廣瀬秀敬自転車資料館

この「note」は、その人生の殆どを自転車の探究に費やし、オーダー車だけでも千台近い鉄…

廣瀬秀敬自転車資料館

この「note」は、その人生の殆どを自転車の探究に費やし、オーダー車だけでも千台近い鉄製フレームの自転車を作り、2020年8月に亡くなられた「自転車ビルダー」廣瀬秀敬氏の自転車理論、技法、歴史等についてご紹介させて頂く場所です。著者情報他、詳細は「概要」にまとめさせて頂きました。

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概要

この「note」は、その人生のほとんどを自転車の探究に費やし、オーダー車だけでも千台近い鉄製フレームの自転車を作り、2020年8月に亡くなられた「自転車ビルダー」廣瀬秀敬氏の自転車理論、技法、歴史等についてご紹介させて頂く場所です。 著者は廣瀬氏を10年程取材し、この「note」と同名のサイトやYouTubeチャンネルを制作、公開して来た者です。廣瀬さんが亡くなる前の数年は、廣瀬さん指導のもと、自転車やパーツの製作を手伝い、自分用の自転車やキャリア等も作らせて頂きました。

    • 「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(50)

      2021年1月24日から始まったこの連載も、今回で最終回です。 自らが趣味で購入する自転車が「究極の一台」であって欲しいと期待する向きがあります。ママチャリのような実用車とは思い入れが違う…。 そこで、連載の最後に「夢の自転車」というお題で、思考実験的に、これまでの連載も振り返りつつ、あれこれ考察してみました。 途中、自由と思われるヒロセ車には、ヒロセ流オーダーメイドならではの不自由な側面があること等も記しています。 末尾にて、メディア毎に今後の方針を記しておりますので

      • 「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(49)

        2021年1月に開始したこの連載も、ようやく、あと2回というところまで漕ぎ着けることが出来ました。 一人でも多くの方に、廣瀬さんを知って頂きたく、続けて来たこの連載ですが、ここまで書き進めて来て、改めて、ヒロセさんのユニークさとは、すなわち、作られて来た自転車の有する個性につきると感じています。 その意味で、前回までの三回に、この連載において、私個人がお伝えしたかったことの大部分が網羅、凝縮されているように思います。 もし、お知り合いに「廣瀬さんってどういうビルダーなの?

        • 「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(48)

          また更新間隔が開いてしまいました。 家族がコロナを患い、私もそれをもらい、しばらく寝こんでいたのです。 コロナ感染は初めてでしたが、想像よりもキツかったです。 誰も重症化せず、年末年始にもかからなかったのは良かったのですが、先月予定していた体内検査が1月まで先送りになってしまったのが残念です。 手持ち無沙汰な中、ケーブルTVで見たTVドラマ「復讐人アーギャフ(2018年トルコで公開)」が面白かったです。 スウェーデン版の「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」もそうでしたが

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(47)

          前回の公開から少々期間が空いてしまいました。 ようやくポタリングが心地よい気候になりましたが、近年はそういう時期がとても短いので、多少、noteの更新は遅らせても良いから自転車を楽しみたいな、と思ってしまい…。 また、10月はヒロセの走行会のあった月。自転車に乗っていると、走行会が行われる地までの往復車中で廣瀬さんと交わした様々な話題を思い出し、あれもこれも記しておきたくなり、ついつい文章が長くなってしまって…。 * さておき、今回も前回に続き、「オーナーさんの個性が

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(47)

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(46)

          これまで「ヒロセの自転車は、ランドナーAタイプ、Bタイプとか、ロードレーサー・スタンダード、スペシャルといった、いわゆるカタログ的なモデルが無く、全てオーダー毎にゼロから設計される。故に、一台一台の自転車にはオーナーさんの個性(体格、体癖、趣味など)が色濃く反映される。」といった内容を縷々記してきました。 ですから、もしヒロセ車が多彩だとするなら、それはお客さんの個性が多様だったから、ということになるのだと思います。 実際、廣瀬さんがそのオーナーさんと近しくなり、その人物

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(46)

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(45)

          これまで数回に渡り、廣瀬さんが言葉と文字に対し、距離を置いていたことを記してきました。今回は、一見、全く逆のことを記します。 廣瀬さん、さまざまな経験を経た晩年においては、雑談、つまり言葉を、「お客さんのオーダーを理解し、実現する為の手段の一つ」として積極的に活用されるようになっていた、というお話です。 ****** 設計にまつわること 31 「オーナーさんという最重要パーツについて その8 廣瀬さんとの対話-D」 尖っていた昔の廣瀬さん 晩年の廣瀬さんは、長い髪をお

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(45)

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(44)

