東京大学入試過去問 1980年の二次試験 英語の問題の解説
おはようございます。今日は東京大学で出たとある有名な問題の解説をします。ではさっそく以下の文章を読んでみてください。音読して意味を取ってみてください。
この問題は下線部を日本語訳せよという問題です。では、簡単に音読して、和訳してみましょう。
少々解説が必要です。such as it is, or wasの部分です。
such as it is, or wasを書き換えると as it is such, or was で、「記憶力はそのようなものなので、もしくはそのようなものだったので」ということです。such が強調のために前に倒置されています。
さてここで問われているのは、以下の部分になります。
What do I forget? I won't say everything.
私は何を忘れるだろう?すべてを言うつもりはない。
この回答をしてしまうと残念ながら0点の回答となります。
下の文章をよく見てみてください。
このように、英語には、疑問文の答えは同じS+Vを使うという原則があります。ですので、以下のように、同じ、S+Vは省略できるのです。
①つまり、同じS+Vは省略できるので上記の通りとなります。
What do I forget? I won't say everything.
しかし、上記の文章は、疑問文に対して同じS+Vを使っていません。これはどういうことなのでしょうか?
What do I forget?に対する答えは、上記の原則に倣えば、I forget everything.となれば、同じS+Vを使っていることになるので、問題ないのですが、I won't say everything.と答えるのは、この原則に反しています。
①の原則を用いれば、同じS+Vが省略されているのではないか、ということに気が付きます。
重複を省略していることがわかるため、実はこの文章は、以下のようであることがわかります。
I won't say(I forget)everything.
したがって、この問題の回答は、
私はすべてを忘れると言うつもりはない。
ポイントは、この省略されている、「I forget」が訳文の中になければ0点となります。
東京大学はすごい大学だと思っています。なぜなら、疑問文に対しては同じS+Vの反復を省略できるという原則をしっかり理解しているか?という点を、聞いてきているのです。これは中学生でも知っている原則ですね。英語の本質的な仕組みが理解できているかどうかを天下の東京大学は問うているのです。ただ丸暗記するだけの、勉強しているつもりかどうかを東京大学という大学はしっかりと見ているのです。受験生の皆さんは、英語の本質をぜひ勉強していただき、志望校に合格できるように勉強に励んでいただきたいと思います。
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