見出し画像

『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』

「キーエンス」という会社をご存知でしょうか?

平均年収2,279万円(2023年度)というオバケのような企業ですがリアルに存在します。なぜそんなことができるのか? 気になりますよね。

本書は、日経の記者がキーエンスを取材した結果がまとめられています。


一緒に学びましょう!💪


当たり前のことを当たり前にやる

何かすんごいことでもやってるんでしょ?
と思いながら本書を読んでいたのですが、その期待は裏切られました

彼らがやっていることは「当たり前のことを当たり前にやる」
それだけなのです。ただし、徹底的にやる


取材の中で、あるOBが言っています。
「あまりに普通で、取材しがいがないでしょう」と。

この発言は、彼らの中で「当たり前すぎて普通になっている」ということの証左だと感じました。


一方で、自分やまわりのことをふり返ってみるとどうでしょうか?


私も、私のまわりも「当たり前ができていない」のが実態です。

みなさんの会社の中でも「チームで~」とか「一丸となって~」みたいな言葉が出てきませんか? でも、実際はできていない。

本書を読んでいると「会社がチームで動くとはどういうことか」をまざまざと見せつけられます


性弱説

「きっとキーエンスの社員はスーパースターばかりなのだろう」と、思われるのではないでしょうか? でも、

油断をするとラクをしたいと考えてしまう

そんな人間らしさはキーエンスの社員も同じなのです。だから、人間らしさは前提になっています。それが「性弱説」です。

「人は弱いもの」を前提とするなら、どうやってうまくやっているのか? それは・・・


とにかく仕組み化

以前、『とにかく仕組み化』という本を紹介しましたが、まさにこの本の内容を実践しているのがキーエンスなのです。

ただ、時間的には本よりキーエンスのほうがだんぜん先です。キーエンスは1990年代から、仕組みファーストでやってきました。

うまい「仕組み」になっていれば、弱い人間でも自然と行動にむすびつきます。

「個人が成長すれば、会社はよくなる」なんて言ってる会社もあるでしょうが、順番が違うんですね。最初に仕組みをつくることが大事なのです。

そして、

「全員」が、「日々」怠らず、「徹底」している

これが重要なのです。
こんな図解に書き直すこともできます。

仕組みをつくることで、それが自然と文化になり、自然と人が育つのですね。


数値化の鬼

さらに、これまた過去に紹介した『数値化の鬼』も実践しています。

情報の「可視化」と「共有」が当たり前

なんですね。もちろん、これも「仕組み」になっているわけです。『数値化の鬼』をアウトプットしたときはこんな図解をしました。

『数値化の鬼』のアウトプットより

キーエンスでも、「行動にむすびつくKPIの設定」をやっています。そして、その数字は自分だけはなくみんな見れるようになっています。

その数字のふり返りを毎日やっているのだから、「営業マンは3年目には超一流」と聞いてもおどろきません。


そんなキーエンスでは、「評価は結果で見るんでしょ?」と思われるでしょうが、意外と結果ではなく「プロセス重視」なんだそうですよ。


ニュータイプ

さらにさらに、キーエンスのみなさんは『ニュータイプの時代』で紹介したようなニュータイプでもあります。

彼らは、特注品をつくりません
また、「機能的な価値」ではなく「意味的な価値」を提供しています。

顧客がほしいというものはつくらず、「自分から問題を見つけて、解決方法を探る」。まさにニュータイプなのです。


スーパースターはいらない

目からうろこのおどろきがあった内容なのですが、

スーパースターではなく、アベレージヒッターをしっかりそろえて、平均値を上げながら会社を強くしていく

という話がありました。これは「属人化を防ぐ」ためには必要ですね。これ自体はわかりやすい話なのですが、この平均値を上げるために、

成績トップではなく、中間層の中で十分に適切な行動をしている担当者を見つけて、その人を手本にさせる。のだそうです。

成績トップの人には、「すげー!マネしたい!」と思うのですが、すご過ぎて追いつけないんですよね💦

そうではなく、

「がんばったらマネできそう」と思わせるちょうどいいポジションの人をお手本にするのがミソなのです。そうすれば平均値が上がる。なるほどです。


「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」

会社、SNS、メディアの世界では、たいてい「誰が言ったか」が重視されますよね。

でも、本当は「何を言ったか」が重要だと私も思うのです。「何を言ったか」を重視するキーエンスには共感しかありません。


まとめ

過去に読んだいろんなビジネス本をまさに実践しているのがキーエンスなのだと感じました。

会社がチームになって行動する

その本当の姿を見ることができました。だからこそ「私のような下っ端一人ががんばったところでしょうがない」という思いも正直あります。

ただ、「当たり前のことを当たり前にできる」そんな姿勢をもち、行動ができる人間でありたいと感じました。

感じるだけではなく、しっかり行動にむすびつけていきます。ただ、行動にむすびつくKPIの設定は苦手なんだよなぁ…💦


本日の学びはここまで。読んでいただき、ありがとうございます!
また来てください。👋


きしゃこく先生にご紹介いただきました。
いつもありがとうございます😊

<関連記事>

読書期間 2024/05/09-2024/05/15
初版発行 2022/12/26

<購入はこちらからどうぞ(楽天アフィリエイト)>

<この記事を書いている「高橋ひろあき」とは?>


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件

#ビジネス書が好き

4,087件

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます! 楽しく、読みやすいnoteになるように今後もがんばっていきます。