ecforceタクシー広告第2弾。CM放送前からSNSで1200万インプ超え。クリエイティブ制作の裏側。
おはようございます。
SUPER STUDIO COOの花岡です。
プレスリリースにもあったとおり、11月より法人向けECプラットフォーム「ecforce」のタクシーサイネージへの広告配信が開始されております。
第一弾に引き続き、大変ありがたいことに大きな反響をいただいております。
ECに限らず、さまざまな業界から「なぜ、あのクリエイティブになったのか?」ということをものすごく聞かれますので、当記事では第一弾の反省点も踏まえて、今回のクリエイティブに至った背景について語れればと思います。
これからタクシーサイネージやテレビなどの広告を出稿されるスタートアップ/ベンチャー企業の方々の参考に少しでもなれば幸いです。
まずはCMをご覧ください!
まず、完成したCMを先にご覧下さい。
このCMには、まさに22年間「やぁー」を言い続けることで「やぁー」の深みを誰よりも理解しているなかやまきんに君さん無しには成立しえない企画になっており、完璧な表現をしてくださったなかやまきんに君さんには本当に感謝です。
メイキングムービーはこちら。
制作チームは前回に引き続き、梅田さん率いるNEWSの皆様とSUPER STUDIOのCMO 飯尾が率いるS&M組織が一丸となって仕上げてくれました。
最高のアウトプットを本当にありがとうございます。
タクシーCM放送前の成果
前回第一弾のタクシーCMも以下の記事にて、大きな成果がでたことはnoteに書かせていただきました。
第一弾に続き、今回のクリエイティブも特にSNSを中心に大きな反響をいただいており、大変ありがたく思っております。一部の結果をお見せすると、まだ、タクシー放映を開始してないにも関わらず、twitterのみでも14万いいね、4.4万シェア、インプレッション数も1200万を超えるとんでもないバズり方をしています。
知人や、クライアント様、またパートナー企業様からもまだタクシーCMを放映していないのに「タクシーで見ました」と多数言われるぐらい、拡散されており、認知効果は絶大だといえるかと思います。笑
また、プレスリリース配信直後から指名検索数も異常値がでていたり、テレビにも多数取り上げていただき、また各社記事メディア様に取り上げていただいた件数も200件を超えるなど、前回とは比にならない圧倒的な結果を得ることができました。
直近、タクシーCMの放送もはじまり、これからが本番ですのでS&Mチームも気を引き締めておりますが、ペイドでこれだけの認知を起こすことを考えるとそれだけで4桁万以上はかかると思いますので、滑り出しは好調なのかなと感じております。
第一弾CMの改善点はセールスとの連携
今回のクリエイティブにいきついたプロセスを語る前に、前回のクリエイティブの反省点をまとめられればと思います。
確かに前回のタクシーCMは以下の記事にもあるとおり、非常に高いマーケティング効果を出すことができました。
前回、マーケティングチームとしては、ecforceのフェーズ的にも認知拡大が主目的であったことと、とはいえ、マーケティング活動は本質的に獲得を伸ばすためにやっているため、主KPIは「指名検索数」とし、副KPIに「リード数」を定め、施策を実施していきました。
結果として、主KPIである指名検索数は計画に加えて、副KPIでもあったリード数についても大幅達成させることに成功しました。
ちなみに、マス系の広告は配信しただけでは、経験上、ほとんどリードは増えません。リード数をしっかり増加させられたのは間違いなくマーケティングチームとして、デジタル上の獲得施策をしっかり仕込んでいたからです。
詳細はこちらにも書いてますので、是非参考にしてみてください。
これだけ見ると、一見、大成功に見えるこの結果ですが、致命的な課題がありました。
リード数は増加したが、商談数と契約件数がさほど増加しない問題です。
お恥ずかしながら、実は爆増しているリード数に比べて、商談/契約件数が微増という結果になっていました。
マーケティング活動は本質的に売上を伸ばすためにやっているわけですが、リード数が伸びても売上は伸びません。当然ながら「契約件数」が伸びなければならないわけで、リード数だけが単に伸びることは究極、意味がありません。これは致命的な課題だと言えます。
今回の最大の反省点は、タクシー&テレビCMといった大型マーケティングにおいて、マーケティングチームに閉じてプロジェクト化したことです。
誤解のないように申し上げると、SUPER STUDIOのマーケティングとセールスチームは社内でも稀に見る最高のチームワークを発揮しています。
互いのマインドも素晴らしいですし、KPIの不整合も互いに理解し、自グループの難易度が上がっても全体最適の考えが持てるチームです。
ただ、正直、僕たちも前回がタクシーやテレビといったマスよりの大型マーケティングにはじめて挑戦したこともあり、主目的は認知を上げることであるという一般論を完全に疑ってかかることができませんでした。
そのため、ある程度クリエイティブの方向性が決まった後は、マーケティングチームに閉じてプロジェクトを進めてしまいました。
前回のクリエイティブは、EC界隈の方々はもちろん、広告業界の方々からも大きな反響をいただきましたし、KPIの達成状況も上記の通り、最高の結果でした。
しかし、重ねてになりますが、認知やリード数はあくまでも中間KPIであり、マーケティングにおいて、最も重要なのは売上(契約獲得)を伸ばすことです。
