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バズワードのDXはもう終わり、2021年はDXを実装の年へ

激動の2020年が終わりました。コロナ渦により、新たなオペレーティングシステムがみなさんにインストールされた年だったのはないでしょうか。

世の中DXが叫ばれていますが、過去にもOA化、IT化と似たようなバズワードが流行しました。実態はOA化=汎用型コンピュータ、IT化=PC活用だったと思います。
DXはインターネットをまともにビジネスのメインストリームで活用しだした事でコロナによって早回しされたので、モバイル、ソーシャル、クラウドあたりまでまとめてDXと呼ばれて導入が進むと思います。あくまで活用で効率化がメインのため、ビジネスモデルの創出という面では既にGAFA等のプラットフォーマーにシェアがとられています。


2021年再起動して戦うために、まだ誰も勝ちきってない場所から反転攻勢できる道としてブロックチェーンの既存ビジネス活用の可能性、その現在地と2021年の見通し、エンタメを例にして先進取り組み事例として弊社のチャレンジを3回にわけてご紹介します。


エンタメ再起動の戦略としてのブロックチェーン活用

我々が属するエンターテイメントの世界もプラスマイナス含めて大きな影響を受けました。2020年、巣ごもり需要によって大きく業績を伸ばしたオンライン上のエンタメ業界と、大打撃を受けたライブエンタメに分かれると思います。

2021年は、ライブエンタメを再起動させるのは喫緊の課題ですし、目先好調ではあるものの、日本のオンラインエンタメ産業がこの先安泰かというと、ボーダレスであるがゆえに競合優位性の観点からそうでもありません。米中、特に中国の企業がとんでもなく強いです。

1.もう強者ではない。差別化と局地戦に取り組むべき

市場規模やそれに伴う予算規模も違いますので真正面から戦うのは得策ではありません。日本の誰もが知るビッグIPのソーシャルゲームでも15億円〜20億円規模をかけて大勝負を打たなければ勝てません。そんな中、中国をはじめとした海外のタイトルでは100億円かけてリリースし1ヶ月でリクープどころか大きく利益を出している状態です。

日本はまだIP大国ですが、中国のように莫大な予算をかけると委託先の質もグンとあがりますので、その中から有力IPが生まれようとしています。中国から次の世代のドラクエやポケモンが生まれる可能性も大いにあります。

2.新たなフロンティアで強みを活かして

テクノロジー関連でのメガトレンドを考えると、AI、量子コンピュータ、XR、ブロックチェーン等が紙面を賑わせていますが、AI、量子コンピュータ、XRに関してはGAFAMを筆頭とするテックジャイアントに既に覇権を握られつつあります。フォローしながら適応する必要はありますが、差別化ポイントにするほど優位性はありません。

ブロックチェーン分野に置いては、日本で暗号資産関連で様々な事件が起こり規制がいち早く整備されたために、世界的に有利な状況にあります。さらに、世界に誇るIPがたくさんあるため、スタートアップが世界で勝負をかけるには好環境です。

3.ブロックチェーン✖️エンタメとは

デジタルデータに価値がつき公正な取引が行われ、デジタルデータの2次流通という新しいビジネスモデルが誕生しています。

弊社が2018年末からブロックチェーンゲームのキャラクターや武器を使って開拓し、まだ小さい市場ながら2019年から2020年前半まで世界一のアクティブユーザー数を記録し億単位の売上を達成することができました。その結果大手ゲーム会社様とお話させて頂く機会が増え、2020年上場企業の中から様々なタイプのゲームがリリースされました。

ゲームという枠を超えてSKE48のデジタルグッズがブロックチェーン上で発行されたり、海外ではブロックチェーン上のデジタルアートが世界2大オークションプレイスのクリスティーズで13万ドルで落札されたりと新たな広がりを見せています。

ブロックチェーン技術にはエンタメでビジネスを考える上での特徴が大きく3つあります

A.デジタルデータに2次流通が発生します。

昨今のフリーミアムモデルの前に、ゲームをパッケージ、映画をDVD、音楽をCDで売っていた時代のようにデジタルデータを扱えて、デジタルなので基本的には劣化しませんが中古屋さんのような2次流通ビジネスが発生します。デジタルデータの取引が公正なプラットホームで自動的に行われる仕組み(スマートコントラクト)があるために、2次流通時に手数料が永続的に入る版元に入る仕組みができます。

B.需給のコントロールが可能

供給側で上限を設定して発行するためにデジタルデータに在庫という概念が生まれ、需給にあわせて適当な価格がつきます。

C.新たなビジネスモデルの創出へ

・デジタルな2次流通市場が発生し、手数料がロングテールで入り続ける

ビットコインをイメージするとわかりやすいのですがデジタルデータが唯一性を持ち不正に複製不可になり、取引可能な状態になるので流動性がうまれ、手数料がロングテールで入り続けます。

・DeFi(分散型金融)と呼ばれる金融との融合(保険、リースなど)

・商用2次創作(UGC)の可能性


可能性に溢れた分野ですが、発展途上の技術を使った新しいビジネスであるために、まだまだ課題もたくさんあります。次は、ブロックチェーンとエンタメ(とりわけゲーム)の現在地と2021年に起こる変化について書きます。


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