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私のトラウマ10

トラウマ反応は、直接的な出来事だけが引き金になる訳じゃない。

音、におい、声、温度、季節など、似たようなものや似たような状況でも、引き起こされる。

私が歩っていて、トラックが曲がるのを見て、
ドーーーン!と大きな音が脳内で再生されたように。

何も無いところでも、トラウマ反応は現れる。

私の場合は、「トラック」「曲がる」が引き金だったのだと思う。トラックが止まっていたら、音は聞こえていない。何が引き金になるのか、本人が分からないと、混乱するし、対応しきれない。それが、トラウマ反応の困るところ。それを、ひとつひとつ知っていくことが回復でもある。

トラウマの回復とは、
思い出しても、大丈夫になること。

トラウマは無くならないかもしれない。
心の傷は、残るかもしれない。

それでも、日常生活をより良く送れるようになれば、回復したといえる。

トラウマ反応が起きていることに、本人も気づかないで苦しんでいることがある。

本人が分からないくらいだから、本人がトラウマ反応で困っていることに、まわりの人も気づかないし、分からない。

本人が気づいて、困り感や辛さ、混乱、大変さを説明しても、まわりの人に分かってもらいにくい。そもそも、説明も難しい。

うまくいかないこと、うまくできないことがあっても、自信を失ったり、嫌な思いをしても、我慢する。誰かに伝えても、分かってもらえないから。それは、とても孤独だ。

あなたは、おかしくないよ。
トラウマ反応は、自分を守る為に起きているよ。
それでも、自分を混乱させる為に、苦しめる為に起きているように感じるよね。
まずは、知っていこう。

トラウマ反応を経験し、知識を学び、そう伝えて続けられたことは、私が心理士としてできるケアのひとつとして、完全ではないけれど、とても力となった。

私は病院を受診していないから、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断はされていない。

トラウマとPTSDの違いは、なにか。

簡単に言うと。

トラウマは、心の傷。
PTSDは、診断名。

トラウマは、誰にでも起こりうる。

トラウマ反応を経験しなくて済むなら、したくなかったけれど、それでも、その経験が私の人生に活かされている。それが私の回復だ。

つづく

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