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私には力がある

みんなに伝えたい事。
それは、自分を守る方法。

安全を確保し、つながり、自分には力があることを自覚すること。

それが、自分と大切な人たちを守るためにできること。

心的外傷は、すべての人に起こる可能性がある。
すべての人に関係があること。

心的外傷(トラウマ)は、心の傷。

知らないから、分からないから、誤解が生まれる。みんなが知って、あたりまえになれば、いい。

心的外傷(トラウマ)については、こちらの記事をご覧下さい。

心的外傷のことを、みんなが正しく知っていれば、「ああ、あれね!」と分かってもらいやすいし、話しやすくなる。自分が心的外傷を負った場合も、「あ、あれだ!」と気づくことで、ほんの少しかもしれないけれど落ち着いて行動できる。

辛いとき、話したくても、話せない時もある。何から話したらいいのか、分からない事もある。思い出せないことも、ある。そんな辛さや、困っている事を分かってもらえたら、安心する。待ってくれたり、疑わずに聴いてくれたり、そばにいてくれるだけで、安心する。

安心できたら、元気が戻る。
自分の力が、戻ってくる。

話してみようかな。行ってみようかな。つながってみようかな。みんなが心的外傷のことを知ってくれたら、生きやすい社会になる。

力を奪う方法は、恐怖と孤立と無力感。混乱と、ほんの少しのご褒美。それらを組み合わせて、力を奪う。力を奪う方法を知ることで、自分を守り、みんなを守ろう。

支配する人、力を奪う人たちは、その知識を使って、相手を支配する。だけど、その知識をみんなが知っていたら、支配する力は減るはずだ。あなたの力を奪おうとする人が現れた時、「むむ!なんだか危険だな」「大丈夫?何か困ってる?」と気づいてくれる人がたくさんいたら、安心だ。あなたも、誰かの危険に気づいて、守ることができる。そんなつながりがあれば、安全と安心が守られる。

ハンガーストライキは、抵抗法のひとつ。支配者(加害者)の要求以上の辛い状態を、自分から選んで行う。それによって、相手の支配から、自分の力を取り戻す。自分で決めて、行動する力があることを証明し、自分の力を取り戻す。

自分には、力がある。
私たちは、力がある。

それを、自覚する。たとえ、今は力を奪われ、自信を失い、なにもできないように感じていたとしても、あなたと私たちには、力がある。絶対に。


この本のなかには、私たちの力を自覚し、取り戻すための経験と知識が詰まっていて、伝えたいことばかりだ。

私は、次の文章を読んで、涙が溢れた。

メリッサ — 私をレイプした男は私の体を壊したでしょうけれど私の魂は破壊していないことを証明してやりたい。あいつはそれを壊せなかった!

P369「共世界」より引用

心的外傷は、レイプだけでなく、戦争体験や、家庭内暴力(DV、児童虐待など)、カルト宗教、虐め、事件、事故や天災など、さまざまな命の危機を感じる体験や目撃によって起こり、とても深い傷を負う。そのなかでも、レイプや性的暴力は、魂の殺人と呼ばれる。

経験したいなんて思いもしない心身の傷を負いながらも、安心と安全を確保し、理解し支えてくれる人たちとつながり、自分の力を取り戻していくなかで、「私の魂は壊されなかった!私は私を守れたし、これからも守ることができる!」と自分の力を自覚したメリッサは、心的外傷を負った人たちの希望だと思った。

誰だって、心的外傷を負う体験はしたくない。同じ体験をしたとしても、心的外傷の症状や経過はひとりひとり異なる。それでも、心的外傷を負った後にも、希望があると知ることは、とても救いになる。

つながることの力。

つながる相手は、家族、友人、恋人、理解してくれる人。たったひとりでもいい。あなたが安心できて、安全な人。

辛いとき、誰ともつながりたくない時もある。何もしたくない時もある。死んでしまいたい時もある。そんな時は、つながることを避けてしまう自分を責めないで。心的外傷を負ったら、そうなるものって、知っておけば、自分を責めなくていい。安全を確保するために、行動する力を貯めて、準備してるんだって、魂までは壊されないぞ!って、自分を守って。

もし、少しだけ力が出てきたら、誰かに相談してみる。匿名で相談機関に相談するのもいい。つながってみよう。

嫌な気分になったら、別の場所や、別の人とつながろう。あなたの安心と安全を守ってくれる人とつながろう。

どこに相談したらいいのか分からない時は、お悩みハンドブックを使ってみるのもいい。

無料の電話相談SNS相談もあるよ。


この本は何度も読まなければならないし、何度も読む価値がある。たくさんの学びと知識が詰まった本だ。

「心的外傷と回復〈増補版〉(ジュディス・L・ハーマン:著/中井久夫:訳/小西聖子:解説/みすず書房/1999年)」

私が読んだのは「心的外傷と回復〈増補版〉」ですが、2023年に出版された「心的外傷と回復【増補新版】」をおすすめします。

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