SUPER STUDIOのマーケティンググループの責任者がマネージャーの名言があります。
マーケターなら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。認知は大事であることは事実だと思うのですが、認知の経済効果を厳密に言語化することは非常に難しいものだと思っています。
前回は、CMによる認知向上からのリード獲得の範囲までは完璧に戦略を組めていましたが、その後、リード獲得から商談化、受注といったセールスの領域について、ほとんど連動できていませんでした。
今回のクリエイティブでは、セールスチームのインサイドセールス及びフィールドセールスの戦略にインパクトを出すことを最優先し、クリエイティブの意思決定会議にも、セールスのマネージャーがしっかり参画し、意思決定に関与してもらいました。
そして、KPIについても「指名検索数 & リード数」から「商談数 & 契約獲得件数」へ切り替えました。
これは非常にチャレンジングなことだと思っています。
なぜ「やぁー」のクリエイティブに行き着いたのか
上記も踏まえクリエイティブを考える上で最も重要なことは、前回に引き続きな部分と合わせると以下の2点だと考えました。
・インサイトフルな伝えたいメッセージの言語化(前回継続)
・セールス戦略に活かせるアイコンづくり
こういった難題を解決していくためのアイデアを前回に引き続き、NEWSさんにご検討いただき、本当に面白いクリエイティブをいくつも提案してくださった中で、マーケティング&セールスチーム議論した結果、今のクリエイティブに辿り着いたのですが、正直、こういうプロセスに綺麗に決めていきましたという順番は今回は特になかったと思います。
2回目ということもあり、安易な判断を誰一人しないチームですので、いい感じの緊張感はありつつも、要件を元に、あーでもないこーでもないという議論を重ねに重ねた結果、今回のクリエイティブに着地しました。
インサイトフルな伝えたいメッセージの言語化
本質的に伝えたいことは、前回からは全く変わっていませんが、クリエイティブとの親和性を考慮し、もう少し別角度からのアプローチはないかと考えました。
今回のメッセージ選定のキッカケは、普段から僕はEC業界のことを聞かれた際に社内でも社外でもよく使っているお話があります。それが題材となりました。
このお話は実際にECを運営していない方にとっても非常にイメージが伝わりやすいということで、1案の中に「穴の空いたバケツに水を注ぐ」という表現が出たという感じです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、僕たちはEC業界と常に向き合っています。業界の課題は何なのか、今後どうなっていくのか、CM制作のためにいきなり0ベースで議論しても深みに辿り着くことはまずないです。
普段から、業界についていろいろな角度でディスカッションしていくことが大事で、それを常におこなっている組織からすれば、既に答えは出ているはずで、アイデアを出すというよりは、削ぎ落としていく作業になると思います。
セールス戦略に活かせるアイコンづくり
前回のクリエイティブでは、取り入れなかったアイコンづくりですが、実はそこには取り入れないなりの理由がありました。
アイコンづくりというのは、サービスを見た時に「あのタレントのサービスね。」という感じで、サービスの詳細はわからないが、何かしらの印象で知ってはいるという状態をつくることをここでは意味しています。
これは前回のクリエイティブ検討時にも実は観点として上がっていたのですが、以下の2つの理由から取り入れるのを意図的にやめていました。
①ecforceの認知度が低かった
第1回の時点では、「ecforce」はほぼノープロモーションに近かったので、「名前を単に覚えてもらう」とか「あのタレントのサービスね」と覚えてもらうことは、あまり意味がないんじゃないかと仮説を立て、第一弾は、自分達が何者なのかをしっかり伝えるべきという判断がありました。
しかし、第1回のタクシー&テレビによる露出や、大型の資金調達、そして何よりサービスの圧倒的な成長により、今回のクリエイティブ検討ではアイコンに振り切っても良いという判断になりました。
②セールス組織が未熟だった
少しお恥ずかしい話ではあるのですが、アイコンだけ覚えられても、それを契約につなげられるほどのセールスチームにまだ成熟していませんでした。
しかし、この1年でS&M組織の成長に加え、「ecforce」もプロダクトとしての圧倒的な優位性をつくれていると確信しており、EC SaaSとして成長率No1を出せている通り、商談を実施させていただけさえすれば、その魅力を伝える自信があります。
ですので、マスよりのプロモーションにおいて、必要なのはプロダクトの魅力を伝えることではなく、圧倒的なインパクトを持って何かしら覚えていただく、つまりアイコンをつくる方向に振り切る意思決定ができました。
ただ、この意思決定が正しいかは、会社によって異なると考えており、S&M組織やプロダクトのレベルが一定以上なければ絶対に成立しない戦略だと考えています。
そういう意味でも、本当にSaaS事業というのは組織とプロダクトの両輪だなと常々思います。
以上の観点から、さまざまな議論を重ね、当クリエイティブに行きつきました。
SNSでのバズりは狙ったことだったのか?
