もOK(父はたまに「4文字縛り」)
・トップのプレイヤーは次のゲームで手札を1枚プラス

これで本気モードの白熱したゲームができた。

ハンディは段々縮小され、今では私が8~10枚、女性陣は5~7枚ぐらい。通常は「4文字(以上)縛り」だ。
アホみたいに練度が高いので、3文字だと反射神経勝負であっという間に終わってしまう。ちなみに「5文字縛り」は厳しすぎるのでオススメしない。

プレイしてもあまり疲れないのも良い。
無茶な枚数や「縛り」をかけなければ、1ゲームは数分、長くても10分程度で終わる。
「もう1回!」と止まらなくなる。

親子で楽しむ最高のゲーム

親の視点では、長年プレイしていると、語彙力から子どもの成長を実感できる楽しみもある。

「やま」とか「いぬ」なんて言っていた幼稚園児が、「2文字」を卒業して、そのうち親も知らない漫画やアニメのキャラの名前をポンポンと使うようになる。
中学生、高校生、大学生と進むにつれて、学校で習う人名や地名、古語なんかが繰り出される。
世界地図が頭に入ってくると、「あ」の消化に「オーストリア」「イタリア」「リトアニア」「エストニア」「ラトビア」などが大活躍する。日本語は「あ」で終わる言葉がけっこう少ない。

一方で、「コレにはコレ」というお約束が増える楽しみもある。
「ぬ」が台札になれば、
「誰か、『ぬりかべ』か『ぬいぐるみ』か『ぬいばり』出せよ!」
となる。「ぬ」で始まる言葉は少ないからだ。
「7」のカード(7文字以上)の定番もある。
「や」ならヤンバルクイナ。
「り」ならリーマンショック。
「た」ならタカイヒロアキ(家族5人の名前だけOKという特殊ルール)。

これだけで「出た!」と盛り上がる。

1日も早い導入を!

けっこうな文字数になっているので、ここらで終わりにしておこう。
こんなnoteを読んでいる暇があったら、早く買って、まずはプレイしてみてほしい。

年齢や「ゲーム慣れ」に関係なく、誰もが楽しめる。
語彙の充実を通じて、「子どもの世界観」の広がりを実感できる。

大人だけでも絶対、楽しめる。
子どもがいたら、買わない手はない。

もう1回リンク貼っちゃおう。

お約束で、おしまい。

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