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私のトラウマ11

PTSDって、なに?

PTSD(心的外傷後ストレス障害)」
という、診断名

じゃあ、トラウマって、なに?

トラウマ(心的外傷)」は、
簡単に言えば、心の傷

災害、事故、暴力、その他、過剰な恐怖や命の危機を感じるような出来事を体験した時に、強い恐怖や命の危機を感じたことで、心に傷がついた状態。直接自分が辛い体験をしなくても、誰かの被害を目撃したり、話を聞くだけでも、トラウマになりうる。トラウマは、誰でも体験する可能性がある。

トラウマによって、いろんな反応が出る。眠れなくなったり。頭が痛くなったり、体調が悪くなったり。イライラしたり。突然辛い記憶を思い出したり、逆に思い出せなかったりする。誰もわかってくれないと孤立感や孤独を感じたり、恥の気持ちや、自分が悪いからこんな思いをするのではないかと自分を責めたりする。他にもいろいろ辛い反応が出る。でも、その反応は全て自分を危険から守るために起きている。

例えば、眠れないとする。つらい。でも、もし熟睡した時に危険が迫ったとしたら?そのまま危険に気づけずに、逃げ遅れて死ぬかもしれない。だから、眠らずに、身を守っている。

どんな反応も危険から自分を守る為に起きている。安全になれば、だんだんに収まる。だから、安心して、安全に暮らせることが最優先で最重要!

でも、危険が去って、安全になっても、トラウマ反応が収まらない場合もある。頭の中はまだ危険が続いていると感じていて、安心できていない時。その時は、他にも自分を守る方法を増やす。さっきの例だと、「眠らない」って方法だけだったけど、避難方法を予行練習したり、気持ちを落ち着かせる方法(呼吸法、ヨガ、瞑想などなど)をいくつも試してみたり、護身術を習うのなんてのもいい。知識を得るのも大きな助けになる。大事なポイントは、自分に合っているかどうか。

家族や友人、ペット、支援してくれる人とのつながりも大切。ただそばにいてくれる存在の力は大きい。病院で治療を受けなくても、支えてくれる人や、受け入れてくれて、理解のある環境によって、辛い反応は改善する。辛い経験を振り返る事は、必ずしも必要ではない。

そのぶん、家族や友人、支援者は、共感疲労や、代理トラウマを負いやすい。全ての人にセルフケアは必要だ。

疲れた時は「食べる、寝る、話す」

この3つ!

頭は、良いストレス(楽しみなこと等)も悪いストレス(嫌なこと等)も区別しない。人それぞれにストレスを入れる器があるとして、その中がいっぱいになったら、辛くなる。辛いことで器がいっぱいになったら、楽しい事は入らない。だから、辛いことがありすぎると、それまで楽しんでいた趣味に興味を失ったり、やる気がでなくなる。

まずは、辛いことがそれ以上入ってこないようにする。寝て、食べて、話す、の中で、したいことだけする。そのうちに、器の中に余裕ができてくれば、楽しいことが入る余裕もできる。それまでは、食べて、寝て、話す!

それが、自分をコントロールすることにつながる。なにか起きても、自分で自分の症状に対処できることが、安心につながる。辛い記憶に支配されない。自分の主導権を自分に取り戻す。

トラウマ治療には、完全に正しい方法は確立されていない。まだまだこれからの分野。だから、今は、自分に合うかどうかが判断基準。

トラウマを抱えた人達の生活の質(QOL)が、少しでも改善しますように。

「これだけは知っておきたい PTSDとトラウマの基礎知識(バベット・ロスチャイルド:著/創元社/2015)」

つづく

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