Nakamura Hiroki / 中村 浩樹

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Nakamura Hiroki / 中村 浩樹

最近の記事

Stability AIの画像生成・編集で遊んでみる

Stability AIに入社して2ヶ月ほどが経ちました。Stable Diffusionの認知度に比べると、Stability AIの認知度はまだ高くない気がします。もし知っていてもStable Diffusionを初めとした生成AIのモデルを作っている会社というイメージが強い気がします。 生成AIモデルの開発が非常に大きな強みというのは間違いないのすが、それに加えて、最近はそれらの技術を簡単に使えるようにするための努力も増やしています。 たとえば、Developer

    • AIキャラクターのサービスをクローズした話

      最近、サービスをクローズしました。AIキャラクターSNSの「キャラる」というサービスです。クローズする判断をせざるを得なかった責任は、PMの私にありますが、サービスを好きで使ってくださっているユーザーが多い中でサービスを終了するのは、とても心苦しいです。 AIキャラクターというサービスの特性上、ユーザーさんにとってサービスクローズの意味合いは、ツールとして利用されるサービスと比べるとかなり異なるように思います。何かの目的を達成するツールとしてではなく、AIキャラクターという

      • 自分のデジタル化、そしてその先

        私はチームワークが好きです。元々は、自分自身の能力が大して高くないので、何かをするのにチームでやる以外の選択肢がないという消極的な選択でした。今でも大して自分の能力は変わっていない気がしますが、チームで働くこと自体が好きです。それぞれの人が成長したり、相互作用から個人の能力の合計を大きく超えるパフォーマンスが出せるチームになっていく、そのプロセス自体も非常に楽しく感じます。 チームがチームとして機能するための根幹は、人を繋げるネットワークです。適切なネットワークが存在しなけ

        • マネジメント視点でのAI技術の活用について

          最近、今後の働き方はどうなるのだろうとよく考えます。特に昨今のLLMなどのAI技術の発展はとても速く、今後の働き方に大きな影響を与えるように感じます。 結構前にこういうレポートを見ました。 ChatGPTなどのAI技術によって労働時間が減るという趣旨の内容です。 USでは10年以内に28%の労働者が週4日勤務になり、71%の労働者が少なくとも10%以上、労働時間が減るという予測です。UKでも、同じく10年以内に28%の労働者が週4日勤務になり、88%の労働者が少なくとも1

        Stability AIの画像生成・編集で遊んでみる

          ChatGPTを使い始めて働き方がどう変わったか

          ChatGPTなどの生成AIを業務で使うようになり、半年以上が経ちました。相変わらずほぼ毎日使っていて、生成AIなしでは仕事ができない程度には依存しています。その結果、私個人の働き方も大きく変わりました。今回は、自分の記録程度の目的で何が変わったのかを書き出してみたいと思います。 簡単なPythonが書けるようになった 元々はソフトウェアエンジニアとして、7年ぐらいは業務系システムの開発をしていました。しかし、その後は今に至るまで、10年以上は何もコードを書いていません(

          ChatGPTを使い始めて働き方がどう変わったか

          ChatGPTでスクリプトを書くスクリプトを書いてアプリレビューを分析する

          相変わらずChatGPTがないと業務が成り立たないぐらい依存しています。スマートに使っているかはよくわかりませんが、増え続ける"やらなければならないこと"と"やりたいこと"に対して、ChatGPTが担っている役割は非常に大きいと思います。大きな組織であれば多くの人のお願いできるかもしれませんが、スタートアップでそんな状況があるわけもなく、最初にお願いする人は大体ChatGPTです。 ということで、今日はアプリのレビューを分析をしました (してもらいました)。内容は毎日見てい

          ChatGPTでスクリプトを書くスクリプトを書いてアプリレビューを分析する

          自分のChatGPTの利用傾向を分析する

          相変わらずお仕事でよくChatGPTを使っています。ChatGPTを使っているから進んでいる、使わないから遅れているなどとは全く思いませんが、少なくとも常日頃からなるべく楽をしたいと考えている私にとっては、とても有能なパートナーです。 そんな中、ふとした興味から、自分がどう利用しているか分析してみたいと思います。分析にはもちろんChatGPTを使います。そういえば、Code Interpreterという名前がいつの間にかAdvanced Data Analysisという名前

          自分のChatGPTの利用傾向を分析する

          疑心暗鬼について考える

          Generative AIを活用したコミュニケーションを運営する中で、そもそもの人間のコミュニケーションについて考えることがよくあります。コミュニケーションは、事実、アイデア、考え、感情を交換するものである、などとも言われますが、これらの情報はいつも対称的に交換されるわけではありません。お互いに交換した情報が非対称なことも多く、さらにその非対称性はお互いに理解が異なるままになることがよくあります。 特に感情的なものは非対称なことが多く、例えば、言った方はちょっと注意しただけ