          ひき続き「廣瀬さんと言葉や文字との距離感についての考察」です。 今回は主に文字にまつわるお話。 廣瀬さんの手による文章の掲載や、「製作に関することは文字化(マニュアル化)しない」という廣瀬さんの哲学に関して。 他にも「年々進化する工房」や、廣瀬さんのスクラップブックに保存されていた設計図や、工房のあちこちに貼られていた「あんちょこ」等についてご紹介しています。 さらに、文末に「追記」として、私が放送局員時代、中から体験した「サヨク思考に染まったマスコミ文化」の実像や、今か

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」…

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(43)

          前回に続き「廣瀬さんと言葉や文字との距離感についての考察」です。 「掛かり付けの自転車屋さんとしてのヒロセ」という考え方、さらには付録にて「東洋医学」についても記させて頂いています。 ****** 設計にまつわること 29 「オーナーさんという最重要パーツについて その6 廣瀬さんとの対話-B」 お客さんが発する曖昧で、見当違いで、不正確な言葉たち 廣瀬さんに自転車にまつわる「何か」を聞き出そうと来店される方の中には、持ち込まれた質問や疑問に対し、いっこうに明快な答え

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」…

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(42)

          (ようやく病気との付き合い方にも慣れてきたので、のろり、そろり、趣味の作文を再開したいと思います。最近noteに実装された「AIアシスタント(β)」や他のAIのお世話にはならないで書いています。駄文な上に脱線も多いですが、どうぞ、よろしくお願い致します)。 前回のnoteでは、廣瀬さんが有吉氏から学んだ「体癖理論」「整体」を、自らは喧伝されなかった理由の一つとして、廣瀬さんのパーソナリティーをあげさせて頂きました。 廣瀬さんは、一人、深く物事を探究するのが好きで、他人から

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          お知らせ

          今回は、このところ「note」の更新が捗っていない理由と、今後の方針などについてのお知らせです。 *** 昨年11月、地元自治体の無料健康診断を受けたところ、「精密検査が必要」との結果が出ました。 正月明け、精密検査を受けたところ、担当した医師の言葉を借りれば「とても珍しい病気」が見つかり、追加のCT検査をするなど、すっかりバタバタしてしまい、「note」の更新が叶いませんでした。 入院や手術が必要な病気では無いのですが、症例が極端に少なく、果たして完治するかはわからない

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(41)

          晩年の廣瀬さんは、有吉氏と二人で構築された「体癖理論」を、オーナーさんにも、雑誌等の取材者にも喧伝されていなかった…。その理由として、廣瀬さんのパーソナリティーに起因する部分もあったのではないか、と私個人は考えています。 今回は、その一端をご紹介できればと思います。 (このところ、一身上の都合で、以前と比べ、更新が遅れ気味ですが、怠けている訳ではありませんので、ご容赦頂ければと存じます。) ******* 設計にまつわること 27 「オーナーさんという最重要パーツについ

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(40)

          「オーナーさんという最重要パーツについて」の続きです。 今回は、晩年の廣瀬さんが「体癖理論=廣瀬さんが有吉氏とお二人で構築された自転車とその乗り手に関する理論」を、自らは滅多に口にされなかった理由の一つと思われる、盟友、有吉一泰氏の「ヒロセからの離脱」について。 さらに、廣瀬さんが有吉氏と二人で目指されていたかもしれない、「幻のサイクルストア・ヒロセ像」についても、当時の記録を俯瞰しつつ、思いを馳せてみたいと思います。 ******* 設計にまつわること 26 「オー

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(39)

          引き続き「廣瀬さんがオーナーさんという自転車を構成する、最大で、最重要のパーツをどう見て(診て)いらっしゃったか」について記していきます。 廣瀬さん、オーナーさんを理解するのに、さまざまな視点・視座をお持ちでした。今回はその中で、廣瀬さんがオーナーさんの身体的特徴を理解しようとする際、中心に据えていらっしゃった「体癖」について。 さらに、その理解の結果を、作られるオーダー車に、どのように落とし込んでおられたかについて、ご紹介していきます。 ******* 設計にまつわる

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(38)

          これまでこのnoteでは、自転車ビルダーである廣瀬秀敬さんが、自転車、および自転車の素材やパーツやデザインを、どう探求、観察、判断されていたかを、様々な側面からご紹介してきました。 今回から、「設計にまつわること」、さらには「『オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。』というお話」、最後のシリーズとして、廣瀬さんが、廣瀬流オーダー自転車のもっとも大きく、かつ、重要なパーツであると認識されていた「オーナーさん(お客さん)」をどう「見て(診て)」いらっしゃったかについ

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」…

          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(37)

          「パーツにまつわる蘊蓄集」の最終回です。 文末、最後の蘊蓄として、廣瀬さんが事あるたびに口にされていた「自転車製作において大切なことは自然から学んだ。」という言葉について、書かせて頂きました。 ******* 設計にまつわること 23 「廣瀬さんの蘊蓄話選 その4」

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          「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」…