『白雪姫と七人の継母』第二十八話「雪見と七人の継母」
帰宅の道すがら、雪見は継母達のことを考えた。
椿を模した飾りのついたかんざし。真珠のネックレス。片方だけのピアス。ルビーの指輪。金のブレスレット。糸のついたままのボタン。白い鳩のブローチ。継母達との思い出は雑然とした装飾品で始まる。椿を始めに成政の奥様達の挨拶に回った際に、一人一人から贈られたものだ。成政の後継者として認められた証でもあるそれらは、雪見の宝石箱にしまっている。
それから十年近くが経とうとしている。今でも雪見は自分が何故後継者に認められたのかわからなかった