          疑心暗鬼について考える

          LLMを活用したプロダクト開発の役割分担について

          最近、LLMを使ったプロダクトや機能の企画をすることが多いです。むしろ、そればかりをしている感じです。アイデアをあれこれ考えるというより、実現可能そうな面白いアイデアは既に大量にあり、それらをどう素早く安全に、コストと品質のバランスを取りながら提供していくかを試行錯誤しています。 このポストではLLMを使ったプロダクトの開発プロセス、特にPMと開発者の役割分担について、試行錯誤していることを書いてみたいと思います。先に言い訳をしますと、結論はありませんw 試行錯誤の始まり

          LLMを活用したプロダクト開発の役割分担について

          ChatGPTをプロダクト開発にどう活用するか

          ここ最近、ChatGPTを始めとしたGenerative AIが急速に発展して、ものすごい勢いで広まっています。特にGPT-4が出てからは、私自身も毎日使うようになり、仕事の進め方がとても変わってきたなと思います。ChatGPT自体の活用方法は本当に多岐にわたると思いますし、私が全てを網羅するのは困難です。また、今後も新しい活用方法がどんどん生まれてくると思います。 そのような中で、この記事ではPMの観点にスコープを絞り、特にGenerative AIを活用したサービス開発

          ChatGPTをプロダクト開発にどう活用するか

          AIキャラクターとの関係性の可能性について / Potential of Relationship with AI Character/AI Being

          GPT-3、ChatGPT、そしてGPT-4が驚異的な速さで発展する中、個人的にも日々お世話になっています。何かを考える際に視点を整理してもらったり、アイデアを出してもらったり、ちょっとした作業を自動化したいときにスクリプトを書いてもらったり、長くて読むのをためらう文章を要約してもらったり。ChatGPTのおかげで簡単なPythonスクリプトが書けるようになりました。 自動化や効率化の文脈では、まだまだ限界が見えない状態ですが、一方でAIキャラクターやAI Beingsのサ

          AIキャラクターとの関係性の可能性について / Potential of Relationship with AI Character/AI Being

          マネジメント観点でのAutonomy(自律性)について

          以前のポストで、ネガティブフィードバックがもらえなくなってきていることへの心配について書きました。あれこれと試行錯誤をしてみるものの、相変わらずネガティブなフィードバックを頂くことがあまりありません。言いにくい雰囲気を出しているのか(可能性大)、言われているにも関わらず鈍感で気づいてないのか(これも可能性大)、真実はよくわかりませんが、すぐにうぬぼれる自分としては危機感しかないので、テーマを設定して勝手に反省してみたいと思います。 今回のテーマは自律性です。 自律性はAI

          マネジメント観点でのAutonomy(自律性)について

          マネジメントにおけるPredictability(予測可能性)について

          チームで仕事をする上で、それぞれの人の強みや考え方、仕事のスタイルを理解することは非常に大切です。深い理解があれば、何が起きるか、何ができるか、またはできないかを予測することができ、事前に対応を考え備えることができます。 一方、PMやチームマネージャーなど、多くの人を主体的に巻き込んで仕事をする立場において、自分を予測可能にすることもとても大事なことです(下図の緑の部分)。自分が周りから予測可能になると、不要なコミュニケーションを減らすことができますし、いわゆる"阿吽の呼吸

          マネジメントにおけるPredictability(予測可能性)について

          チームの柔軟性について

          マーケットの状況、事業のステージ、チームの人数など、様々な要素によって、最適化なチームの在り方は変わります。チームの構造やそれぞれの人の役割、チームワークするためのプロセスまで、最適解はどんどん変わっていきます。 事業の立ち上げで非常に人数が少ない時は、一人で対応する範囲も多く、専門性を超えて仕事をする必要がありますが、事業が成長して人が増えてくれば、専門性を生かす構造やプロセスを組み立てる方が効果的です。最適解が動的に変わる中、ピープルマネージャやプロダクトマネージャーな

          チームの柔軟性について

          Generative AIを活用したプロダクトのマネジメントについて

          この内容は半年ぐらい前に、ProductTankTokyoでお話させて頂いた内容をまとめたものです。最近、同じ内容をよく話することがあったので、概要を書いてみたいと思います。 Generative AIとは、最近、色々と議論になっている画像生成AIをはじめ、GPT-Xのように文書や会話を生成するAIなど、何かを生成するためのAIです。画像認識や音声認識などの認識系AIとの対比でGenerative AIと呼ぶことが多いです。 今、rinnaでキャラるというAIキャラクター

          Generative AIを活用したプロダクトのマネジメントについて

          これからの良い会話AIに必要な要素を考える

          前々職の終わりごろから、かれこれ5年ほど会話AIサービスをやっています。また、チームのマネジメントをさせて頂くようになってから10年以上が経ちました。サービスの観点、マネジメントの観点でいずれの場合でも会話について考える機会が非常に多くあります。サービスの観点では、技術的に何がどこまでできるのか、そしてそれがどういうユーザーにどんな価値をもたらすのか。マネジメントの観点では、会話によって自分がどんな影響を及ぼすのか、その影響をチームのパフォーマンスの最大化にどう繋げるのか。ゴ

          これからの良い会話AIに必要な要素を考える