クリエイティブに行き着いたプロセスと同列で聞かれるのが、「バズらせようとしていたのか?」ということです。
簡潔に答えるのであれば、正直、クリエイティブに関わるメンバーは狙っていました。
ただ、ここまでのレベルでバズったのは若干想定外なところもありまして、非常にありがたいことだなと思っております。
前回のCMで、主KPIを認知においたことで、チームとしても1つ違和感を持っていました。それは結果的に認知KPIは達成できましたが、やっぱりそれだけでは驚くほど契約件数が伸びなかったという事実です。
そもそも中間KPIというのは、それが達成されれば、最終的なKGIが達成されていく関係になければならないわけで、認知KPIなんてものは果たして重要なのか?その前提から疑わないといけないんじゃないかと考えました。
ただ、売上に直結するかどうか疑わしい認知というものに膨大な予算を投下していくことを正当化することは難しいが、マーケティングにおいて認知を取ることが重要ではない断言することもまた難しい。
特にECやSaaSに限らず、市場は投資対効果を強く意識しはじめています。
企業として考えなければならない費用対効果とは、当然、投資に対する売上(利益)の増加であり、こういう厳しい状況においては認知に対する考え方より難しくなりました。
そこで、目指したのはこのデジタル時代だからこそできる広告に単に予算を投下することで認知を伸ばすのではなく、クリエイティブそのものが拡散力を持てるように設計し、圧倒的認知を拡大させていくことです。
いわゆる、バズらせるということです。
当記事でバズらせるコツまで語れればと最高なのですが、残念ながら、僕たちもまだまだそういう成熟度にはないなと思っていますし、そもそも、再現性がないからバズるのだとも思っています。
「シェアしたくなる」「マネしたくなる」のようなフレームワークや要素的な話は浅い言葉を並べればいくらでもかけますが、そんなルールを守ったら、確実にバズるのかというと答えはNOだと思います。
もちろん、意図的にバズらせている方々も世の中には大勢いるとは思うのですが、そんな方々でも10回やって1回当たる的な、そこにはやはり打率的な概念が入ってきます。
つまり、バズの最大の弱点は計画することができないことだと思っています。
特に企業が大きくなればなるほど、炎上につながるようなリスクは取れなくなりますし、そもそも「事業計画にここでバズらせるのでコスト変わらず、売上伸びます。」って宣言できる強靭なメンタルは少なくとも僕にはないです。笑
ただ、デジタル時代だからこそ、広告投資予算の大きさに依存しない何かしらの起爆剤はマーケティングチームとして用意していきたいと思っていたため、本筋はしっかり追求しつつも、裏ミッションとしてしっかり狙っていたというイメージになります。
さいごに最近、マーケティングについておもうこと(メンバー募集中)
まだ、今回のクリエイティブが大成功かどうかを判断できるフェーズにありませんが、滑り出しは順調なのかなとは思います。
しかし、今回の結果を見て、僕の中でもマーケティングについて考え方が少し変わりました。
正直、タクシーCMにしろ、テレビCMにしろ、とにかく王道なクリエイティブをつくって、億単位の予算を使って広告出稿すれば、一定の認知を獲得することは難しくありません。
もちろん、そのクリエイティブの品質が悪いと、無風に終わることもありますし、ターゲット顧客のインサイトをぶっさすようなクリエイティブをつくれれば、素晴らしい効果を得ることもできます。
また、特にテレビなどのマスよりの広告媒体は出稿するだけで、「その媒体に広告出稿する規模の会社」という権威を得ることもできます。
実際、前回のテレビCMでは、定量的な効果以上に会社としての格が1つ2つ上がったと思えるような体験があり、その効果を定性的ではありますが、実感することができました。
ただ、昨今、このデジタル社会で、情報の拡散をお金をかけなくてもできるようになったにも関わらず、さも当然かのように億単位の金額を既存の手法に投下していくやり方が正しいのか、そしてそれはマーケターとして高いスキルがあると言えるのか、という点について疑いをもつようになりました。
もちろん、企業には予算というものがあります。
会社経営には、計画を計画通り実行していく精度が求められますし、それは企業規模が大きくなり、ガバナンス体制が整えば整うほど厳しくなります。
なので、やはり予算を積むことで、できる限り再現性をもって安定的に結果が出る方法を選択していくことがセオリーです。
そのため、広告予算を投下することで一定の効果が保証される手法というのは、企業にとっては今後も必要になり続けると思います。
ただ、、、
SUPER STUDIOは、セオリーなマーケティング投資は引き続きやりつつも、どこか飛び道具的に爆発的な結果を狙っていくような、そんなマーケティング集団でありたいと思っています。
バズを予算に入れ込むようなメンタルは持ち合わせておりませんので、計画することもしません。
ただ、常にずっと裏ミッションで狙っている。
そういう遊び心は忘れないセールス&マーケティングチームでありたいなと感じた今日この頃でした。
楽しくないと仕事じゃないですからね。
そんな最高の結果を出せているセールス&マーケティングチームは、絶賛人材を募集していますので、我こそはという方はぜひ、応募お待ちしております!
▼遊び心を忘れないマーケティングチームに興味ある方はこちら▼
▼圧倒的な結果を更新し続けているセールスチームに興味ある方はこちら▼
以上です、長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました!
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